近年東京、それも都心で住宅を購入するのなら、価格面から考えてもマンションという選択肢が一般的になっています。またマンションは将来売却がしやすい不動産であるということもメリットの一つです。

ただ資産価値の高いマンションを購入するためには、どんなマンションを買うかという視点に加え、「どこに」マンションを購入したかということにも大きく左右されます。

現在は特に利便性の高い都心部ほど、資産価値が有利になる傾向が強くなっています。

今回は「住みやすさ」に加えて、「資産価値の落ちない」ことに注目した狙い目の都心のアドレスを12カ所紹介します。また、そのアドレスで実際に物件を購入する際の価格の目安となる公示地価についてもあわせて紹介します。

資産価値を構成する要素とは

不動産に限らず、全ての商品・サービスの価格は「需要」と「供給」によって決まります。需要に対して供給が少なければ価格は上がります。逆に需要が少ないのに、供給が増えれば価格は下がって行きます。

資産価値が高いエリアや街とは、「価格が下がりにくいエリア、街」と言うことが出来ます。つまり大原則として

  • 供給が限られている、少ないエリアや街
  • 需要が増え続けているエリアや街

こそが資産価値が高いと言えるでしょう。

公示地価って何?

公示地価とは「地価公示法」という法律に基づいて、国が標準地を選定して毎年1月1日における土地の「正常な価格」を判定し、公示するものです。一般に取引される土地の価格に対して「これが標準ですよ」と国が一つの指標を与えるものと言えますね。

公示価格は、実勢価格とは異なる面もありますが、公的な機関が出していることもあり、不動産を売買する上で、一つの基準になる数字となっています。

ここでは、アドレスとともに、不動産購入の際の目安として公示価格を併記することにします。また、公示地価は路線価や実勢価格と混同しやすいので区別しておきましょう。

発表!東京都心で資産価値を高く維持している街12選

それでは早速、資産価値の高いエリアを見ていきましょう。

港区南青山

都心で資産価値を高く維持しているアドレス、一つ目は、港区南青山です。公示地価は南青山4丁目で191万円/㎡となっています。

港区南青山とはどの辺りかというと、東京メトロ表参道駅を起点として青山方面、国道246号線に対して東側のエリアです。

最寄り駅は地下鉄青山一丁目駅、表参道駅、外苑前駅、乃木坂駅、広尾駅などになります。

公示地価で191万円/㎡を出している南青山4丁目は、3丁目のある国道246号線よりさらに東に入ったあたりで、北西を外苑西通りに囲まれ、その外側に青山霊園が広がっています。

南青山4丁目アドレス内には、銕仙会能楽研修所、廣閑院など歴史や文化にゆかりのある施設や、結婚式場・青山迎賓館などが所在しています。

超人気学校である港区立青南小学校など学校もある住宅地・文教地区でもあります。

南青山には根津美術館、長谷寺(ちょうこくじ)もあり、非常に落ち着いた静かなエリアです。

港区南青山の人気マンション「パークコート青山 ザ タワー」

超高級マンションが立ち並ぶ南青山エリアですが、代表的な高級タワーマンション「パークコート青山 ザ タワー」を見てみましょう。

パークコート青山ザタワーは赤坂御用地や数多くのスポーツ施設がある青山一丁目駅から徒歩3分、南青山2丁目に位置し、平成30年4月竣工の三井不動産レジデンシャルによる超高級タワーマンションです。

