2018年4月12日に行われた、マックスバリュ西日本株式会社2018年2月期決算説明会の内容を書き起こしでお届けします。IR資料

スピーカー:マックスバリュ西日本株式会社 代表取締役社長 加栗章男 氏

2018年2月期決算説明会

加栗章男氏:お集まりをいただきまして、誠にありがとうございます。また、日頃は格別のご高配を賜りまして、厚くこの場を借りて御礼申し上げます。それでは、時間が限られていますので、さっそくではございますけれども、2018年2月期(第36期)の業績と今年度(2019年2月期)37期の取り組みについて、ご説明を申し上げます。

まず、2018年2月期の業績につきましては、本当に遺憾ながら、減収減益という結果になりました。この減収は、昨年は35周年記念ということでやっていましたけれども、初めての減収であります。それから、減益は3年ぶりということで、本当にご説明をするのに耐えないような数字で、非常に猛省をしているところでございます。

決算概要

mn1

数字について、簡単にご報告をいたします。営業収益で2,763億1,300万円、前年の99.3パーセント。営業利益で47億200万円、前年の73.1パーセント。経常利益で49億7,800万円、前年の74.4パーセント。当期純利益で24億6,700万円、前年の75.7パーセントという結果でございました。先ほど「猛省している」と申し上げましたけれども、その原因については、この後ご説明いたします。先に、数字についてのご報告を、簡単にします。

連結貸借対照表

mn2

まず、貸借対照表でございます。ポイントだけ申し上げますと、総資産税981億400万円。その主な内訳は、流動資産で376億1,200万円。さらにその内訳は、現金及び預金で105億8,500万円、商品で95億5,300万円でございます。

固定資産は604億9,200万円。主な内訳は、有形固定資産で403億9,500万円、投資有価証券108億6,200万円。負債におきましては、475億1,400万円となりました。

資産除去債務が31億5,900万円でございます。なお、純資産は508億8,900万円。その内訳は、利益剰余金の382億3,100万円という数字でございます。数字は、前年の期末と比べて若干の違いはありますけれども、特筆することはないと思っています。

連結キャッシュ・フローの状況

mn1

続きまして、数字の3つ目。キャッシュ・フローです。キャッシュ・フローにつきましては、営業キャッシュ・フローが74億5,400万円。前期より、マイナスの2億3,300万円という結果でございます。それから、現金及び現金同等物は22億7,300万円の増加。

売上高と営業利益率の推移

さて、先ほど初めての減収、そして3年ぶりの減益というお話をしましたけれども。(スクリーンを指して)これは、7年間の時系列での売上高と営業利益率の推移でございます。一番右の赤い部分が、今年度でございますけれども、売上高で2,697億1,700万円、営業利益率で1.9パーセントということで、昨年よりも0.6ポイント、営業利益率が下がったという結果になりました。

客数推移

次に、この売上高の低迷でございますけれども。いろいろ要因はありますけれども、(その中でも)客数で、今日はご説明を申し上げたいと思います。(スクリーンを指して)このグラフは(2017年)3月から(2018年)2月まで、毎月の客数の既存(客数)の推移でございます。トータルで真ん中のラインに年間計で「97.6パーセント」という赤文字がございますけれども。これが、2018年2月期の年間既存客数でございました。

97.6パーセントという数字は、1年前(2017年2月期)が99.2パーセント、その前(2016年2月期)が98.5パーセント、その前(2015年2月期)が98.3パーセントということからいきますと、初めて97パーセント台という数字になりました。別の視点で言いますと、とくに第3四半期が非常に厳しかったというのが、このグラフから見ていただけると思います。(補足すると)客数が97.6パーセントという数字でございますけれども、これはグループ別の客数を示しています。

(セグメント別の客数を見てみると)100パーセントを超えたカテゴリーは、残念ながら、フローズンの103パーセント。唯一、ここだけでございました。一方で、全体平均の(客数の)97.6パーセントよりも下回ったところが、赤で棒グラフに書いているところですけれども。とりわけ、農産の97.1パーセント、水産の95.2パーセント、そして我々としては、非常に売上も利益も貢献していましたデイリーが97.2パーセントという数字でございました。

