2018年2月16日に日本証券アナリスト協会で開催された、ローランド ディー.ジー.株式会社2017年12月期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。IR資料

スピーカー:ローランド ディー.ジー.株式会社 取締役社長 藤岡秀則 氏

2017年度 決算サマリー

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藤岡秀則氏:みなさんこんにちは。ローランド ディー.ジー.株式会社取締役社長の、藤岡でございます。

本日はお忙しいところお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。2017年度通期の決算概要をご報告させていただきます。

まず、連結業績全般についてご説明申し上げます。

こちらのページは、2017年度決算のサマリーとなります。

前期比では、サイン市場向けを中心としたプリンターの減収により、減収減益の結果となりました。具体的な係数面については、後ほどご説明いたします。

また2017年度の特殊要因としては、米国における特許訴訟の和解が成立いたしまして、第1四半期に特別損失で(和解金を)13億8,100万円計上いたしました。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は大幅に減益となりました。

一方で、昨年(2017年)4月に新設しました子会社のDGSHAPE事業については、順調に拡大しており、成長分野の事業化に向けて成果が上がりました。

2017年度 連結業績

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ここからは、連結業績の係数面についてご説明いたします。

2017年度の売上高は、435億7,300万円、前期比1.2パーセント減。

営業利益は38億5,300万円、11.6パーセント減。

経常利益は38億400万円、7.3パーセント減。

当期純利益は19億1,800万円、29.1パーセント減となりました。

なお、前期との比較値など詳しい数値情報は、Appendixとしてお手元のスライド資料の最後に添付しておりますので、後ほどご覧いただけたらなと思います。

売上高・営業利益分析 前期比

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続いて、こちらのページは、売上高と営業利益の増減分析です。

売上高は、前期比と比較して実質21億円の減少となりましたが、為替により15億円の押し上げ効果があり、合計では6億円の減収となりました。

営業利益では、売上減収要因や販売単価の下落、モデルミックスの変化などがあった一方で、R&D費用の減少、原価低減の効果や販管費の抑制に加えて、為替円安の効果などがあり、合計では5億円の減益となりました。

なお、主要通貨の為替レートですが、USドル(USD)は112円20銭、ユーロ(EUR)は126円70銭と、前期に比べ円安で推移いたしました。

売上高・営業利益分析 修正予想比

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続いて、昨年(2017年)5月に発表いたしました、修正予想値との比較となります。

売上高は実質22億円の未達となりましたが、為替により14億円の押し上げ効果があり、合計では8億円の未達となりました。

営業利益では、売上減収要因やモデルミックスの変化などがあった一方、主に販管費の抑制と為替円安の効果などにより、修正予想を上回りました。

2017年度 品目別売上高

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こちらが、品目別の売上高です。

プリンターの売上高は、主にサイン市場向けのプリンターが大きく減少したことで、減収となりました。

プロッタでは、昨年販売した新製品「GRシリーズ」や「GSシリーズ」が増加いたしました。

工作機械では、デンタル加工機および3Dものづくり分野向けの切削加工機(の新製品)が牽引し、20パーセント近い増収となりました。

サプライではプリンターと同様、サイン用プリンターの溶剤インクが減少しましたが、UVインクの増加でカバーして、前期並みとなりました。

その他では、サービスパーツの売上が増加いたしました。

2017年度 地域別売上高

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次に、地域別の売上高についてです。

日本や北米では、主にサイン用プリンターの減少が影響いたしました。欧州ではデンタル加工機や切削加工機が増加したことで、前期を上回りました。

アジアでは、中国や韓国においてデンタル加工機が伸長したものの、プリンターが伸び悩み、前期を下回りました。

その他地域では、サイン用プリンターが減少いたしましたが、デンタル加工機の販売増加などにより、前期並みとなりました。

要約連結貸借対照表(2017年12月31日現在)

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こちらは、連結貸借対照表のイメージとなります。

当期末の総資産は前期末と比べて、2億2,900万円増加いたしました。資産および負債純資産の部門の、主要な増減科目はスライドに記載の通りです。

なお、有利子負債については、主に2014年と2016年に実施した自己株式の取得にともなう借入金です。コンスタントに返済を進めておりまして、総額は前期末の61億円から48億円程度となっております。