お部屋の広さは70.07~182.21平米、総戸数163戸です。

ため息が出そうな程、充実した共用施設を備えた高級マンションです。

「世界は曲線で出来ている」というキャッチコピー通りの優雅なデザイン。南青山という高級エリアにピッタリのハイセンスなデザインです。

数ある共用施設の中でも、注目なのがインフィニティプール。

プールを備えた高級マンションは都内にも存在しますが、空と一体化したインフィニティプールは大変珍しいです。

12階の115.41㎡の2LDKの価格は3億8350万円です。

資産価値は需要と供給で決まりますが、パークコート青山ザタワーほどのマンションはそうは出ないでしょう。

港区赤坂

2つ目は港区赤坂です。こちらも高級住宅街として有名なエリア。

赤坂は1〜9丁目まであり、高低差のある広大なエリアになります。公示価格は6丁目で188万円/㎡です。

主な最寄り駅は赤坂、赤坂見附、乃木坂、六本木一丁目、青山一丁目です。多くの場所で、複数の路線が利用可能になっています。

赤坂サカスやアークヒルズなどのように商業施設とオフィス、さらには高級レジデンスが数多くあります。

東京ミッドタウンも六本木のイメージが強いですが、実は住所は赤坂9丁目になっています。

港区赤坂駅の人気マンション「パークコート赤坂檜町ザ・タワー」

4億を超える超高級マンションが立ち並ぶ赤坂駅エリアですが、そんな赤坂駅エリアでひときわ注目を集めているのが「パークコート赤坂檜町ザタワー」です。

このタワーマンションが注目されたのは、すべての住戸が億超えで、最上階の住戸が15億円を超えたからです。バブル以降では、間違いなく最高級マンションでしょう。

それもそのはずで、パークコート赤坂檜町ザ・タワーはミッドタウンの檜町に面してるという、ありえない立地なのです、北側のお部屋からは赤坂御用地の緑を楽しむことが出来ます。

パークコート赤坂檜町ザ・タワーの総戸数は322戸。竣工は平成30年2月です。

港区元麻布

3つ目の資産価値が高い街は港区元麻布です。公示価格は3丁目で143万円/㎡です。

最寄り駅は麻布十番。元麻布は高台に位置し、静かな住宅街が広がっています。

北側の坂を下ると、麻布十番商店街に出ることができます。六本木ヒルズ側に向かう途中に、高級スーパーLINCOSがTSUTAYA ROPPONGIの隣にあります。

また、国際色豊かな街で、各国の大使館の前には警備員が駐在しており、街自体の防犯対策も充実しています。

麻布十番で人気のマンション「元麻布ヒルズフォレストタワー」

麻布十番の中でも、麻布の色々な場所から見えるランドマークマンションが「元麻布フォレストタワー」。

麻布十番の丘の上に立ち、圧倒的な存在感から人気のタワーマンションです。

都心の超高級エリア「3Aエリア」とは

上記の「青山」「赤坂」「麻布」3つのエリアを、英字表記した時の頭文字がAであることから不動産業界では「3A」と読んでいます。

3Aエリアは、都心の中でも特に資産価値が落ちないエリアとして有名なエリアです。

渋谷区神宮前

都心で資産価値を高く維持している街、4つめは、渋谷区神宮前です。公示地価は、神宮前4丁目で158万/㎡となっています。

渋谷区神宮前エリアは、代々木公園や明治神宮に対して、明治通りを隔てて東側のエリアです。

神宮前エリアは比較的広域にわたっていて、地図上では南は渋谷にさしかかる辺りから、北は原宿の竹下通りより北側の千駄ヶ谷の手前まで、西側は、明治神宮野球場、秩父宮ラグビー場のある手前までにわたります。

渋谷区神宮前アドレスの中に所在する駅は、JR山手線の原宿駅と、東京メトロ千代田線の明治神宮前駅があり、外苑前駅や表参道駅にも隣接しています。

幹線道路としては明治通りが通り、神宮前エリア内でラフォーレ原宿や表参道ヒルズなどの商業施設が並ぶショッピングタウンであり、今や訪日外国人の観光スポットでもある表参道とも交差しています。

一方、国道246号沿いには国連大学の建物がそびえ、大通りを一本はずれると国学院高校、原宿外苑中学校など学校も多い文教地区でもあります。また、エストニア共和国大使館、ワタリウム美術館など、国際色あふれる施設、文化に関する施設も多く存在します。

公示地価で158万/㎡となっている神宮前4丁目は、明治通りと表参道の交差する場所から、東京メトロ表参道駅までのエリアで、ちょうど過去に旧同潤会アパートが所在し、現在表参道ヒルズとなった周辺のエリアとなります。

