決算のポイント

2018年2月5日、パナソニック(6752)は、2018年3月期Q3累計(4-12月期)決算を発表。

9ヵ月累計実績は、売上高が対前年同期比+9%増、営業利益が同+15%増、親会社の所有者に帰属する四半期純利益が同+1%増となった。

セグメント別では、売上高は、全セグメントが増収を確保し、営業利益はオートモーティブ&インダストリアルシステムズ(AIS)を除き全セグメントが増益となった。なお、AISの減益は、車載向け先行投資などの固定費増加や前年に引当金戻入益や事業譲渡益などの一過性要因があったことによる。

一方、2018年3月期通期会社予想は売上高及び各利益項目が上方修正された。材料費高騰の影響はあるものの、円安による好影響や、固定費削減、法務関連費用の見直し等の収益改善効果が勘案されたことによる。

なお、セグメント営業利益は、材料費の上昇影響でアプライアンスが下方修正。また、AISも北米での車載用電池の販売計画の見直し等の影響で下方修正された。一方で、コネクテッドソリューションズは、部品実装機の好調などにより上方修正されている。

今後の注目点

ソニー(6758)が今年度に20年ぶりに過去最高益の更新が見込まれる一方で、パナソニックは、上方修正後の営業利益でも過去最高(1984年11月期5,757億円)の約6割の水準に留まる見通しである。このため、今後は、車載用電池や電装関連事業の本格的な利益貢献時期などを探るとともに、最高益更新のタイミングについても注視していきたい。

LIMO編集部