米国長期金利の上昇で、米株、日本株ともに大幅下落

2018年2月2日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は、前日より211円58銭安の23,274円53銭となりました。1月23日に24,124円と、終値ベースで2万4000円台に乗せたものの、その後は6日続落。31日にはザラバの安値が23,092円と、2万3000円割れに迫りました。2月1日には反発するものの2日にはまた下落しました。

大きな要因となっているのが、米国をはじめ欧米の主要国で長期金利が上昇していることです。1日のニューヨーク債券市場では、米長期金利の指標である10年物国債利回りが2.79%と2014年4月4日以来ほぼ3年10か月ぶりの水準に上昇しました。

長期金利が上昇すると、債券などと比較した株式の割高感が意識されやすくなります。これまで米国をはじめ、欧州や日本なども含め、先進国では低金利が株高を支える構図になっていましたが、それが崩れる可能性もあります。

2日の米株式市場では、ダウ工業株30種平均が前日比665ドル安となりました。ダウ平均に採用されている30銘柄すべてが下落しています。

2日には1月の米雇用統計が発表されました。平均時給が伸びたことから、米連邦準備理事会(FRB)が利上げを急ぐとの見方が広がり、米長期金利は一時、2.85%と約4年ぶりの水準に上昇しました。雇用統計が市場予想を上回ったにも関わらず、株価が下落するという、判断が難しい局面です。

日本株にとって気になるのが為替の動向ですが、2日のニューヨーク外国為替市場で円相場は3日続落し、1ドル=110円10~20銭で取引を終えています。足元では円安局面ですが、週明けの日経平均は米株の下落に連れ安となる可能性のあるため、注意が必要です。

ただ、米国、国内ともに企業の業績は好調なことから、ここからつるべ落としのように下落するよりは、高値圏でのもみ合いが続くのではないでしょうか。個別銘柄の物色にはチャンスと言えるでしょう。

25日移動平均線を割り込むが、下値の堅さは感じさせる

先週の動きをテクニカル面から振り返ってみましょう。大きなポイントは、30日に25日移動平均線を割り込んだことです。昨年の12月以降、下値サポートラインとして機能していました。

31日にはザラバでは陽線となる局面もありましたが、結局は上ヒゲの長い陰線となり下落。翌2月1日にも、陽線となって25日移動平均線の回復に向かう動きとなりましたが、25日移動平均線付近で上値を押さえられ、再び下落しました。

中期的には上昇のトレンドは変わらず、押し目買いを狙いたい

今週の動きはどうなるでしょうか。25日移動平均線を割り込んだことから、積極的に買いに出るのはためらわれるところです。ただ、1月31日にザラバで23,092円まで下げながらも、そこから反発しているところには底堅さを感じます。

中長期的に見ると、依然として2016年6月以降の強い上昇トレンドの中にあります。25日移動平均線は割り込んだものの、まだ25日移動平均線、75日移動平均線ともに上昇しています。

また、昨年の11月以降、何度もトライしてようやく超えた2万3000円のラインがあります。ここはかなり強い下値支持線となっており、先週もサポートされました。ここを割り込まない限りは、押し目買いの好機と考えていいと思います。ただし、直近は2万3000円と2万4000円の間でもみ合うことも考えられます。

上値めどとしては、25日移動平均線と先週の高値が重なる23,500円付近、1月23日の下落からの半値戻しの23,600円付近となるでしょう。もちろん、再度2万4000円台を回復するようであれば、積極的に付いていきたいところです。

下原 一晃