渋谷区神宮前で人気のマンション「ザ・神宮前レジデンス」

神宮前は高級戸建が立ち並び、マンションは少ないエリアとなっています。

そんな希少価値の高い神宮前エリアで人気の高級マンションが「ザ・神宮前レジデンス」。

東京メトロ銀座線「外苑前駅」から徒歩6分、東京メトロ銀座線「表参道駅」から徒歩8分という利便性を誇る、全220戸の大規模マンション。

ザ・神宮前レジデンスは66.82平米の中層階の部屋が1億1,600万円〜1億1,980万円ほどの価格となっています。

渋谷区渋谷

都心で資産価値を高く維持している5つ目のアドレスは、渋谷区渋谷です。公示地価は渋谷4丁目で127万/㎡となっています。

渋谷区渋谷はどの辺りなのかと言うと、JR渋谷駅を含む、渋谷駅東側一帯のエリアです。JR渋谷駅東口方向に出ると頭上を首都高3号渋谷線が通っていて、その下の国道246号線を表参道方向に向かい、青山学園のある辺りまでです。

渋谷区渋谷エリア内への各最寄り駅からのアクセスとしては、渋谷駅から徒歩3分〜11分、表参道駅から徒歩7〜8分、明治神宮前駅から徒歩5分程度で、中古マンションの不動産取引もその辺りの場所でされています。渋谷駅周辺の国道246号線、及び305号線沿いはビジネス街・繁華街となります。

渋谷駅周辺は交通量も多く、飲食店、オフィスビルが立ち並ぶエリアで、JRAの場外馬券売り場もあり、正直言って雰囲気や空気は良いとは言えません。しかし駅から少し離れ、大通りから1本外れるだけで、閑静な住宅街が広がり、小中学校なども見られる落ち着いた街並みが現れます。

同アドレス内には青山学院大学、青山学院高等部、渋谷教育学園渋谷高校などが所在し、実践女子学園中学校・高等学校、国学院大学などが隣接している文教地区でもあります。

渋谷区渋谷で人気のマンション「青山パークタワー」

渋谷で人気のマンションといえば、何と言っても高級タワーマンション「青山パークタワー」です。

三井不動産により分譲された青山パークタワーは「青山に森を創る」というコンセプトで、豊かな植栽が植えられています。渋谷駅から徒歩5分という超都心とは思えないほど、静かな環境を実現している同マンション。王冠のような形をした青山パークタワーを見たことがある方も多いのではないでしょうか?

渋谷エリアは芸能人が多い?

余談ですが、スーパーで買い物中の芸能人の姿が写真週刊誌に掲載されることがあります。某紅白連続出演歌手(バンド)のKさんが撮られたのが、このエリアの某スーパーマーケットの中。たまたま筆者も利用したことがある店舗だったのでスーパーの棚の陳列やエレベーターまわりの様子に見覚えがありました。

また、この辺りを歩いていてコンビニの袋を下げた某俳優YKさんと信号待ちですれ違ったことがあります。その時その方は、Tシャツ+ジャージー+サンダルに近い格好。いかにも近所を歩いています、という出で立ちでオーラを消して歩いていらっしゃいました。

人違いでなければその方はその後某人気女優HKさんとご結婚されて話題になった方なので、今は新居にお引っ越しをされているでしょうね。

ちなみにここまで紹介した、港区南青山、渋谷区神宮前、渋谷区渋谷、この3つのアドレスは互いに隣接しあうエリアとなっています。

いずれも繁華街として賑やかで華やかな面を持つ一方で、一本路地に入ると昔ながらの建物が残っていたり、歴史のある人気小中学校なども点在していたりする閑静な住宅地が広がっていることが特徴と言えるのではないでしょうか。

港区港南

6つ目の都心で資産価値を高く維持しているアドレスは、港区港南が挙げられます。港区港南公示地価は81万/㎡となっています。

港区港南とは港区のどのあたりなのかというと、JR山手線の品川駅東側のエリアです。

この地域は臨海のウォーターフロントエリア。海に面しているだけでなく、水路が縦横に張り巡らされており、水に囲まれた環境と言えます。エリア内には芝浦中央公園、東京海洋大学などがあります。

この地区は高い建物が多いのですが、海に面しているため視界が開けて開放感のある眺望が広がります。レインボーブリッジにも近く、海を隔ててお台場も目の前です。

港南エリアは、近年一気にタワーマンションの開発が進んだエリア。街が整然と再開発され、数々の人気タワーマンションが分譲されました。

港南エリアの人気マンション「ワールドシティタワーズ」

東京の人気タワーマンションが集う港南エリアですが、その中でも特に人気なのが住友不動産分譲のタワーマンション「ワールドシティタワーズ」です。

ワールドシティタワーズが他のマンションに比べ優れているのは、マンションのグレードもさることながら、マンションの敷地が4方向に対して抜けているということ。つまり、隣接する建物が殆どないのです。

