株式会社メルカリは2024年2月15日に、同社のフリマアプリ「メルカリ」で商品購入時のビットコイン決済に対応することを発表しました。対象はメルカリShopsで販売されているものを除くすべての商品で、幅広いカテゴリーの商品を他の手段と同じようにシームレスに購入できるようになります。

【メルカリがビットコイン決済開始】分かりやすい仕組みで暗号資産初心者の受け皿に

メルカリは2021年4月に子会社として株式会社メルコインを設立し、暗号資産に関するサービスの創出に取り組んできました。2023年3月にはメルカリ内でビットコイン取引を開始。はじめて暗号資産の取引を行う人をターゲットに、最短30秒で利用を開始できる、円表記で1円から取引可能、取引銘柄はビットコインのみ、といった特徴を打ち出しています。

出所:株式会社メルカリのビットコイン取引サービス新機能発表会資料

開始から7ヶ月で口座開設者は100万人を突破。この間の業界全体の口座増加数が約150万なので約7割を占める計算です。口座開設者のうち、約81%が暗号資産経験なしの初心者というのも注目すべきポイントです。

出所:株式会社メルカリのビットコイン取引サービス新機能発表会資料

【メルカリがビットコイン決済開始】「使う」が広がる土壌はすでにある

新たな消費行動も生まれており、売上金を使ってビットコインを購入した人は約49%(口座開設以前3ヶ月以内にメルカリで販売実績があり、口座開設時点でメルペイ残高を保有しているユーザーの割合)、ビットコイン売却後にメルカリで買い物をした人は約48%というデータも出ています。

出所:株式会社メルカリのビットコイン取引サービス新機能発表会資料

今回のビットコイン決済対応により、ビットコインを売却する手間が省けるため、「持つ」人だけでなく「使う」人も拡大することが予想されます。商品購入ページの決済方法画面で選択するだけなので、使い方も簡単です。

出所:株式会社メルコイン広報提供

【メルカリがビットコイン決済開始】今後はアルトコインの取り扱いも視野

メルコインの中村奎太CEOは「暗号資産は投資の側面が強いが、メルカリを世界でも有数のビットコイン決済が行われる場所にしていくことで、新しい価値の循環を生み出したい」とコメント。メルカリグループは「あらゆる価値を循環させ、あらゆる人の可能性を広げる」をミッションに掲げており、暗号資産もその循環における一要素として存在感を高めていきそうです。

出所:株式会社メルコイン広報提供

2024年の暗号資産市場は1月にビットコインの現物ETFが承認され、4月には4年に1度の半減期を控えているなど、ポジティブなトピックが続きます。時期未定としていますが、メルコインでは今後アルトコイン(ビットコイン以外の暗号資産)の取り扱いなども検討していくとのことです。

参考資料

大蔵 大輔