また、自己資金比率は、前期末の56.7パーセントから4.9ポイント上昇し、61.6パーセントとなりました。

2018年度の方針

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続いて、ここからは2018年度通期の連結業績予想について、ご説明いたします。

まずは、2018年度の主な方針です。

当社では、プリンターの主力市場であるサイン市場に依存する事業構造が成長分野と定めたデンタルや、3Dものづくり分野を担うDGSHAPE事業とリテイル事業のさらなる成長を図り、新たな事業の柱としてまいります。

後ほどご説明いたしますが、2018年がまさに、この転換期にあたる1年だと考えています。

さらに、この事業転換を力強く推進するための技術開発力強化にも、引き続き注力してまいります。

2018年度 通期連結業績予想

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続いて、こちらが2018年度通期の連結業績予想となります。

売上高は436億円、前期比0.1パーセント増。

営業利益は34億円、11.8パーセント減。

経常利益は32億円、15.9パーセント減。

当期純利益は22億円、14.7パーセント増の見込みとなります。

通期連結業績予想 売上高・営業利益分析 前期比

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通期予想値と前期実績との比較となります。

売上高は、事業ポートフォリオの転換期にあたるため、前期並みとなる見込みです。

営業利益では、4億円の減少となる見込みです。

減益要因ですが、まず初めに、前期の下半期よりプリンターの価格競争を高めるために実施した値下げ影響があることに加えて、R&D費用の増加や成長分野へのリソース拡充にともなう人件費や、広告販促費などの販管費の増加を見込んでおります。

なお、通期業績の予想における想定為替レートは、USドルは110円・ユーロは130円と見込んでおりますが、業績に対する為替影響はほとんどなく、(あるとしても)売上高でおよそ1億円程度となります。

2018年度 品目別売上高予想

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続いてこちらは、通期の品目別売上予想となります。

主な品目について、ご説明申し上げます。プリンターにつきましては、リテール市場向けのUVプリンターは増加する見込みですが、引き続きサイン市場では厳しい環境を想定しているため、前期を下回ると予想しております。

一方、工作機械については、今年(2018年)2月に発表済みの新製品を軸としたデンタル事業の成長により、大幅な増収を見込んでおります。

工作機器は、全体の売上に占める割合がおよそ15パーセント程度まで拡大する計画で、先ほどご説明した2018年度の方針の通り、事業のポートフォリオを変えていく予定です。

サプライにつきましては、UVインクが増加するものの、サインのインクが増加する見込みのため、わずかに前期を下回ると予想しております。

2018年度 地域別売上高予想

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地域別の売上高予想です。

各地域の予想値は、ご覧の通りとなります。北米・欧州などの先進国では、サイン用プリンターの構成比率が高く、減少する分野と成長する分野がクロスオーバーするために、横ばいもしくは微減を予想しています。

一方で、アジアや南米・アフリカなどで構成される、その他地域の新興国は、UVプリンターやデンタル加工機、切削加工機が伸長する見通しで、ポートフォリオの転換が徐々に始まると予想しています。

研究開発費、設備投資額・減価償却費の推移

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続いてこちらは、研究開発費と設備投資額・減価償却費の推移となります。

研究開発費では、2016年度以降、売上高に対する比率を7パーセント台の水準に引き上げて、技術力強化に取り組んでおります。

設備投資では、2017年が谷間となり、投資額が8億7,700万円に減少しています。2018年は、昨年並みの設備投資水準を予定しております。

フリー・キャッシュ・フローの推移

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こちらは、フリー・キャッシュ・フローの推移となります。

まず最初に、緑色の折れ線グラフで示しているフリー・キャッシュ・フローをご覧ください。

2017年には、訴訟の和解金を特別損失に計上しているため16億円に落ち込みましたが、2018年は前期比でおよそ10億円を増加させて、26億円のフリー・キャッシュ・フローを見込んでおります。

