やはり行きつくところはピックアップトラックか

これぞ漢のクルマ!〜クルマと遊ぼう(18)

ピックアップトラックが日常風景のアメリカ

北米では乗用車に負けないマーケットシェアを持つといわれる小型ピックアップトラック。ほぼ四半期に1回のペースで会議のために北米に出張しているが、確かにシカゴやデトロイトのダウンタウンエリアのような都市部では乗用車や小型SUVのほうが多く走っているものの、ひとたび郊外に出た途端ピックアップトラックが目立つようになる。

定宿のホテルの隣にあるショッピングモールに行けば、それこそ日本で言うところの「近所のおばちゃん」的な、どう見てもふつうの主婦がどっさり買ってきた食材を無造作にピックアップトラックに放り込む姿を日常的に見ることができる。

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また、巨大なホームセンターに行けば、これまた近所の穏やかなおじさん、おばさんみたいなご夫婦が、DIYでもするのだろうか、大量のペイント缶と木材をトラックベッドに放り込んで、ドロドロと勇ましい音を立てながら走り去る光景を目にする。

SUVを卒業しかけた頃の想定外の出会い

スバルレガシィに代表される、いわゆるステーションワゴンも今ではすっかり定着したが、ひと昔前は「バン」と言われて、いわゆる職人さんたちの資材運搬車と同じ扱いを受けていた。この「バン」をステーションワゴンというファミリーユースの1つのカテゴリーとして定着させたのだから、スバルレガシィの果たした功績は大きいと思う。

その流れは当時の輸入車ブームにも波及して、ボルボ850エステート、フォードトーラスワゴン、フォードモンデオワゴン、オペルアストラワゴン、メルセデス・ベンツC/Eクラスワゴン、フォルクスワーゲンゴルフワゴンといった魅力的な輸入車たちが若い家族層に支持を受け爆発的に売れることになる。

若い頃はこのワゴンブームを横目で見ながら、この少し前に逆輸入のような形で「ハイラックス ピックアップトラック」が若者の間で盛り上がった流れが、北米と同じようにいずれ日本でもピックアップトラックが市民権を得るに至るかと期待したものだった。

それは結局リアにキャノピーを乗せたタイプに移り変わり、結果パジェロやテラノ、プラドやハイラックスサーフといったSUVのカテゴリーが熟成していった。

我が家もDINKs(子なしの共稼ぎ)だった頃は輸入車ワゴンブームに感化され、オペルアストラワゴンに乗りつつ、次はアウディ80アバントあるいはメルセデスCワゴンか...と夢を見ていたが、息子を授かったのがきっかけでシボレーアストロ→トヨタハイラックスサーフ→シボレータホといった室内のユーティリティを優先した車種選択をしていった。これらのミニバンやSUVで、息子が小さかった頃はよくキャンプに行ったものだ。

時は流れ、アウトドアの遊びにも行かなくなってSUVを必要とする理由がほとんどなくなり、むしろ小っちゃくても元気に走るクラシックミニに手をかけていたころ、たまたま遊びに行った馴染みのクルマ屋さんで想定外の出会いがあった。

必要性など全く見当たらず、ただ単に「カッコいい!」「これぞ漢のクルマ!」というインパクトだけで、結果的に増車という形で我が家にピックアップトラックがやってきたのだった。

米国ブランドを経て、次はトヨタか?

それは、ダッジラムピックアップ1500 HEMI。シボレーばかり乗ってきた私には初めてのダッジブランド。5.7L-HEMIエンジンのトルクはそれまで経験したどのクルマよりも桁違いの力強さだった。

今でもその迫力あるボディデザインは大好きだが、全長5.8m、2mをゆうに超える全幅は、さすがに日本の横浜ではその大きさを持て余すことが多く、出かけた先でも駐車枠を超えてしまうために入場を断られることが少なくなかった。

その反省を糧に、次に我が家に来たのがシボレーアバランチ。日本国内では滅多に見ることがないが、全長約5.3mのサイズは使い勝手がよかった。

 

そして、このアバランチの唯一の不満点であったトルク不足を解消するためにやってきたのがキャデラックエスカレードEXT。アバランチとほとんど部品を共有しつつ、装飾はキャデラックでエンジンもひと回り力強い、というこれまた楽しいピックアップトラックだった。

 

ピックアップトラックの魅力は、その使い勝手はもちろんなのだが、実はそれ以上に大きな利点がある。それは1ナンバーゆえに自動車税が排気量に関係なく年間16,000円という点。SUVは、3ナンバーのその大きな車体を元気に走らせるために排気量が必然的に大きくなり、結果自動車税が頭痛の種となってしまうのだが、この1ナンバーの税額がもたらしてくれる恩恵は大きい。

先日、大人気ゆえに納車まで6〜9か月待ちというトヨタハイラックスを試乗してきた。必要にして十分なボディサイズは年を取って大きなアメリカンSUVの車幅が面倒になってきた自分にはちょうど良い。もちろん1ナンバー。

迫力はないけれど、発進加速でももたつきを一切感じさせないディーゼルエンジンもこれまた◎なのであった。燃費は同サイズのガソリン車と大差はないが、それでも軽油はお財布に優しい。そして、なんといってもピックアップトラックはやはりカッコいいのである。トラックを必要とする理由は今の我が家には一つもないのだが・・・何とも悩ましい毎日なのである。

鈴木 琢也

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鈴木 琢也

約30年にわたり一貫して人事のビジネスキャリアを持ち、輸入車ディーラー、電子部品、マーケティングリサーチ、食料品メーカー、国際航空貨物等、多岐にわたる業界を経験。加えて、ヤナセにてセールスマンの教育担当、J.D.Powerにてクライアントの顧客満足度向上支援のためのコンサルティング部門を立ち上げ高い評価を得る。
現在は ITW(Illinois Tool Works)の自動車部品製造における日本法人、ITW Automotive Japanにて人事責任者を担当。
プライベートでは根っからのクルマ好き。特に輸入車の所有歴はフェラーリ、ポルシェ、BMW、キャデラック、フィアット、マセラティ等々、延べで100台近くを乗り継いで現在に至る。人生最後に乗りたいクルマはデトマソ・パンテーラという、いわゆるスーパーカー世代。