就職活動や転職で面接は避けられないもの。新卒は今、売り手市場とはいえ、仕事を求める側が採用する側より立場が弱いという状況はあまり大きく変わっていないのではないでしょうか。しかし、採用を行う企業にも問題はあるようです。

今回は面接を受ける側が採用しようとする企業に対して印象を悪くした場面を見ていきましょう。

その1:「なんでも聞いて」と言っているのに答えられない

金融機関など専門性のある職種を希望する学生は、事前準備も十分なうえ、採用側が驚くほどの知識を持っていることもあります。

そうした学生が、面接で自分の知りたいことを現場の人にぶつけて実際のところを知りたいというのはよくあることです。金融機関勤務経験者のA氏もそのような学生でした。

A氏の場合、専門職の面接にも関わらず、全く関係のない部署の面接官が登場して「なんでも聞いてくれ」と言うので素直に自分の知りたい仕事内容をぶつけると、次のような返答があったとのこと。

「恥ずかしながら支店経験しかないので、君が質問している本部の内容はあまり答えられない。自分も本部に行きたいと思っている」

そこまで正直に言われてしまうと、返す言葉もなかったとA氏。

「一体この面接は何なのかと思いました」

面接官はいわば会社の顔とも言えます。会社側も適切な人物を割り当てることが大切でしょう。

その2:”俺って頑張ってるだろアピール”をする面接官

面接は採用する側が応募者を見極める場ではありますが、当然ながら面接を受けるほうも会社の雰囲気を観察しています。

前出のA氏は外資系金融機関の面接で、あまりにもしんどそうな様子で登場した面接官にあきれたようです。

「学生に向かって、徹夜でしんどいアピールしてくるのには参りましたね。この人は特に仕事の要領が悪いのかと思いましたし、徹夜を誇る文化の会社にはそもそも入りたくないですしね」

仕事の価値観は人それぞれ。働き方改革が叫ばれる中、ライフスタイルを強要するような雰囲気はNGと言えるでしょう。

その3:挫折した経験を鼻で笑われた

人それぞれ程度の大小はあるものの、自分にとって大事な出来事や傷ついた経験はあるものです。

ところが、その出来事を話したら一笑に付されたということも。インフラ企業勤務経験者のB氏は挫折の経験を聞かれて答えると次のように言われたそうです。

「ふーん、その程度か」

ちなみに、B氏はその最終面接で長時間にわたって質問に答えさせられた挙句、不合格となりました。今でもその企業のことは頭から消えないと言います。

面接で悪い印象が残った会社に対して、そうした印象を払拭するまでに時間がかかったという人も少なくないのではないでしょうか。

その4:内々定を出すよと言ってなかなか出してくれなかった

就職活動で面接が最も早く進んだ金融機関のリクルーターに、「もう内々定を出しても大丈夫か」と聞かれたC氏。

「御行が第一希望なので出してください」と答えましたが、その後も何人にも会わされ、内々定をちらつかせながら出してくれなかったと言います。

「こちらも信用されていないんだなと思い、結局別の金融機関に決めました」

そういう話は学生の間で共有されてしまいます。C氏も後輩にはその金融機関を薦めなかったとのこと。

「金融機関は信用が第一じゃないですか...」

リクルーターとしては、有望な学生の興味を引きつけておきたいということから出た言葉だったのかもしれませんが、誠実に対応しないとこうした摩擦が残ります。

面接でお互い良い時間を過ごすために

こうしてみると、面接するほうも受けるほうも、相手を尊重したうえで、お互いをよく知るための準備ができていることが大切なようです。買い手市場か売り手市場かに関わらず、そうした心がけが必要と言えるのではないでしょうか。

LIMO編集部