この後、営業利益率または営業総利益のところでもお話し申し上げますけれども、生鮮三品とデリカの構成比を上げていくということで、取り組みをしてきました。このグラフにはありませんけれども、最終的に39.5パーセントという数字になりました。1年前は40.4パーセントですから、逆に0.9ポイントのダウンとなりました。

売上総利益率

次に、売上粗利率の結果でございます。(スクリーンを指して)ここに、3つの折れ線グラフございますけれども。一番上の赤がマックスバリュ、真ん中が全社、そして一番下のオレンジがザ・ビッグでございます。結果的には、各事業とも0.4ポイントから0.5ポイント、計画に届かなかったということでございます。

前年(2017年2月期)と比べますと、粗利率そのものは横ばいでございますので、生鮮三品・デリカの構成比を上げながら、粗利を上げていくという構造が作れなかったということでございます。

マックスバリュとザ・ビッグ

続きまして、私どもはマックスバリュとザ・ビッグの、まったく異なる2つの事業をやっているんです。(スクリーンの図にあるのは)各々のこの5年間……ちょうど私が、5年間社長をさせていただきましたけれども。左側の赤がマックスバリュ、右がザ・ビッグでございます。一番右が、各々の昨年度ということでございますけれども。

マックスバリュで言いますと、減収の1,731億9,200万円。営業総利益で2.6パーセントということで、これはまた前年より0.5ポイント落ちている。

ザ・ビッグは965億2,400万円で、若干の増収ではございました。しかしながら、率で言うと0.5パーセントということで、どちらも結果としては、猛省しなければいけない数字になったということでございます。

今、客数の話と、そして(売上総利益)率の話を、生鮮三品とデリカで申し上げましたけれども。(スクリーンを指して)この表が、もう一方の利益を悪くした、経費のところでございます。

一番右の2017年、赤の50億400万円。これが、営業利益の実績でございます。左の2016年のねずみ色のところ、67億5,800万円。これが、1年前の営業利益でございました。額で言いますと、17億5,400万円の減益ということでございますけれども、主には人件費・広告宣伝費・水道光熱費の電気代。このあたりのところが、大幅に前年を上回ることになりました。

経費全体では、なんとか予算内に収めたわけですけれども、前提としてこれだけの経費がかかるということで、トップラインを上げ、利益率を改善するということでした。しかし、その構図(の達成)ができなかったということで、この経費の2019年2月期の対策については、この後ご報告を申し上げたいと思います。

新店出店・活性化の結果

次に、昨年度のいくつか新店・活性化等の結果についてだけ、簡単にご報告を申し上げます。まず、昨年は5店舗の出店をいたしました。ザ・ビッグの倉敷から始まって、ザ・ビッグ岩国まで、5店舗のオープンをいたしました。新店については、ほぼほぼ計画通りでございました。(スクリーンを指して)右下隅にある「103.7パーセント」というこの計画比が、ほぼ凹凸はありますけれども、新店については計画通りだったかなと。

ただ、この5店舗のうち、スクラップアンドビルドが3店舗ございます。ザ・ビッグ倉敷、SSM(スーパースーパーマーケット)のマックスバリュ東条、そしてザ・ビッグ岩国。この3つはいったん壊して、その地に新しい店を建てる、もしくは1キロメートル以内のところに移転して建てるということでございました。こういったことも、増収にならなかった1つの理由であろうかなと思います。

次に、活性化につきましては、新店とはまったく逆で、うまくいきませんでした。36店舗計画しましたけれども、結果としては22店舗。とくに途中から活性化の数字が良くないということで、とくに後半部分は活性化を控えました。結果としては、計画比に対して、ここ(スクリーン)には1,000万円以上の11店舗が書いていますけれども、96.4パーセントという数字で終わりました。

結果的には、お客さまに「売場が変わった」「商品が変わった」ということをお伝えできなかったということで、今年の2019年2月の活性化については、この反省を踏まえ、今準備をしているところでございます。