ここ数年の利益水準の低下により、営業キャッシュ・フローは減少していますが、フリー・キャッシュ・フローを着実に生み出す健全な状態を、維持してまいります。

主要な経営指標の推移

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こちらが、主要な経営指標の推移となります。

緑色の折れ線グラフがROEですが、2014年および2016年の自己株式取得によって、自己資本を圧縮し、資本効率の向上に取り組んでまいりました。

しかしながら、フリー・キャッシュ・フローの説明と同様ですが、ここ数年は業績の伸び悩みにより、ROE・ROAの推移も低下しております。

2018年も残念ながら、予想ROEは9.8パーセント程度にとどまる見込みですが、後ほどご説明いたします施策の展開により収益力を高めていくことで、ROE水準の向上を目指してまいります。

配当予想

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続きまして、株主還元についてです。

当期2017年度の配当ですが、(2017年)2月9日の決算発表と同時に剰余金の配当に関するお知らせでご案内いたしましたとおり、期末配当を、従来予想の25円から35円に修正させていただきました。すでに実施済みの第2四半期配当と合わせて、年間では60円の配当とさせていただく予定です。

なお、この配当額の算出根拠には、特損などの特殊要因の影響を除いており、その場合は配当性向が27.9パーセントとなります。2018年度につきましては、5円減配となる年間55円を予定しており、配当性向は31.3パーセントを想定しています。

役員人事(予定)

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続いて、役員人事についてご説明申し上げます。こちらも(2018年)2月9日の決算発表と同時にお知らせしたとおりですが、取締役の異動を内定いたしました。

新任取締役として、当社の子会社であるDGSHAPE株式会社の代表取締役社長を務めております、田部耕平氏の就任を予定しております。

また、現取締役である橋本浩一氏の、常務取締役への昇格を予定しております。そして、取締役会長の冨岡昌弘氏・常務取締役の堀田修史氏・社外取締役の奥田千惠子氏の3名が、任期満了をもって退任する予定です。

いずれも、3月23日に開催を予定しております第37期定時株主総会での決議、およびその後の取締役会をもって、決定いたします。

事業の現状

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ここからは、事業における取り組みについてご説明いたします。

まずは、当社の事業の現状です。2018年度の方針でもご説明したとおり、事業のポートフォリオを展開いたします。スライドは、サインと注力分野の売上高の推移を示しております。サイン向けプリンターの売上は、競争環境の中で2014年をピークに減少を続け、2018年も減少する見込みです。

一方で、注力しているUVやデンタルは、成長を続けております。2018年も引き続き注力分野の成長に向けて取り組んでいくことで、UV・デンタル・3Dものづくりの売上を合計すると、サイン向けプリンターの売上を逆転する予定でおります。

サイン市場の認識

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続いて、サイン市場の現状認識となります。

当社が溶剤プリンターを販売するサイン市場では、インクジェットプリンターの普及・浸透が進み、顧客がプリンターを使うことに慣れてまいりまして、使いこなすレベルが高くなってきました。

(その結果)今まで、我々が強みとしている顧客に寄り添った用途提案や、充実したサービスサポート、さらにトレーニングなどは、価値として認められにくく、顧客ニーズの低下に移っており、当社にとってサイン市場は、強みを活かして高付加価値ビジネスを続けられる市場ではなくなってまいりました。

しかし、サイン市場に向けてインクジェット技術を磨いていくことは、当社の技術開発の底上げにつながります。今後、サイン市場で進化させ開発したインクジェット技術や差別化技術を、新たなアプリケーションや市場に展開することで、サインだけではなくリテイルをはじめとした、デジタルプリンティング分野の成長につなげてまいる所存です。

インクジェット技術の強化と展開

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こちらは、インクジェット技術の強化と展開と銘打ったスライドになりますが、サイン市場で培ったインクジェット技術を進化させて新たな差別化技術を開発し、新たなアプリケーションや市場に展開することで、リテイルをはじめとしたデジタルプリンティング分野の成長につなげてまいります。

UVプリンターによるリテイル向けビジネス

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こちらが、今までご紹介しましたUVプリンターにおける、リテイルビジネスのスキームをご紹介しているものになります。消費者ニーズの多様化やスマートフォンの普及を背景にして、当社はUVプリンターによるスマホのケースへの加飾印刷用途を確立して、小規模な工場を持つ事業者からショップなどの小売店店舗など、さまざまな顧客層に展開してまいりました。

