2018年1月31日に行われた、シャープ株式会社2018年3月期第3四半期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。IR資料

スピーカー:シャープ株式会社 代表取締役兼副社長 野村勝明 氏

2017年度 第3四半期 連結業績概要(1)

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野村勝明氏(以下、野村):本日はご多忙な中お集まりいただきまして、ありがとうございます。

それでは、お手元にお配りしておりますパワーポイント資料に沿ってご説明させていただきたいと思います。

まず、2017年度第3四半期の連結業績概要です。第3四半期の業績は、売上高、各利益とも通期予想の達成に向け、順調に推移しました。

売上高は引き続き堅調で、前年同期比では25パーセントの増収となりました。全セグメントで2桁の伸長となっております。

利益も順調に推移し、各利益とも黒字を継続しております。2014年度の第1四半期以来となる、5四半期連続での前年同期超えとなりました。とくに、親会社株主に帰属する四半期純利益は、前年同期比で5倍に迫る大幅な増益となりました。

2017年度 第3四半期 連結業績概要(2)

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次のスライドをご覧ください。2017年度第3四半期の業績数値をまとめてあります。

売上高は前年同期から25パーセント増加し、第1四半期比でも17.3パーセントの増加となり、7,142億円となりました。

利益も、売上高が大幅に増加したことなどから、営業利益は297億円、経常利益は299億円、親会社株主に帰属する四半期純利益は206億円と、それぞれ前年同期を上回り、順調に推移しております。

2017年度 第3四半期 営業利益 要因別増減分析(対前年同期)

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次のグラフは、営業利益の前年同期比での要因別の増減分析です。

ご覧のように、当第3四半期の営業利益は前年同期から大幅に伸長し、297億円となっております。売価ダウンによる355億円の利益減はあったものの、311億円のコストダウンや販売増による154億円の利益の増加などがあり、前年同期比1.5倍以上の収益を確保することができました。

2017年度 第1~3四半期 累計 連結業績概要

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次のスライドは、2017年度の第1四半期から第3四半期までの累計の業績数値をまとめたものです。

売上高はアドバンスディスプレイシステムを始め各セグメントとも増収となり、前年同期比22.7パーセント増の1兆8,294億円となりました。

営業利益は大幅な増収となったアドバンスディスプレイシステムを中心に、前年同期比3.7倍の703億円と、大きく改善しております。

加えて、営業外損益も改善したことから、経常利益は711億円、親会社株主に帰属する四半期純利益は553億円に、それぞれ前年同期の赤字から大幅に改善となり、黒字となっております。

セグメント別売上高

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次のスライドはセグメント別売上高の一覧になります。ご覧のとおり、第3四半期は全セグメントで前年同期から2桁の伸長になっております。

スマートホームの売上高は、前年同期比15.5パーセント増の1,489億円となりました。『AQUOS R』シリーズを中心に携帯電話が増収となったことに加え、コードレス掃除機『RACTIVE Air』などの掃除機や洗濯機も好調に推移しました。

また、エネルギーソリューション事業も、海外などが堅調でした。

スマートビジネスソリューションは、ファンド投資の効果もあり、海外の複合機が好調であったことなどから、前年同期比10.8パーセント増の801億円となりました。

IoTエレクトロデバイスは、スマートフォン向けカメラモジュールの大幅な増加に加え、センサーモジュール、半導体など、独自デバイスの販売増もあり、前年同期比34.8パーセント増の1,893億円となりました。

アドバンスディスプレイシステムは、前年同期比28.2パーセント増の3,146億円となりました。大手顧客向けなどのスマートフォン用パネルの販売が減少したものの、タブレットや車載用など中型パネルが増加し、中国やアジア、欧州で液晶テレビの売上も伸長したことから、増収となっております。

セグメント営業利益

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次はセグメント別営業利益の一覧です。各セグメントとも黒字を継続しております。

スマートホームの営業利益は、前年同期比3.6倍の106億円となりました。携帯電話の販路拡大や、掃除機などの独自新規商品による販売増が大きく寄与したことに加え、継続してコストダウンに取り組んだことにより、大幅な増益となりました。

スマートビジネスソリューションは、価格下落の影響などから前年同期を下回ったものの、増収効果に加え、経費削減に取り組んだことなどもあり、36億円の黒字を確保しております。

IoTエレクトロデバイスは、モデルミックス悪化の影響などはありましたが、コストダウンの取り組みにより収益性の改善を図ったことから、51億円の黒字を確保しました。

アドバンスディスプレイシステムは、前年同期比19.8パーセント増の131億円となりました。

液晶テレビ事業は価格下落の影響があったものの、中国を始めとする海外での好調な販売に伴い、黒字を継続しております。

ディスプレイ事業は、車載用パネルなど中型パネルへのカテゴリーシフトやコストダウンが寄与し、大きく改善しております。

営業外損益・特別損益・法人税等の概要

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次のスライドは、おもな営業外損益・特別損益・法人税等の概要です。

2017年度第3四半期の営業外損益は、持分法による投資損益が黒字化したことなどから、前年同期に比べ改善しております。

また、特別損益についても、段階取得に係る差損があったものの、減損損失が減少したこともあり改善しております。

なお、2018年度より、米国の連邦法人税率が引き下げられることから、米国事業で発生した繰延税金資産も、新たな税率で再計算しております。これに伴い、第3四半期に繰延税金資産を約28億円取り崩し、法人税等に計上しておりますが、税率変更による会計処理であり、税金支払い義務の増加を危惧するものではございません。

連結貸借対照表推移

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次のスライドは、貸借対照表の推移です。

2017年度第3四半期末の現預金は、収益が順調に回復した一方、有利子負債の返済を行ったこと、積極的な投融資を行ったことなどから、第2四半期末の4,354億円から3,976億円へと減少しております。

2017年度第3四半期末の純資産は、親会社株主に帰属する四半期純利益が黒字であったこともあり、第2四半期末に比べ317億円増加し、3,895億円となりました。

自己資本比率も、第2四半期末の18.2パーセントから18.7パーセントに、引き続き上昇しております。

たな卸資産の推移

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次のスライドは、たな卸資産の推移です。2017年度第3四半期末のたな卸資産は、第2四半期末の1,860億円から2,144億円に増加しました。月商比では0.06ヶ月増の1.06ヶ月となりました。

今後も需要動向や販売リスクなどを適宜把握し、引き続き適正な在庫水準を維持します。 

有利子負債の推移

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次のスライドは有利子負債の推移です。2017年度第3四半期末の有利子負債は、223億円減の6,349億円となりました。純有利子負債は積極的な投融資に伴い、現預金が減少したことなどから、154億円増の2,372億円となりました。

引き続き、在庫の適正化や効率的な設備投資の実施に努め、キャッシュ・フローの改善を図ります。

2017年度 通期 連結業績予想

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次のスライドは、通期の業績予想です。

昨年(2017年)10月27日に上方修正した通期の業績予想の達成に向けて、第3四半期まで順調に進捗しております。今後もこの流れを止めることなく事業拡大に取り組み、着実に通期業績予想を達成するとともに、収益力の強化と財務体質の改善を図ります。

補足資料として、セグメント別売上高、営業利益などの実績をまとめております。ご確認いただけたらと思います。

ご清聴ありがとうございました。

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