「廃棄野菜」年間200万トンの救世主となるか、野菜シート

ビジネス、今日のひとネタ

今年の冬は雪の影響などにより野菜の価格が大幅に高騰しましたね。地域によっても差はありますが、東京都内では白菜1/4カットで200円(単純計算すると1玉で800円!)という、例年と比べるととんでもない値段がついている時期もありました。

ところで、店頭ではある程度形が整った野菜が陳列されますが、「規格外品」とよばれる形の悪い野菜は、基本的には出荷されず廃棄野菜となります。その量は年間150万トンとも200万トンともいわれます。

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しかし近年、その廃棄野菜をどうにかしようとさまざまな手立てが行われています。中でも注目を浴びている商品のひとつが「VEGHEET(ベジート)」。4月10日のNHK「おはよう日本」などでも取り上げられました。

農家の新たな収入源に

「VEGHEET」は簡単に言えば、野菜シートです。野菜を寒天と混ぜ、ペースト状にし、それを板海苔のように薄いシート状にしたものです。野菜の色味をそのまま生かしているため、赤や黄、緑など色彩に富んでいます。消費期限も1年と長く、保存食や災害時の非常食としても使えます。

製造しているのは「アイル」という長崎県内のベンチャー企業です。そのままでは廃棄される規格外の野菜を農家から買い取っているため、環境にも優しく、農家の新たな収入源にもつながります。また、地方で新たな産業を創出できる可能性としても期待されているようです。

さまざまな活用法

その鮮やかな彩りから、海外ではカリフォルニアロールの海苔部分の代わりに使われたり、フランスやイタリアの星付きレストランで飾り付けなどに使用されたりしているようです。また、東京渋谷のフレンチレストランでも、VEGHEETを使った料理が提供されているとのこと。

家庭用レシピとして人気なのは、野菜をVEGHEETで巻いた「ベジロール」。食べやすく、見た目が色鮮やかなため、ホームパーティなどにも向いています。もちろん特に調理せずそのままでも、ヘルシーなおやつとして、おいしく食べることができるようです。

また、従来の野菜とは異なった形状をしているため、「野菜嫌いの子供に食べさせる料理に簡単に混ぜやすく、抵抗なく野菜を食べさせることができそう」「加工がしやすいから離乳食の材料にしたり、キャラ弁の素材としても使えそう」といったことで、小さな子を持つママ世代からも注目を浴びつつあるようです。

根が深い食品廃棄問題

廃棄の野菜は減り、農家の収入は増え、つくっている企業としても利益があり、そして消費者にも選択肢が広がる。総合的な視点から見れば、プラスの部分が大きい商品でもあります。

廃棄野菜のみならず、飲食店での廃棄ロスや、「恵方巻き」「クリスマスケーキ」などのイベント関連食品の廃棄など、食べ物にまつわる廃棄問題は最近、特に注目されています。過剰生産をしないのはもちろんですが、こうした画期的なアイディアによって、問題が少しでも解決していくといいですね。

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2005年創業。ビジネス書・実用書を中心とした書籍出版や企業出版、メディア・コンテンツ事業、デザイン制作事業などを手がける。

主な刊行書籍に、20万部突破の『誰からも「気がきく」と言われる45の習慣』をはじめ、『特定の人としかうまく付き合えないのは、結局、あなたの心が冷めているからだ』 『起業家のように企業で働く』 『すべての仕事を紙1枚にまとめてしまう整理術』 『21世紀のビジネスにデザイン思考が必要な理由』 『自分を変える習慣力』 『鬼速PDCA』など。