携帯電話ショップやグッズショップといった小売店では、店頭に当社のUVプリンターを置いてオンデマンドの印刷サービスを行い、オリジナルのスマホケースを販売するユーザーが多くいらっしゃいます。こういった小売店店舗のユーザー層を、当社の製品サービスを提供するターゲットとした、リテイルビジネスとして位置づけておりました。

しかし、実際に加飾印刷されたスマートフォンケースを手に入れるのは、小売店店舗の先にいるさまざまな個人のお客さまであり、そこに生まれる「カワイイ」や「カッコイイ」といった個性表現を実現するのは、当社のビジネスとしてのリテイルと考えて、ビジネスのスキームを少し進化させる計画でおります。

現状のリテイルビジネス

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こちらのチャートが、今までのビジネスの構造を紹介してるんですが、私どもが商売するスキームはBtoBtoC。我々は、こういったリテイルのお客さまに製品をお届けして、製品を使って何に印刷するかは、すべてお客さまにお任せしていました。

ですので、お客さまのお店によっては、携帯ショップであれば携帯ケースに限られてしまっていたわけですけれども。(例えば)前回ご紹介したスペインのお客さまですと、ヤマダ電機さんのような家電量販店さんでは、家電のケースの隙間に印刷をしてお客さまにサービスを提供して、付加価値を上げるというスキームでした。

個人に焦点を当てた新しいビジネス提案①

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これを構造的に進化をさせた、個人に焦点を当てた新しいビジネス提案。私どもが、「どういうシーンで、お使いいただいたらいいか」について、お客さまをきちっと想定したアプリケーションの使い方をご用意することで、真の意味でBtoBtoCの、Cのお客さま向けのサービスを提供できる価値提供を求めたスキームを、これから用意してまいります。

例えば、お客さま視点で考えたときに、お客さまに(とって)おめでたいコト、お客さまがうれしいコト、楽しいシーン、幸せなシーン。こういうことを英語で言うと、イベントになるんでしょうか。

こういうイベントに、(例えば)結婚式のときに、「我々の製品を何かに応用すると、こういう喜び、こういう驚き、こういう楽しいコトが作れる」と。今まで、BtoBでお店の人にお任せしていたことを我々がきちっと考えると、実は我々がすごく有利な立ち位置で、ビジネスをできると気づきました。

今までは、お客さまがどう使われるか、BtoBのお店で考えていただいたことを、我々が考えて演出して、BtoBのお客さまが選択的に自分のお店のサービスとして提供できるような、そういうことを考えています。

個人に焦点を当てた新しいビジネス提案②

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それをイメージしたのが、こちらの絵です。いろんなプリンターがあります。それ以外に、いろんな機械があります。削って名前を入れたり、叩いて刻印をしたりなど、いろんな機械があります。これを応用すると、いろんな楽しいシーンを我々が演出できる。

今まではBtoBのお店にすべてお願いしていたんですが、我々がお店に、(その)お店のビジネスを提案できる。そういう新しいビジネス提案を、イメージしていく。こういうビジネスに、進化させていこうと考えています。これからリテイルビジネスは、こういう個人のお客さま向けのサービスとして進化していく。こういう方向感で、ビジネスを立ち上げていこうと思っています。

【デンタル】歯科医療向け事業の確立

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こちらが、デンタルのビジネスになります。デンタル事業では、歯の被せ物や詰め物といった補綴物の製作に使用する、加工機の提供を行っております。歯科医療では、セラミックや樹脂など、従来の金属とは違った歯科材料が登場し、浸透しはじめています。

削ることでしか歯の形にできないセラミックの登場で、歯型をデジタルデータ化して加工機で削る、歯科技工のデジタル化が進みました。当社は、これまで30年培ってきたデジタル加工機のノウハウを活かし、高度な専門技術がなくても簡単に操作ができて、高い加工精度を持ったデンタル専用の加工機を開発し、2009年から歯科技工所における補綴物製作のデジタル化を提案してまいりました。

CADやCAMなどのデジタルデータとの親和性を活かしたオープンシステムと、導入しやすい価格、世界中の販売網を活用したサービスサポートなどを強みに、先進国を中心に売上を伸ばして、2017年には30億円までに成長しました。