商品の取り組み

続きまして、商品の取り組みについて、簡単にご報告します。昨年は商品、とくにデリカについては25品目を開発しようということで、スタートしました。

結果としては、14品目しか開発できませんでした。

売上についても、計画の17億4,900万円に対して(実績は)10億2,500万円で、このあたりが「デリカ超過」と言いながらも、実際にはそれができなかったという、いちばんの大きな原因であろうと思います。

2019年の取り組み

2018年度の反省は以上にさせていただいて、それを受けての2019年の取り組みについて、ご報告します。

まず社会の変化・お客さまの変化というのは、(スクリーンを指して)この表にあるようにいちばん右の「対応すべき変化」に対して、昨年も取り組みをしてまいりましたけれども、結果としてその取り組みが中途半端であった・徹底力がなかった・進捗管理ができてなかったと猛省しております。

対応すべき変化に対して、今年は昨年の反省を活かして取り組んでまいりたいと思います。

とくに今年は、前年に97.6になった客数について、100を目指してやっていきたいということで、それに向けた商品・お値段・マーケティング・サービス。この4つを今の時代に合わせていくということで取り組んで、客数の100を取り組んでいきたいと思います。

まず、商品についての取り組みですけれども。鮮度向上による農産の産直を、圧倒的に取り出していこうと。これは昨年から計画をしておりましたけれども、まだまだ途に着いたばかりの状況で終わってしまいました。

2017年度の40パーセントの産地商品開発については、2020年で57。(この達成に向けて)2018年度は5ポイント上げた、45を目指していきたい。

もう1つ農産で言いますと、健康への対応ということで、有機野菜もやってはいますけれども、まだまだ中途半端でした。昨年の24店舗を、できるだけ(今年の)上期の段階で、40にしたい。売上については、5,700万円を1億2,000万円にしたいという計画で取り組んでおります。

続きまして、水産です。水産については、全体的に需要が縮小していっておりますけれども、いくつかの成功事例があります。

昨年(オープンが)ありましたマックスバリュ太子南店では、マックスバリュの全店平均の水産の構成比は7.2ですけれども、この店は11.2ということで、4ポイントぐらい高くなります。

それだけまだまだ需要があるということで、地場のお魚を使った惣菜、お寿司、煮魚。こういったものを展開していきます。魚商材については、今年度中に100店舗で導入する。

次は、商品のデリカでございます。デリカは、昨年まったく回復ができなかったということでありましたけれども、今年は金額で(言うと)25億円、昨年の244パーセントの計画で、30のアイテムを開発してまいりたいと思っております。

続きまして、インストアベーカリーです。インストアベーカリーにつきましては、必要な機能だと思いながらも、昨年は開発商品で3アイテム。今年はそれを80(に拡大します)。

このインストアベーカリーにつきましては、春から女性メンバーの開発チームも立ち上げました。男性が(惣菜メニューを新しく)作るというんではなくて、女性の視点で……とくに、働いている女性の(需要がある)夕方のパン。そういったものを、作ってまいりたい。これで(今年は)8億9,200万円の計画ですから、(不足分の)約8億5,000万円の底上げをしたいと思います。

次に、(ここまでの)農産とか水産の産直や、地場の魚という話の中で、センターについて、少しだけご報告します。(スクリーンを指して)この地図は、兵庫の白浜と広島の市内にECの機能を持つ、3温度帯の物流センターを作ろうという計画でございます。

兵庫から2021年の稼働を目標に計画・準備しており、これによって産直をさらに拡大していく流れにしたいと思っております。

続きまして、価格への取り組みでございます。残念ながらやっぱり低価格指定への対応が不十分だったという反省をしております。とくにドラッグさん、ディスカウント、ECでいきますと、競合に勝つ安さの訴求ということで、(2018年)4月4日からデイリーにつきましては、10カテゴリー20品目の商品について、価格を20~30パーセント下げました。

まだまだ(開始してから2018年4月12日時点で)1週間程度しか経っておりませんので、これからこの進捗を見ながらやってまいりたいと、真っ向からこのアイテムについては価格で勝負をしたいと思います。

