最近では数多くのスマホゲームが発表されていますよね。無料でダウンロードできるものも多く、ちょっとした暇つぶしにゲームをするという人も多いのではないでしょうか。

そんな中、日本の「Hit-Point(ヒットポイント)」という会社が昨年末にリリースした「旅かえる」というスマホ向けゲームが、中国で大流行しています。いったいどんなゲームで、ブームの理由には何があるのでしょうか?

旅好きのカエルの帰りを待つゆるいゲーム

「旅かえる」は、旅好きなカエルを旅に送り出して、その帰りをひたすら待つというシンプルなゲームです。

操作方法もとても簡単で、プレイヤーはカエルに旅道具の「おべんとう」などを支度するだけです。そして旅立ったカエルが帰ってきて、旅先の写真などのおみやげをくれるのを待つという流れになっています。こうしたジャンルは「放置系ゲーム」ともいわれます。

「そんな単純なのに、なんで人気なの?」と思われるかもしれません。しかしこの「ゆるい」ゲーム内容が「癒される」と、中国の若者を中心に、多くの人に支持されているようです。

人気の背景にはストレスを抱える中国の若者

この「旅かえる」は、仕事などにストレスを抱える若者に特に人気があるそうです。カエルの世話を細かく行わなくてよいこのゲームは、プレイヤーの操作時間も短くて済むので、仕事中・残業中の短い休憩時間に、息抜きとしてプレイすることができます。

また、地方から都市部に出て来て家族と離れて働く若者も中国には多くいます。そんな彼らにとって、旅先からおみやげを持って帰ってくるカエルは家族みたいな存在で、癒されるということもあるのかもしれません。

カエルは子ども? 夫? 中国人に走った衝撃

またこのゲームは、中国で「親の気持ちを知ることができる」として話題になりました。カエルのために旅支度をしたり、帰ってくるのを待つことで、子どもを見守る親の気分を味わえるというプレイヤーも多いようです。

しかし、ゲームの開発者によると「旅かえる」は、出張などで家を空けている夫の帰りを待つ妻の姿をシミュレートしているそうです。この事実に、カエルを「わが子」として考えていた中国人プレイヤーは衝撃を受け、メディアでも報道されるほど話題となったようです。

子どもではなく夫、という解釈の違いはありましたが、「大切な人の帰りを待つ気持ち」を知ることができるという点が、中国でも受け入れられて人気を集めたのかもしれません。

日本でもヒットするか?

「旅かえる」は中国での人気を受けて、日本でもここ最近話題になってきています。開発したHit-Pointは、以前も「ねこあつめ」という放置系ゲームのヒットで話題になり、少人数ながら一風変わった面白いゲームをつくる会社として認知されています。

中国にはストレスに悩む若者が多いようですが、日本も現代はストレス社会と言われています。かわいくて癒されるキャラクターが魅力の「旅かえる」は、今後、日本でも、ストレスを癒してくれるゲームとして人気になっていくかもしれませんね。

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