【デンタル】地域別販売推移

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こちらが、各地域での売上高推移です。

2017年にもっとも成長率が高かった欧州では、ドイツ・イタリア・フランスなどの主要先進国での販売増に加えて、東欧やロシアなど新興国地域への販売が拡大しました。

アジアにおいても、中国や韓国の新興国で販路開拓が順調に進んでいます。とくに中国では、都市部での需要が高く、前年に比べて大きく増加しました。

加えて、事業の上での追い風になるんですけれども、昨年(2017年)の12月、保険適用範囲が拡大されました。新たな科が保険の適用になりましたので、特需のニーズがまた出てくるだろうと期待しています。

北米では、高生産性のニーズに応えるべく開発した、オートディスクチェンジャー搭載の新製品「DWX-52DC」が、中規模から大規模の歯科技工所で導入が進み、販売が好調でした。

このように、ニーズに合わせた新製品の投入が、新興国を始めとした地域の拡大により、2017年も各地で売上が増加しました。2018年はデンタル全体で約30パーセント伸ばす予定でいます。

DWX-52DCが「WOW! Award 2017」を受賞

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また2017年には、新製品の「DWX-52DC」が、アメリカの歯科技工業界向け専門誌 「Journal of Dental Technology(JDT)」主催の賞である、「WOW! Award 2017」を受賞しました。これは、アメリカの歯科技工業界団体に所属する著名な歯科技工士や、歯科技工所のオーナーに審査されるものです。

「DWX-52DC」は、歯科技工の作業時間の短縮・投資コストの削減・業務品質の向上といった点が大きく評価され、受賞に至りました。2017年のアメリカでのデンタルの伸びは、この「DWX-52DC」によるものが大きく、それを象徴する受賞となりました。

【デンタル】より一層の事業拡大に向けて

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今後のより一層のデンタル事業の拡大に向けては、主に歯科技工所の拡大とクリニックの開拓の2つに集中してまいります。世界で12万5,000件あると言われている歯科技工所に対しては、ニーズに応じた新製品の開発と投入を継続するとともに、新たな歯科技工プロセスのデジタル化にも取り組みます。

2017年は、被せ物や詰め物の制作ではなく、入れ歯制作の工程で使用する3Dプリンターを販売し、新たなプロセスのデジタル化を推進しました。販売面では、引き続き新興国の開発に力を入れ、販売網の構築を進めてまいります。

一方で、世界で62万5,000件あると言われている歯科クリニックに向けては、まず歯科クリニックの中に歯科技工機能を有する、「院内ラボ」と呼ばれる設備を持っているクリニックを中心に、販売を拡大してまいります。純粋な歯科クリニックに対しては、販路の開拓と各地域での最適なソリューションの構築と提案を進めてまいります。

デンタルでは、業界全体のデジタル化需要を取り込むことに加え、これら歯科技工所の拡大とクリニックの拡大によって、さらなる事業成長を実現してまいります。

【デンタル】技工所向け新製品の発売

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先日の(2018年)2月1日には、歯科技工所向けの新製品のモデルを発表いたしました。

1つ目は「DWX-52DCi」です。「DWX-52DC」の後継モデルで、同様にオートディスクチェンジャーを搭載した高生産モデルです。今回は新たに、歯科技工所の経営管理をサポートする専用ソフトウェア「DWINDEX」を付属しました。歯科技工業務における費用・投資対効果などの重要指標が、パソコンで一目で把握できるようになっており、生産性や業務の付加価値向上を支援します。

技工所の品質だけでなく、事業の収益性や継続性も求められる歯科技工所に対して、これまでの加工機による業務プロセスのデジタル化に加えて、経営管理のデジタル化という価値を加えて、技工所全体のデジタル化に貢献してまいります。

また、「DWINDEX」は、DGSHAPE株式会社が描くIoT構想のプラットフォームになるもので、クラウド上に蓄積する「DWINDEX」のデータを分析することで、お客様の声に基づいた高付加価値な製品サービスの開発・提供が、可能になると考えています。