もともと2000戸を超える規模を誇り、住友不動産のダイレクトパノラマウィンドウによるスタイリッシュな外観なところに、周辺からぽっかりと浮かび上がったようなランドマーク性が、このマンションを特別なものにしています。

品川区上大崎

都心で資産価値を高く維持しているアドレス7つ目は、品川区上大崎です。公示地価は上大崎2丁目で99万9000円/㎡となっています。品川区上大崎は、住所と最寄り駅名に若干ずれがあり、最寄り駅としてはJR大崎駅ではなくJR山手線目黒駅を中心としたエリアとなります。目黒駅には最近ニトリが出来たことで話題になりました。

品川区上大崎のアクセスは、目黒駅からであれば徒歩1分〜11分程度、五反田駅から徒歩9分程度、白金台駅から徒歩5〜8分程度です。

JR山手線、東京メトロ、都営地下鉄の3線が、目黒駅で交差しているため交通至便。品川区上大崎エリアは、この目黒駅を中心に南北に広がっています。

また、品川区上大崎エリア内には首都高速目黒2号線が南北に走っているのですが、首都高の東側には国立科学博物館付属自然教育園と、東京都庭園美術館があるため、緑も多い地域です。

上大崎エリアの南東部は、高級住宅地として知られる港区白金台に隣接していますが、ここに最上寺、光取寺、宝蔵寺、清岸寺など、お寺が集中して存在しており、周囲には落ち着いた雰囲気が漂います。

秘密の高級住宅地「長者丸」

上大崎の中でも知る人ぞ知る高級住宅地が目黒駅の北側に位置する「長者丸」と呼ばれるエリアです。住所でいうと「東京都品川区上大崎2丁目」のエリアですが、このエリアに行くためにはいくつかの細い道を通って行く必要があり、このエリアに住む人以外が迷い込んで来ないような町の作りになっています。

目黒の長者丸エリアには、財界人や大手芸能人事務所の社長など、超富裕層が住んでいます。高級戸建が多く、殆どマンションが売りに出てこないエリアですが、玄人だけが知っている高級住宅地と言えるでしょう。

ブリリアタワーズ目黒の再開発

どちらかというと大人しい、目立たない印象のある目黒駅ですが、最近になって駅前の再開発が行われました。それが「Brillia Towers 目黒(ブリリアタワーズ目黒)」を中心とする2つのタワーマンション、商業ビルの再開発です。

この「Brillia Towers 目黒(ブリリアタワーズ目黒)」、なんと平均価格1億1400万円を超える超高級マンションながら、発売からわずか4カ月で全戸完売してしまったのです。

一番の理由はJR山手線の駅から徒歩1分という希少性。元々人気の高い上大崎エリアですが、売り出し物件が出ないのがネックでした。そこに「Brillia Towers 目黒(ブリリアタワーズ目黒)」のような利便性を誇るタワーマンションが売りに出たのですから、異例のスピードで売れたとしても納得です。

目黒区下目黒

都心で資産価値を高く維持している8つ目のアドレスは、目黒区下目黒です。地図ではどの辺りかというと、JR山手線目黒駅より西側で、かつ目黒駅を通る国道312号線(目黒通り)より南側に広がる一帯が下目黒エリアです。
ここには多摩大学目黒中学・高校、東京学園高校などがあり、目黒雅叙園や不動公園などの緑地、また、南側には林試の森公園が広がるなど、都心でありながら緑にも恵まれたエリアと言えます。

最寄り駅としてはJR山手線の目黒駅と目黒線の不動前駅となります。目黒区下目黒の公示地価は、64万4000円/㎡。

下目黒は商店街と桜の街

目黒通りにある昔ながらの商店街「権之助坂商店街」も残る庶民的な街並みが特徴で、250店もの店舗が軒を並べ、日本一元気な商店街とも言われている武蔵小山商店街も徒歩・自転車圏内です。

