アダストリア、通期営業利益は前期比33.6% 期末配当を1株あたり40円→15円に修正

2018年4月4日に行われた、株式会社アダストリア2018年2月期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。IR資料

スピーカー:株式会社アダストリア 代表取締役会長兼最高経営責任者(CEO)兼社長 福田三千男 氏
株式会社アダストリア 取締役 福田泰己 氏
株式会社アダストリア 取締役副社長 木村治 氏
株式会社アダストリア 上席執行役員経営統括本部長 金銅雅之 氏

2018年2月期決算説明会

福田三千男氏:こんにちは、福田でございます。本日はお集まりいただきまして、ありがとうございます。

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誠に申し訳なく思っておりますが、2018年2月期決算は増収減益になりました。詳細につきましては、このあと説明がありますが、2期連続の減益・減配という結果、あるいは今期3回に渡る下方修正と、その結果を重く受け止めております。

この要因になったものは、大きく分けて2つでございます。

1つ目は、在庫調整にともなう値下げ販売の増加。それによって売上総利益率をさらに低下させてしまったということ。

2つ目は、海外投資です。米国で投資した2社に対するのれんの償却。それから、香港・中国での事業整理にともなう特別損失の計上。これらは、大きな要因となっております。

もっとも大きいのは、値下げ販売の数字であります。この要因は、上期の説明にもありましたが、やはり季節的な要因の見違えがございました。

「(2017年の)9月・10月は、おそらく暑いであろう」という初期の予測に、まったく反しまして、涼しい秋冬になりました。コート等の準備がまったく間に合わなかったという失態をしております。

それにも関わらず、「ニコアンド」「スタディオクリップ」などのライフスタイルブランド、あるいは「ベイフロー」「レピピアルマリオ」というような、ストーリーを明確化できたブランドは、順調に推移いたしました。

しかし、主力ブランドのうち「グローバルワーク」「ローリーズファーム」では、前期の反省を踏まえた仮説・検証が十分でなく、結果的に在庫過多になり、その処分で大きく利益を引っ張るかたちになりました。

今年の振り返りますと、成長戦略の共有や課題解決に当たるスピード感が不足していたかなと、反省しております。

海外事業につきましては、昨年(2017年)「ニコアンド」は台湾に初出店いたしました。韓国で成功したパターンであります、日本のブランド本部との連携によって、オープンから大変好評をいただきました。現在は香港・台湾・中国と、かなりの出店のコールをいただいております。

多分、このままでいきますと、「ニコアンド」は今後も中国あるいは台湾等の、成長のコアになるんではないかと思われております。

一方、香港・中国につきましては、予測以上に環境変化の対応に遅れまして、大変苦戦をいたしました。

また、投資したアメリカのアパレル業界全体の低迷が、予想以上であったこともありまして、新たにグループ化しましたVelvet社も、予想を下回って推移しました。

海外事業につきましては、損失を今期で一気に処理することとしまして、米国のVelvet社ののれん等減損処理・香港と中国の事業整理損等の特別損失を計上いたしました。

海外については、10パーセントの投資をしたところがもう1社あります。確実に成長はしておりますが、若干遅いということで、これものれん償却の対象としており、今期のれんにつきまして、減損処理をしております。

当社がこれまで提供する価値は、お客さまの暮らしを豊かにし、そして優位性ある商品やサービスを、適正な価格でお届けすることです。そのために当社は、お客さまに寄り添い、お客さまをもっとも知るようでなくちゃならないということで、進んでおりました。しかし、今期の業績を振り返りますと、「我々がお客さまを知る」ということに、不足があったなと感じております。課題はものづくり、そして情報共有・判断のスピードにあると、反省をしております。

我々の目指す姿は、生産・物流・R&Dを強化し、テクノロジーを積極的に活用し、国内アパレル企業の中で、いくつかあるバリューチェーンを進化させ、1,500店舗のマルチブランド主導のもと、世界中で暮らしをワクワクさせるライフスタイルを創造し、グローバルで戦える企業になることです。