その最たるザ・ビッグの真のディスカウントを目指すということで、こちらについても同様に、さらに強化をしてまいりたい(と考えています)。ちなみにザ・ビッグ徳山西店で3月24日から、価格を下げてスタートしました。

(スクリーンを指して)表にありますように、約2,000ほどを減らしました。実際に、今は客数が増えております。問題は、これで点数をどこまで上げれるかだと思いますので、これも進捗管理しながら進めていきたいと思います。

次に、マーケティングの中で1つだけご報告します。今の私どものお客さんで言いますと、約70パーセントが、一般的に何らかのカードホルダーですけれども、それをできるだけ早く100(パーセント)にしたい。それが、中期的な目標ではあります。

一方で、「離反対策」と書いておりますけれども、イオンカードで先月来られたけども、本月来られてない(というような)お客さんが、圧倒的な数いらっしゃいます。

ここについては、昨年はノーマークと言って(いいぐらいに)近かったですから、ここを今年度は電子メールを使いながら、将来はウォレットであったり、スマホだと思いますけれども……まずは、ここの改善をしていきたい。

目論んでおりますのは、ここの改善で月間で来てもらうようになると、売上で5億円ぐらいの金額が変わってまいります。それに対してどこまで近づいていけるかということを、今年はやってまいりたいと思います。

時間がありませんので、あとPOSについては各社同様ですので(割愛します)。これも、人件費の削減ならびにお客さまのサービス改善ということで、取り組んでまいります。

それから「マイピ」というのを、今2店舗で実験をしております。これはセルフスキャンシステムで、お客さんがすべて(の商品を)スキャンをしているということでございます。

これも、なんとか今の端末の改善をしながら、2018年度期末までには今2店舗ですけれども、100店舗まで導入していきたい。ただ、これはすぐに数字がどうのこうのという話ではありませんけども、今トライアンドエラーをしておかないと、次の時代を迎えられないという取り組みでございます。

人について、簡単にご報告します。これは制度を変えて、フレックスに賞与を初めて払いました。これが、人件費の大幅アップにもなったわけですけれども。今年は、1年出ている時差をなんとか短縮して、資格を上げていくことによる能力向上での生産性向上。本来の目的に、今年は移行していきたいと考えております。

最後に、数字と出店計画だけご報告して終わりたいと思います。2019年2月期までに、今年は6店舗の計画を出店しております。昨年と違ってこの6店舗のうち、スクラップアンドビルドは1店舗ですから、残りは5店舗は純増になろうかと思います。

その新店の1つ目が、(2018年)4月17日にオープンします、神戸市西区の井吹台店でございます。この店は、先ほど来申し上げてました地場野菜であるとか、有機野菜とか、すべて今やっているMDを取り込んでやっていきたいと思っております。

続きまして、経費について。人件費、販促費、水道光熱費。一昨年はこれを前年(より)アップ(したことで)で非常に苦しんだわけですけれども。とくに水光熱費の電気代につきましては、基本中の基本ではありますけれども、この4月から、節約をもう1度スタートいたしました。

2012年当時(から比べると)、今年やろうとしていること(方策)で、電気の使用量が4パーセント程度削減したことであります。4パーセント削減しますと、昨年より電気代で何億円というお金が増える(余計にかかる)ということはありませんので、これをきちんとやってまいりたいと思います。

最後に、中国の事業について。中国では、今1店舗で営業しておりますけれども、ようやく中国のお客さまに合った品揃え・価格ができるようになってまいりました。

先月(2018年3月)で言いますと、115パーセントぐらいの伸びをしておりますので、これもきちんと進めてまいりたいと思います。

来期予想

最後に、来期の期末の数量を報告して終わりたいと思います。

営業収益で2,830億円。営業利益で55億円。経常利益で57億円。当期純利益で26億円という計画を、客数の100を前提に計画をして、進めてまいりたいと思います。

長く喋ってしまいました。ご清聴ありがとうございました。

記事提供: