2019年春に卒業を予定している大学生などの就職活動(就活)がこの3月から本格的にスタートし、オフィス街でリクルートスーツに身を包んだ学生の姿を見かける機会も増えてきました。

就職活動をする大学生の皆さんは、インターネットや本、先輩からのアドバイスなど様々な手段を使って情報を集め、対策を練っている人も多いと思います。

やはり第一関門は面接です。そこで、ここでは採用担当や人事部から面接の場面で「NG行動」とみなされがちな学生の5つの行動をご紹介します。人事部は面接を通じて、その学生の「入社後」をイメージしているものです。どのような目線で学生を見ているのか、それを知るための参考にしていただければと思います。

NG行動その1: チームワークの意識が欠如している

どの企業も優秀な学生を採用したいと考えています。しかし「優秀」とは、単に頭が良いといった個人の能力、スキルだけを指すのではありません。

なぜなら、仕事は1人だけで完結することなどほとんどないからです。いろいろな人を巻き込まなければ大きな仕事はできませんし、仕事をするうえでの関係者が増えれば増えるほど、コミュニケーションは重要な要素になっていきます。

また、キャリアを積み重ねるにつれ、チームをマネジメントする機会も増えていくはずです。企業が学生をいわゆる「幹部候補生」として見ていれば、チームのリーダーとしてふさわしい人物かどうかという評価軸を避けては通れません。

たとえば生命保険会社なら、支社の営業職員のマネジメント力が問われます。営業職員のモチベーションを維持しながら、昨年度比で結果を出していくことがチームで求められるので、仮にその管理の質が低ければ営業目標の達成が難しくなることもあるでしょう。

しっかり勉強してきたか、その成績などはともかくとして、体育会に所属してきた学生が人事担当者に根強い人気があるのは、こうしたチームワークの重要性を理解しているか、実践してきたかどうかという点にもあります。

NG行動その2:優先順位がつけられない

社会人なら仕事の優先順位をつけて行動するのはある種当然のことです。そんなこと理解している、と本人としては思うかもしれませんが、学生時代にゆとりある生活をしすぎてしまうと、なかなか優先順位を付けられない場合もあるようです。

採用面接の場においても、この優先順位を意識する必要があります。たとえば、込み入った質問をされた場合です。こうした際には、質問に関して重要なポイントから順番に回答していくことが重要です。

そもそも面接時間は限られていますし、面接官も1日に何人もの学生を相手しています。「結論ファースト」を徹底し、自分の意見の背景や裏付けは、結論を明確にした後から付け加えていく、といったことも求められるでしょう。

この考え方は、特に外国人の上司を持つようになると、より意識せざるを得ないものとなります。日本人はどちらかというと「起承転結」で話をしがちですが、外国人は「結論ファースト」のことがほとんどです。外国人からすると、日本人の「起承転結」報告スタイルは「ダラダラしていてどこが結論かわからなかった」となることも多いのです。

また、日本人であっても面接などで時間が限られている場合には「結論ファースト」は有効な姿勢・スタイルといえます。面接での雰囲気なども踏まえつつ、簡潔に自分の意見を述べると効果的なのではないでしょうか。

短時間に相手の聞きたいことを優先順位をつけて整理し、回答をすることができれば、採用担当者もその学生の入社後のイメージが持ちやすいはずです。

NG行動その3:質問ができない

面接の場で聞かれる質問はどの企業でもおおよそ共通しています。特に「最後に何か質問はありますか」は定番中の定番ではないでしょうか。

質問は相手に対する興味の最大の証ですから、そもそも質問がないというのは最悪です。また、事前の勉強不足のため適切ではない質問をすることもまたNGです。ですから、質問をするためには事前準備が欠かせません。あらかじめ自分の質問を第三者に聞いてもらって適切な内容かどうかを確かめるのもひとつの方法でしょう。

社会経験のある父親や母親、経営者や人事担当者に知り合いがいるのであればそうした関係者に自分の質問を聞いてもらってはどうでしょうか。「親になんて聞きたくない」というためらいもあるでしょうが、そこは身近でアクセスしやすいリソースは十分に活用すべきです。

また、逆の視点から見れば、様々な企業に同じ質問をして相手の回答の違いを比べたり、質問した際の反応や回答内容から、自分自身がその企業を知り、評価できるともいえます。

いずれにせよ、質問は相手を知り、自分を知ってもらうという意味で重要です。全ては対話から理解が始まります。

NG行動その4:気配りができない