少し(詳しく)申し上げますと、実は「戦う」という状況には、絶対的な要因が2つあります。

1つは、サプライチェーンの中でもそうなんですが、物流システムがしっかりしてることです。もう1つは、それをつなぐコンピューターの情報システムで、完璧とは言わなくても、必要なものを十二分・即時に手に入れられる状況であることです。

実は私どもは、コンピューターにつきましては、まったく進化をしておりませんでした。以前、株式会社ポイント・株式会社トリニティアーツ・株式会社NATURAL NINE HOLDINGSを統合しましたが、その時のシステムから一切変わっておりません。3社統合にともなう優位性を、この5年間はうまく使うことができませんでした

ですから、旧トリニティアーツ社で販売していたものを、旧ポイント社経由で販売するのは、至難の技だったんです。あるいは、他社の商品を投入して販売することも、なかなかできない。ですから、そのあとM&Aをした会社につきましても、なかなか新しい仕組みで動かしていくことができなかった。同じく、物流を動かすことも非常に厳しい状況で、5年間やってまいりました。

やっとみなさんにご報告できるのは、この(2018年)3月1日に、全社統合できる基幹システムをカットオーバーすることができました。これによりまして、素材の調達から企画・物流・販売までの一貫体制を知る、バリューチェーンと言われる仕組みが、ようやくあるということになります。(その)効果が上がっていくためには、さらにもう少し時間がかかります。

やっと基幹システムが稼働いたしまして、現場の2,500台のPOSレジが、今年の夏までに全部入れ替えになります。

これにともないまして、オムニチャネルも正式にスタートしてまいります。今ある1,500の店舗と、700万人の[.st]の会員が(リアル店舗の)場所を取らずに購入することができます。

今までですと、例えば「ニコアンド」にあった化粧品を買いたい人がいても、Web事業部の中に(商品が)なければ買えなかったわけですが、これ(オムニチャネル)を通しますと、いつでも買えるようになります。また、もし我々と組む企業があれば、そこの商品も販売することが可能になってきます。すでに我々はいろんな企業と組んで、販売をさせていただいております。オムニチャネルの中で、非常におもしろく展開していく体制になっております。

我々が仕組んでいるものにつきましては、今後おそらくアパレルの企業では、トップクラスの仕組みにできてくるだろうと思っております。したがいまして、今700万人の[.st]の会員データの分析が進んでおりますが、これと基幹システムが合致いたしますと、データ分析も容易になります。

そういった意味で、多額の費用をかけて5年間整備してまいりましたが、やっとかたちになってきたと、みなさまにご報告しておきたいと思っております。

これでやっと、グローバルで戦える企業になりつつある。今まで実は、「海外の昨日の売上について、何が売れたのか?」と、細かく知ることができなかったんです。これがまもなく、日本の帳票と同じように、すべてわかるかたちになりました。「お前、遅れてるのか?」と言われると、実際のところ、遅れてました。なんとか人力でカバーしてきたのが、やっと光化……いわゆる、自動化していくかたちになります。

役員体制(予定)

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そういった意味で、この2018年2月期の商品(の売上)・MD等でさまざまな反省も踏まえておりますが、さらに新しい世界観を作るために進んでいきたいという思いもあり、組織体制を新たにしました。継続的な業務改善と業績拡大に向けて、取り組んでいきたいと考えております。

どういうかたちで役員体制を変えたかと申しますと、(2018年)5月の株主総会の決議が前提でありますが、私が社長を兼任いたします。私が議論や意思決定のコアに入ることで、組織の壁を超えて活発な議論を交わす社風に再編いたします。スピード感を持ってテクノロジーを活用しながら、成長戦略を推進していきたい。そして同時に、私の仕事は、次の経営陣育成をすることだと考えております。

(新たな役員体制の)第2に、副社長となる木村(治)くんは、営業・店舗開発、新規事業の分野でリーダーとして将来の夢、あるいは未来の利益を生み出す仕組み。そういうものを、柔軟かつスピーディーに環境・データに対応しながら、作っていってもらうことを期待しております。

また新たに(取締役に)就任予定の金銅(雅之)くんは、金融機関から(当社に)入ってまいりまして、すでに20年、我々のバックオフィスから現場までをすべて歴任しています。

