なぜか海外で「秋田犬」が意外なほど人気の理由

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先日閉幕した平昌五輪フィギュアスケート女子で金メダルを獲得したロシアのアリーナ・ザギトワ選手。彼女がインタビューで「金メダルのご褒美として、両親に秋田犬をねだっている」と明かしたところ、日本からザギトワ選手への秋田犬の贈呈が決まり、一躍、秋田犬が話題となりました。

同じくロシアのプーチン大統領も秋田犬を飼っていますが、これは2012年に秋田県の佐竹敬久知事が大統領に贈ったもの。ともあれ、ザギトワ選手が知っていたように、秋田犬は海外で意外に人気があるようなのです。ここではその人気の理由に迫ってみます。

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ブームの意外な火付け役

秋田犬は、その名の通り秋田県原産の犬で、洋犬などとの交配種ではない在来の日本犬では唯一の大型種です。飼い主に忠実で、番犬に適しているとされます。ちなみに、犬種名は「あきたけん」ではなく、正しくは「あきたいぬ」です。

実は海外における秋田犬人気の火付け役となったのは、ある映画でした。それは、2009年に公開された、リチャード・ギア監督のハリウッド映画『HACHI 約束の犬』です。

これは、日本でも有名な「忠犬ハチ公」のエピソードを元に、舞台をアメリカに移した作品でした。アメリカで初めて秋田犬を飼ったといわれるヘレン・ケラーも、忠犬ハチ公の話に感銘を受けたとされ、海外においても、秋田犬は「忠実な性格の犬」として認知されているようです。

国内外で数が逆転

国内における近年の秋田犬の登録数は2000頭前後。それに対して、海外での秋田犬の登録数は2010年ごろから増え始めました。2016年には実に4000頭近くが登録され、国内での登録数を上回っています。

海外での登録数の多くを占めるのは中国や台湾で、特に中国では、大型犬である秋田犬を飼うことが富裕層のステータスにもなっているようです。また、イタリアでは「アキタカップ」と呼ばれる秋田犬の品評会が開かれ、毎年200頭近くが参加しています。

アメリカの愛犬団体「アメリカンケネルクラブ」が発表する人気犬種のランキングでは、秋田犬は46位となっています。レトリバーやブルドッグなどの代表的な犬種とまではいかないものの、海外で一定の根強い人気があることは確かなようです。

人気ゆえの悩み

公益社団法人である秋田犬保存会では、「秋田犬を日本の一文化として海外に発展させること」を目的に掲げており、プーチン大統領やザギトワ選手に贈られる秋田犬は、その希望を担っているともいえます。

一方で、海外に日本文化として広まりつつあるものの、先のデータからわかるように、国内における秋田犬は、次第にその数を減らしつつあります。加えて、海外での売買が盛んになったことにより、偽の血統書が出回る事例も増えているとのこと。保存会では血統書に透かし技術を取り入れるなどして対策を練っています。

「文化を守りながら発展させていく」というのは難しいことですが、クールジャパン政策を掲げる日本にとって重要な課題でもあります。国際化の中で、政治やビジネスの道具としてではなく、純粋な「文化」として国内での保護と海外への浸透を進めていけるのかどうか。こうした問題は、秋田犬に限った話ではないのですが、みなさんはどう思われますか?

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2005年創業。ビジネス書・実用書を中心とした書籍出版や企業出版、メディア・コンテンツ事業、デザイン制作事業などを手がける。

主な刊行書籍に、20万部突破の『誰からも「気がきく」と言われる45の習慣』をはじめ、『特定の人としかうまく付き合えないのは、結局、あなたの心が冷めているからだ』 『起業家のように企業で働く』 『すべての仕事を紙1枚にまとめてしまう整理術』 『21世紀のビジネスにデザイン思考が必要な理由』 『自分を変える習慣力』 『鬼速PDCA』など。