下目黒には瀧泉寺、五百羅漢寺、海福寺など寺院も多く、同エリアに流れる目黒川は桜の名所としても有名。下目黒エリアには目黒川以外にも数々の桜の見所が存在しています。

ちなみに、品川区上大崎と目黒区下目黒も比較的近い場所にあたります。

新宿区西新宿

9つ目の都心で資産価値を高く維持しているアドレスは、大規模開発の進む新宿区西新宿。

西新宿と言えば言わずと知れた新宿副都心。高層ビル街が林立するエリアですが、アドレスとしての西新宿エリアは、確かに林立する高層ビル街周辺も含まれるのですが、それよりさらに西側のエリアも含まれるのが住所としての「新宿区西新宿」となります。

新宿駅から徒歩15分はかかるとされている東京都庁ですが、新宿区西新宿アドレスとみなされるのは都庁よりもさらに西側方面、南は新国立劇場やオペラシティのある初台方面少し手前までと広範囲です。

新宿駅から離れ都庁よりさらに西側まで辿り着けば、新宿の高層ビル街のイメージとは違い、街路樹などの緑が多く見られるようになり、どことなくゆったりとした空気が流れるようになります。

また、西新宿のこの辺りは歌舞伎町のような猥雑な雰囲気はなく、意外ときれいな街並みでもあるので、行ってみれば「ここも新宿?」という印象を持たれるのではないでしょうか。

西新宿エリアの北限は、丸の内線の西新宿と中野坂上の間までです。

ここまではJRの新宿駅から歩く想定で書いていますが、公示地価58万3000円/㎡の西新宿5丁目は、都庁より西側です。

地図上では、都庁の裏手に広がる新宿中央公園と熊野神社より北東方向、丸ノ内線の西新宿駅と中野坂上駅の中間地点とその南側に広がり、南端が都営大江戸線の西新宿5丁目駅になります。

つまり、最寄り駅は新宿駅ではなく、西新宿駅、中野坂上駅、西新宿5丁目駅。新宿駅までは地下鉄で1駅程度離れているものの、その一報で3駅が利用可能な交通至便なエリアと言えます。

もしここから新宿副都心の高層ビル街のオフィスに通うなら、普段は徒歩または自転車で通勤、雨が降ったら地下鉄または地下街を利用、ということも可能です。

ちなみに西新宿にも神田川が流れているのですが、この5丁目エリアでは神田川が地下を通っています。地図を見ながら行くことがあれば、ブラタモリ風に確認してみてください。

なお、付近には多くのドラマや映画の稽古場となっている「新宿村スタジオ」があります。この近くで、稽古場に通う女優さん、俳優さんの姿を目撃することもあるかもしれません。

千代田区六番町

資産価値を高く維持している都心のアドレスその10は、千代田区六番町です。公示地価は6番地で315万/㎡。最寄り駅はJR中央線の四ッ谷駅です。
四ッ谷駅近くには上智大学があることが有名ですが、千代田区番町は多くの名門私立中学・高校があることでも知られます。

また都心の中でもブランド価値の非常に高いアドレスと言われています。

ここ千代田区六番町には私立女子中学御三家の一角を形成する双葉中学・小学校があります。ちなみにお隣の千代田区四番町には、こちらも私立中学女子御三家の一角、女子学院が所在しています。

公示地価315万円/㎡の千代田区六番町6番地は、区立番町小学校の北側にあたり、現在「勝永ビルディング」が所在しています。アクセスは地下鉄麹町駅及び、四ッ谷駅から徒歩2〜6分程度です。

ただし千代田区六番町は、不動産取引の件数が非常に少ない場所でもあります。

新宿区三栄町

11つ目の資産価値を高く維持している都心のアドレスは、新宿区三栄町です。

新宿区三栄町は、東京メトロの四ッ谷三丁目駅とJR四ッ谷駅との間に挟まれた新宿通り沿いの北側エリア、同アドレスには四谷税務署などが所在しています。

三井ガーデンホテル四谷に隣接し、先に紹介した、千代田区六番町とは、線路1本を隔てて程近いエリアでもあります。

しかし新宿区と千代田区、線路を隔てるだけで西と東で土地の価格に相当な差があることがわかります。

千代田区と新宿区のブランドの違いはありますが、街の雰囲気としては文教住宅地であることにはそう大きな変わりませんので、公示価格だけで考えるならば、こちらは非常にお買い得なエリア、と言えるかもしれません。