金銅くんは、財務戦略を基盤に成長戦略の舵取りを担いながら、取締役の福田(泰己氏)とともに、コーポレートガバナンスの強化と、海外事業を含む既存事業の基盤強化に注力をすることになります。

このほか、あらためて執行役員・各本部長・部長に、30代~40代の若いリーダーを積極的に登用いたしました。組織をもう一度活性化したい。そして、ややこしく複雑なこの時代に、若い力で明るく人を元気にして、風通しの良いコミュニケーションのある仕組みを作っていきたい。新しい仕組みそのものを活用していくのが若手だろうと、私は考えております。

組織体制

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社内組織について、申し上げます。4つの統括本部と1つの事業本部を軸に、組織の再編成を行いました。

ブランド事業を担うのは、営業統括本部です。冒頭でも申し上げましたが、国内事業が苦戦する中でも、商品展開や広告宣伝でも一貫したストーリーを表現するブランドについては、一定の成果を収めております。

ライフスタイル型のブランドや、他社の商品と組むことによって、さらにその世界観を強化するというブランドも生まれてきております。営業統括本部では、ほかのブランドにつきましても、この戦略を進めていきたい。

そして、ブランド・支店・マーケティングが一体となった運営をすることで、国内事業のみならず、海外展開ブランドの商品も見ていくようになります。まずは、お客さまをもっともよく知る現場が、働きやすい風通しの良い営業組織を構築していくことになります。

また、これまで営業統括本部の傘下にありましたWEB事業本部については、今後のWEB事業の成長と多角的な展開を視野に入れまして、独立した組織としました。

先ほど申し上げました、新たな仕組みがカットオーバーしてきた[.st]WEB事業本部が抱える、700万人を超える自社ECデータの分析活用を進めまして、店舗とWebの垣根を超えた、ワクワクする顧客体験を創造していきたいと考えております。

VC統括本部は、バリューチェーン全体の工程を管理して、効率化だけでなく、商品価値の最大化を図ります。これが当社にとって、もっとも他社との差別化できるものの原点です。原材料の仕入先や縫製工場など、優良なお取引先さまの厳選をして、そして現場の声に耳をかけて「お客さまの欲しいもの」をかたちにして、迅速かつ正確に作る仕組みを作り上げていきたいと思っております。

すでに現状では、いろいろな実験が進んでおります。素材を備蓄することで、これまで60日や90日もかかった品物が、30日……場合によっては2週間で対応が可能となってまいりました。この枠をどんどん広げていくことが、重要かと思います。

そして、短期に物事をジャッジするという意味では、さらにテクノロジーの活用が重要です。例えば、今どんどん進んでおりますのは、投入後3日間で、どこまでその商品が売れるかというチェックをやっております。

ある特定の分野につきましては、すでに投入した3日間で、9割の確率で予測できるようになってまいりました。これがどんどん進みますと、素材を備蓄することによって、我々は商品を作らずにデータを見て発注ができる仕組みになってくると思っております。

さらに、開発統括本部は、店舗開発と新規事業開発という、いわゆる当社の将来の投資を担います。ブランドの価値を高める出店・改装を行うこと、そして環境変化に対応した店舗の再展開の再構築を担います。ですから、これまでのかたちで成長したということではなくて、新しい業態作りに入っていくことも、彼らの責任になってまいります。

もう1つの彼らの責任としましては、新しい時代の変化を見据えて、アパレルの枠を超えた……先ほどもちょっと木村(治氏の役割)のところで申しましたが、未来の利益創出をする新しい事業を開発していくことです。これも、この開発統括本部の仕事でございます。

また、みなさんご心配をかけておりますが、当期あるいは前期一部開示をいたしました新規事業については、利益を出すのにまだ2、3年はかかると見ております。変化し続けるお客さまのライフスタイルに対応するべく、今後もチャレンジを進めていきたいと考えております。

経営統括本部は、営業・VC・開発の各統括本部、そして海外子会社の管理面のサポートを行ってまいります。運営・管理の仕組みをより強固なものとして、グループ全体が進むべき方向に導くとともに、アクセル役とブレーキ役の両方を担ってまいります。