2つ目の「DWX-52D」は、スタンダードモデルである「DWX-51D」の後継モデルです。「DWX-51D」の使いやすさや安定性を継承しながらも、ディスク上の材料の取付けをスムーズにするディスククランプシステムを新たに搭載し、ユーザビリティを向上しました。

また、ガラス繊維強化樹脂などの材料にも対応し、幅広い技工物の加工が可能となっています。今後も業務プロセス効率化の視点だけでなく、歯科技工所全体の事業の発展に貢献できるソリューションを開発してまいります。

【デンタル】クリニック向けソリューション提案

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一方でアメリカでは、歯科クリニック向けのソリューション提案を本格的に開始いたしました。「d-CLINIC」と名付けたこのソリューションは、ガラスセラミックの加工に必要な水をかけながらの切削加工に対応した、当社の小型デンタル加工機「DWX-4W」に、アメリカで導入率の高いCADCAMソフトをセットして提案するものです。

歯科技工が本業でなく、職人もいないクリニックでは、シンプルで簡単に使えるソリューションであることが最も重要です。セットのCADCAMソフトは、当社の加工機と親和性が高く、シームレスな作業が可能で、基本的に4ステップでの作業で簡単に加工ができます。

先日展示会で出展した際には、お客さまから好評をいただいており、アメリカにおけるクリニック開拓のきっかけになることを期待しています。クリニック向けのソリューションはアメリカだけでなく、各地で開発中であり、地域の特徴やニーズに合わせたソリューション開発を進め提案することで、グローバルにクリニック市場を開拓してまいります。

これによって今までは、技工所さんだけがカバレッジでしたけれども、いよいよクリニック向けの提案が始まっていくということです。昨年、歯(の被せ物)以外に入れ歯のプロセスもご提案しています。事業としてはますますカバレッジが広がって、伸びしろを拡大できていると考えています。

医療向け器具保全管理作業支援システム

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こちらは、医療分野での新しい取り組みの、医療機器向け器具保全管理作業支援システムです。

医療業界では患者の安全を担保するため、医療機器のトレーサビリティー管理を導入する動きが始まっています。トレーサビリティー管理には、当社のメタルプリンターを使い、メスなどの医療器具に個別の識別コードを刻印し、バーコードリーダーで読み込むことで、個別の使用履歴や品質在庫などを管理します。

さらに、当社独特の生産システムの医療用デジタル屋台の技術を組み合わせることで、個別の保全管理をさらに一歩進めた手術器具の管理、作業全体を支援するシステムを構築しました。このシステムで、患者の安心・安全の担保や、複雑な手術器具管理のデジタル化により、病院経営の効率化にも貢献していきたいと考えています。

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このシステムは、浜松医科大学と共同研究開発を行ってきたものですけれども、すでに浜松医科大学さまでは本格運用がスタートしている他、新たな病院でも試験運用が始まっています。今後は一層のシステムの成熟を図りながら、今年中のビジネス化を目指すとともに、将来的にはグローバル展開を図りたいと考えています。

事業ポートフォリオの転換期

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冒頭で事業の取り組みについて申し上げたとおり、サイン向けプリンターの売上の減少が続く中、注力分野は着実に成長してまいりました。そして2018年は、これがクロスする年となります。

2018年は、サインの減少を成長分野でカバーすることで全体では横ばいですが、2018年以降、注力分野の成長をよりいっそう高めることで、事業のポートフォリオを展開し、全体の減少傾向を反転して成長に向けていきたいと考えています。

持続的成長の実現を目指して

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こちらでは中期計画で申し上げました、成長の方向性をご紹介しています。我々が中期計画で掲げた事業の方向感・方針は、一切変わりありません。これまでご説明してきたことをかたちにする事業やデンタル事業での成長分野を、早期に事業の柱として確立するとともに、顧客志向の価値提供を常にソリューションのかたちで行ってまいります。

また、継続的にイノベーションを起こす集団へと変わることで、持続的成長を目指してまいります。2020年を目標に、2016年から開始した中期経営計画ですが、現状2020年の数値目標からは乖離した状態となっています。現在、中期経営計画の見直しを検討していまして、第2四半期決算時には公表させていただく予定でいます。

以上で、ご説明を終わらせていただきます。ありがとうございました。

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