私どもは、今仕組みができあがっているという意味では、もう一度原点に立っているということなのですけれども、再スタートをすることになります。その(新たな組織体制の)中で、中期計画の戦略については、まだまだみなさんのご不安はあるかと思いますが、この後に説明させていただきます。

でも、我々の成長戦略の目的は、2025年……日本における生産年齢と非生産年齢の比率が逆転する年。そこで生き残り、そして日本のマーケットで輝き続ける。そういう企業となるべく、変化をする覚悟でスタートします。

ぜひ今後も、ご指導・ご協力をお願いしたいと思います。私どもはそのために、お客さまを最も知り、そしてお客さまに喜んでいただく。そしてお客さまに寄り添う。そういう企業になるべく、グループを挙げて取り組んでいきます。

よろしくお願いいたします。私の挨拶は、終わらせていただきます。

2018年2月期 振り返り

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福田泰己氏:それでは、2018年2月期通期業績と2019年2月期通期業績予想につきまして、私からご説明させていただきます。

2018年2月期の振り返りになります。まず、前期比で見ますと、連結売上高は109.4パーセントと増収となりましたが、売上総利益率の低下および販管費率の上昇により、営業利益・経常利益ともに減益となっております。米国Velvet社ののれん等減損損失、そして香港・中国の事業整理損等、合計48億円の特別損失を計上したことにより、純利益におきましても大幅に減少しております。

また、2018年2月期は、複数回にわたって公表予想の修正を行う事態となりました。当初2回の下方修正は、売上未達と売上総利益率の低下が主な要因です。

先ほど会長(福田三千男氏)の話にもありましたとおり、お客さまのニーズを満たす商品の提供が十分ではなかったこと、そして上期のみならず下期におきましても、気温変化を読み違え、商品投入のタイミングが結果としてずれ、値下げ販売が横行したことが(売上未達の)主な要因です。また、頻繁なセールの実施、そして結果としての在庫消化のための値下げ販売が、売上総利益率の低下の要因となっておりました。

そして最後、3回目の下方修正として、38億円の特別損失を追加計上させていただきました。米国事業におきましては、市場を取り巻く環境が想定以上に厳しく、そして取得初年度ながら、Velvet社ののれん等残高30億円のうち、その一部の17億円を減損損失として計上したことに加え、Marine Layer社の株式につきましても、6億円の株式評価損を計上しております。

また、これまで赤字が続いていたアジア事業におきましても抜本的に見直し、来期以降の黒字化に向けた体制作りのために、大規模な退店に向けた引当金を、11億円計上しております。

このように厳しい結果となりましたが、業況の改善に向けて、組織体制の大幅な変更を行っております。そして、後ほどご紹介する成長戦略に基づき、収益改善を図ってまいります。

連結損益計算書①

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連結損益計算書につきましては、次のページのサマリーを用いてご説明させていただきます。

連結損益計算書②

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売上高は、先ほど申し上げたとおり、前期比109.4パーセントとなる2,227億円でした。

「ニコアンド」「スタディオクリップ」「ベイフロー」「レピピアルマリオ」という、ストーリーを表現するブランドが売上を牽引いたしましたが、「グローバルワーク」「ローリーズファーム」といった基幹ブランドの2つが、既存店売上高を前期比で下回りました。結果として全社では、既存店売上高が前期比99.4パーセントの着地となりました。

また、海外では、アパレル市場の環境変化が想像以上に厳しかった米国・韓国・中国で、大変苦戦しました。

売上総利益率は54.2パーセントと、前期比2.1パーセントの低下となっております。こちらの主な要因も前述のとおり、在庫消化促進による値下げとなっております。

一方、販管費率は52.0パーセントと、前期比で3パーセント上昇しております。広告宣伝費率は、0.4ポイントの上昇となっております。こちらにつきましては、10周年というアニバーサリーもございました「ニコアンド」など、主力ブランドにおける広告宣伝の強化、そして他社ECサイトでのクーポン増加が、主な要因となっております。

人件費率0.6ポイントの上昇は、リアル店舗の売上が弱含んだことによる店舗人件費率の上昇および子会社の連結が、主な要因となっております。設備費比率は1.0ポイント上昇しておりますが、本部移転による費用の増加・システム除却が、主な要因となっております。

そして、その他販管費の0.9ポイント(の上昇)につきましては、EC売上比率の上昇に伴う小口配送費の増加、そしてカード手数料およびシステム整備にかかる費用の増加などによるものです。

結果としまして、営業利益は前期比33.6パーセントの50億円となりました。営業利益率は2.2パーセント、EBITDAマージンは6.8パーセントとなっております。純利益は、前期比7.5パーセントの8億円での着地となっております。前述のとおり、米国Velvet社ののれん等減損損失をはじめとする、合計48億円の特別損失を計上したことが理由となっております。

2018年2月期 増減益分析

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増減益分析を図にすると、このような表になります。

出店・Web事業の増収によって単体の増収効果はありましたが、売上総利益率の低下、そして販管費の増加に加え、アジア・米国事業なども減益の要因となっております。

販管費が大きく増加しておりますが、そのうち本部移転による費用(の増加)の11億円、次の成長を担う新規ブランド・事業の立ち上げによる費用増の11億円も、この販管費増の中に織り込まれております。

アダストリア単体

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続きまして、アダストリアの単体につきまして、ご説明させていただきます。こちらは、先ほどの連結業績の説明と重なっておりますので、詳細の説明は割愛させていただきます。出退店につきましては、通期で99店舗出店しまして、退店が67店舗となっております。

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詳細につきましては15ページに記載しておりますので、ご覧いただければと存じます。

海外事業

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次に、海外事業についてご説明いたします。米国Velvet社の連結もあり、売上高合計は前年比で136パーセントの146億円と伸長しましたが、営業利益はのれん償却前で19億円の損失と、極めて厳しい結果となりました。

アジアにおきましては、市場の成熟に伴い、商品に付加価値が求められるようになった中、複合業態である「コレクトポイント」ではブランドの価値観・世界観を伝えることがどうしても難しく、適切なバリューをお客さまに提供できていないことが、不振の要因だと考えております。

よって、「コレクトポイント」事業は大規模縮小に踏み切り、韓国・台湾における「ニコアンド」の成功事例をもとに、ブランドを軸としたアジア事業の再構築を図ってまいります。

米国では、アパレル市場の環境変化が厳しい旨はお伝えいたしましたが、Velvetにつきましては、売上の8割を卸売上に依存しております。この卸売上の不振が当初想定よりも弱含んだことが、この極めて大きな損失の原因となっております。また、米国では10億円弱の損失を計上しておりますが、こちらには取得に関わるFA費用等も含まれており、実質的な営業損失はおおよそ4億円となっております。

連結貸借対照表

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そして、連結貸借対照表につきまして、ご説明いたします。前年同水準の営業キャッシュフローに加え、保有有価証券の売却があったものの、米国Velvet社の持分取得、そして茨城西物流センターの土地取得等、投資支出が増えたこともあり、ネットキャッシュは19億円の減少となっております。

棚卸資産は180億円と、前期末比110.5パーセントと増加しておりますが、アダストリア単体の在庫は前期末比で103パーセントと、増収率の範囲内に収めております。純資産につきましては510億円で、純資産比率は56.0パーセントと、引き続き安定的な水準を維持しております。

2019年2月期連結 通期業績予想

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続きまして、2019年2月期通期の業績予想についてお知らせいたします。

連結売上高は、前期比101.9パーセントの2,270億円と予想しております。

営業利益につきましては、前期に立ち上げた新規事業の赤字は拡大するものの、国内既存事業の増益やオフィス移転費用、およびのれんの償却費等の減少もあって84億円と、増益を見込んでおります。

この営業増益に合わせ、前期の特別損失計上の反動もあり、連結純利益におきましても大幅な増益を見込んでおります。

設備投資につきましては、既存事業の出店に加え、物流施設の拡張等に投資を予定しておりますが、前期比では減少する予定でございます。

アダストリア単体 通期業績予想

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続きまして、単体の通期予想となります。

売上高が若干の減収となっておりますが、こちらは「バビロン」「バンヤードストーム」の2ブランドをエレメントルール社に移管したことが主な要因であり、国内既存事業としましては、実質的な増収増益を見込んでおります。

また、下期からアリシア社の3ブランドである「ページボーイ」「ミスティウーマン」「ラボラトリーワーク」がアダストリアに移管され、支店制度や情報システム等、当社基盤の上で改善を図ってまいります。

既存店売上高は(前年比で)101パーセントを見込んでおり、引き続きWeb事業の高い成長率を維持し、リアル店舗におきましては、堅実な目標を設定しております。売上総利益率は、在庫の適正投入による値引きロスの削減により、前期比では0.2ポイントの改善を見込んでおります。

販管費は、オフィス移転費用等の減少がある一方、広告宣伝費や新規事業に関する経費の増加が見込まれるため、販管費率は前期比横ばいを見込んでおります。結果として、営業利益率は0.2ポイントの改善となります。

通期出退店計画

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出退店のブランド別内訳については、こちらのページに記載しておりますので、ご確認をお願いいたします。なお、出店につきましては、市場環境も考慮しつつ、慎重に判断を進めてまいります。

株主還元

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(私からのご説明の)最後になりますが、株主還元についてご説明させていただきます。当社の配当方針は、これまでどおり、のれん償却前連結純利益に対して3割を基本方針としつつ、安定性も考慮して決定しております。

2018年2月期につきましては、先ほどご説明した業績も踏まえ、誠に遺憾ではございますが、期初公表時の期末配当を、1株あたり40円から15円に修正させていただき、年間配当を50円とさせていただきます。

また、2019年2月期につきましても、先ほどご説明した通期業績予想をもとに、当社の基本方針に照らし合わせ、1株あたりの年間配当を50円とさせていただく予定です。

以上、2018年2月期通期業績、および2019年2月期の通期業績予想のご説明となります。

国内ブランド事業①

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木村治氏:木村でございます。よろしくお願いします。私からは、次の成長ステージに向けた取り組みをお話しさせていただきます。よろしくお願いします。

まず、国内ブランド事業です。基幹ブランドの中でも、ブランドの世界観をしっかり表現することに成功しているブランドが好調です。

ライフスタイル業態の先駆けブランドでもある「ニコアンド」では、アパレルに偏らない多様な商品展開がお客さまのニーズをつかみ、引き続き売上を順調に伸ばしています。数年前からメンズも追加しており、足元ではメンズウェアがとくに好調に推移しています。

また、他社とのコラボレーションアイテムも積極的に開発し、直近では明治の大ヒット商品「meiji THE Chocolate」とのコラボレーションを実現しています。また、旗艦店の「niko and ... TOKYO」のみで展開していたMDを移設・増床した、「ららぽーとTOKYO-BAY」店でも採用したところ、お客さまからかなりの好評を得ています。今後も大型店の展開を進めるにあたり、旗艦店のMDを横展開し、売上のアップにつなげていきたいと思っています。

販促面では、10周年を記念して、ブランドアンバサダーが出演するムービーを店頭やブランドサイトで公開し、記念グッズを発売するなどして、認知度を高めています。今年(2018年)の3月から新アンバサダーとして、人気の高い菅田将暉さんと小松菜奈さんをお迎えしています。

「ニコアンド」では、引き続き豊富な商品展開で、さまざまなお客さまの「欲しい」にお応えするパワーを磨いていきたいと思っています。

国内ブランド事業②

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また、基幹ブランドの大型も進んでいます。

「グローバルワーク」ですが、旗艦店「GLOBAL WORK SHIBUYA」を(2018年)3月10日にオープンしています。ウィメンズカジュアル・ドレス・ルームライン・スポーツラインから、メンズのカジュアルや最近人気のキッズまで、今「グローバルワーク」が見せたい“Fashion”を厳選し、編集したラインアップとなっています。

渋谷路面店から全国各店へ、そして世界へ。新しいブランドの世界観を表現するとともに、さまざまな生き方が息づき、海外のお客さまも注目する渋谷と共鳴し、笑顔が集まる心地良いショップを目指していきたいと思っています。

また、「ベイフロー」は今年で5周年を迎えます。3月23日に、吉祥寺に旗艦店をオープンさせました。この旗艦店では、“ヘルシーの入り口が集まるお店”をコンセプトに、1階にカフェ、3階にヨガスタジオを併設し、ライフスタイル提案をしています。

引き続き、さまざまなレベルの方に合わせたヨガのレッスンや、吉祥寺にゆかりのあるテーマのワークショップを開催し、軽やかでヘルシーなライフスタイル提案と、ローカルコミュニティの活性化に貢献したいと思っています。

WEB事業①

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続きまして、Web事業です。Web事業は、売上高が333億円で前年同期比117.3パーセントと、引き続き2割近い成長が続いています。

国内売上高に占める比率は、16.6パーセント。その中でも、自社ECサイト「[.st]」を経由した売上が、半分以上の8.6パーセントを占めています。それが、当社の強みではないかと思っています。

会員数も700万人を突破し、引き続き増加させていきたいと思っています。

WEB事業②

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また、今期はポイントプログラムの強化をして、新規会員の獲得を加速させるとともに、購入頻度向上など、既存会員の活性化に取り組みたいと思っています。

具体的には、ポイント付与率を高め、ポイントが溜まりやすく、かつ使いやすいプログラムに変更しています。当社の場合、Web経由の会員獲得に加え、全国の約1,300店舗でも会員獲得をできる点が、強みだと思っています。

そして、ポイントの利用が可能な豊富な選択肢、つまりマルチブランドを展開している点も、お客さまにとって大きなメリットでもあります。

会員登録の手間なく行えるように改良も加えており、今後は会員データの分析力を高め、提供サービスの向上につなげていきたいと思っています。

海外事業①

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続きまして、海外事業です。

まず、香港・中国では、「コレクトポイント」業態を大幅に縮小し、「ニコアンド」や「グローバルワーク」といった主力ブランドを中心に展開し、事業の再構築を注力します。また、日本の各ブランド営業部が主体となり、お客さまのニーズに合った商品展開を図る体制も整えています。

先ほどからお話が出ていますけれども、韓国・台湾事業は順調に推移しています。こちらも、台湾にも昨年(2017年)10月に「ニコアンド」が進出し、日本や韓国と同じく路面の大型旗艦店で、ブランドの世界観を力強くアピールできています。日本のカルチャーに関心の高い台湾では、お客さまからの評判も非常に高く、引き続き事業拡大の牽引役として期待をしています。

海外事業②

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米国事業です。こちらは、先ほど福田(泰己氏)からも報告がありましたが、百貨店などに対する卸事業も展開しているものの、主要卸先数社の取引先の中止、また受注量の減少が生じました。今後は、優良取引先の維持や、オンライン系の卸先との取引拡大を図っています。また、適切な仕入や在庫量のコントロールにも努め、季節商材の戦略的な投入を図ってまいります。

なお、卸事業を維持しつつ、当社の持つ小売事業のノウハウを使って業績を高める方向性は変わりませんが、現在の状況を考慮し、直営店の出店を一時的にペースダウンするなど、調整は行っています。

新規事業①

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次に、新規事業です。(2018年)3月に、エレメントルール社の新ブランドの「カオス」「カレンソロジー」の1号店を、それぞれオープンいたしました。従来の当社グループは、駅ビルや郊外ショッピングセンターでの、比較的買いやすい商品で、ヤングカジュアルファッションを展開してまいりました。

これに対し、都市型ターミナル大人マーケットは、当社にとってまさに空白地帯であり、従来に比べるとやや高単価の商品にもチャレンジできるマーケットだと考えています。

狙いとするターゲットが近いアダストリアの既存ブランドの「バンヤードストーム」と「バビロン」をエレメントルール社に加え、アダストリアとは一味違うブランド展開をすることで、存在感を高めていきたいと考えています。

新規事業②

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さらに、女性の生活を彩る新たなカテゴリーについても、ブランド展開に取り組んでいます。ジュエリーの「パティエラ」、インティメイトの「ビジュリィ」については、すでにブランドをローンチし、営業を開始しています。コスメについても(2018年の)秋から営業を開始すべく、現在準備をしています。

これらのブランドの特徴としては、独自にブランド展開するのみならず、アダストリアの既存ブランドに対しても、商品提供を行う点が挙げられます。既存各ブランドの顧客基盤を活かして相乗効果を発揮することで、アダストリアグループ一体となった、お客さまに対する価値提供を推進していきたいと思っています。

以上が、新たな成長ステージに向けた取り組みのご報告でした。ありがとうございます。

2019年2月期〜2021年2月期 3ヶ年計画①

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金銅雅之氏:改めまして、金銅でございます。私からは、2021年2月期に向けた3ヶ年計画につきまして、ご説明させていただきます。

まず、数値目標でございます。私どもはこの2年間、中期事業計画におきましては、売上高成長率と営業利益率の2軸で進めてまいりました。しかしながら、足元の増収減益基調という実態をしっかりと受け止めまして、収益力の向上により注力した目標を掲げることにいたしました。

営業利益率につきましては、3パーセント台まで落ち込んだ営業利益率を、8パーセントまで持っていきたいと考えています。これは、新規事業の成長軌道化や海外事業の再構築など、利益下振れ要因もある中で、いったん3年前の2015年度の水準まで持っていきたいという意思表示でございます。

結果として、ROEにつきましては、従来より掲げていた15パーセントという目標を達成したいと思います。

2019年2月期〜2021年2月期 3ヶ年計画②

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これらの数値の実現のために、3ヶ年計画の成長戦略について、このように考えています。

1つ目の戦略につきましては、「収益」を継続的に向上させる体制の実現でございます。何度も申し上げていますように、近年の売上総利益率低下の大きな要因につきましては、在庫の消化を目的とした値引き率の上昇や、頻発するセールにあると考えています。

ブランド特性に応じて運営体制を見直し、在庫量の適正化を図るとともに、セールについては、出店施設や競合他社などの周囲の環境に安易に流されることなく、会社としての方針をしっかりと打ち出して運営していきたいと考えています。

また、商品企画につきましては、近年立ち上げたR&D事業部をプロダクトの軸としまして、生産・MD・店頭・販促が一体となって、顧客ニーズをしっかりつかむことにより、当社独自のSPA体制を完成させたいと考えています。そのためには、700万人を超える[.st]会員から取得した情報につきましても、商品企画プロセスへ結び付けられる体制を整えていきたいと考えています。

2つ目の戦略としましては、社会・お客さまの変化がもたらす成長機会の「事業化」でございます。Web事業・海外事業・新規事業の各領域におきまして、それぞれ必要となる活動をスピーディーに実行し、成長機会を逃さぬように努めていきたいと思います。

まず、Web事業につきましては、自社会員数の増強を加速しつつ、オムニチャネルでの魅力的な購買体験をご提供し、購買頻度の向上を図っていきたいと考えています。また、海外事業につきましては、黒字体質への転換を図るべく、韓国・台湾の「ニコアンド」旗艦店の成功事例を活かし、複合業態である「コレクトポイント」事業からの転換を図るべく、事業の再構築に取り組んでいく所存です。

また、新規事業につきましては、新たな成長機会を逃さぬよう、好機に対しては検討を継続するとともに、新会社のエレメントルールや、すでに手がけたインナー・ジュエリー・コスメなどの事業につきまして、早期に成長軌道に乗せることに注力いたします。

最後の、3つ目の戦略でございます。変革と成長を支える「経営基盤の構築」です。

事業環境が急速に変化しつつある中、アパレル業態だけでなく、雑貨・飲食などの業態管理、あるいは海外現法・子会社管理など、組織も多様化しています。その中で意思決定の精度向上を図るためには、意思決定プロセスを明確にし、社内横断的で高度なデータ分析環境の整備が必要だと考えています。それらを実現するために、AIやテクノロジーにつきましても、積極的に活用していきたいと考えています。

これらを踏まえまして、2025年の社会を見据えた事業構造への転換のスタートに立つことをもくろんでいます。私からは、3ヶ年計画について説明させていただきました。ありがとうございました。

記事提供:ログミーファイナンス

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