公示地価64万3000円/㎡の新宿区三栄町15番地は、四谷税務署の裏手にあたります。アクセスは四ッ谷駅、四ッ谷三丁目駅から徒歩4〜6分程度の場所です。

ただし中古マンションの不動産取引の件数は非常に少ない場所でもあります。

新宿区市谷佐内町

新宿区市谷佐内町も、都心で資産価値の落ちないアドレスです。新宿区市谷佐内町は、地図・路線図ではどの辺りかというと、東京メトロ有楽町線・東京メトロ南北線・JR中央・総武線の市ヶ谷駅からほど近い地域です。

新宿区市谷佐内町は、防衛省本省と航空自衛隊市ヶ谷基地、大日本印刷の本社及び市ヶ谷工場に隣接していますが、市谷佐内町そのものはほぼ住宅地と言って良いでしょう。

公示地価85万6000円/㎡の22番地は、最寄り駅は市ヶ谷駅。市ヶ谷駅には複数線が乗り入れていますので、どの鉄道を利用するかによっても出入り口等が若干異なりますが、総じて市ヶ谷駅から徒歩約5〜7分程度の場所にあります。

残念ながら、新宿区市谷佐内町は中古マンションの不動産取引の件数が極めて少ない場所となっています。

資産価値の落ちないエリアに共通するのは利便性

資産価値の落ちない都心のアドレスを12カ所紹介しました。これまでに紹介した地域を簡単にまとめると、いくつかのエリアに分けることができます。

  • 渋谷、原宿、表参道、外苑前等のエリア
  • 品川駅の臨海エリア
  • 目黒駅周辺エリア
  • 西新宿の高層ビル街の先のエリア
  • 四ッ谷駅、市ヶ谷駅周辺エリア

といった感じになります。いずれのエリアも、繁華街またはそれに近い場所に位置しているのですが、大きな通りから一歩入ると静かな環境が得られる場所であることが特徴となっています。

なぜ繁華街があるのかというと、それは都心に近いことの裏返しでしょう。資産価値を重視するエグゼクティブ層は利便性を最も重視するので、都心に近いエリアが必然的に資産価値が高くなるのです。

一方彼らエグゼクティブ層や富裕層は、生活環境にも妥協はしません。いくら利便性が高いからといっても、マンションの周辺までうるさいようでは彼らの基準に合致はしないのです。利便性がありながらも、マンションの周辺は静か、そんな背反する条件を満たしたエリアこそが、今回ランキングにランクインしたエリアなのです。

今回不動産価格の一つの目安として公示価格を資料としました。

実際に物件が取引される際には、価格は売り手と買い手の間で決まるものであり、実際の土地・建物の現物がどれだけ利用価値が高いか、などの面が大きく関わることになります。

公示価格についてはあくまでも目安であり、参考資料として考えていただければ幸いです。

また、中古マンションに関しては、「マンションPBR」という数値があり、その地域にある物件が資産価値を維持しているかどうかを判断する上で参考にすることができます。

資産価値を維持している街を知る指標・マンションPBRとは?

株取引をしている方なら株価資産倍率(PBR)という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。

マンションPBRとは、株価資産倍率(PBR)をマンションに当てはめたもので、株式会社東京カンテイが公表している独自の数値です。

このマンションPBR、具体的にはどんな数値なのかというと、ある時期新築マンションとして販売された物件が、中古市場に登場した時、取引価格が新築当時の何倍になっていたか、という値を示すものです。

例えばマンションPBR=1倍であれば、中古市場でも、新築当時と同じ価格で取引されたことを示し、価格が変動しなかった、つまり資産価値が下がらなかったことを意味します。

マンションPBR が1倍を切る数値であれば、価格が下落したことを意味し、マンションPBR が1倍を上回れば、物件の価値が新築当時よりも上昇したことを意味します。

不動産バブル期など超上昇期でもなければ、一度中古市場に出れば、マンションの価格は、新築当時の販売価格よりも下がるのが現在は一般的です。

したがって、このマンションPBRの数値が「1倍以上」であれば、新築だったマンションが中古マンションとして取引された時に、その資産価値が新築時に比べて下がらなかった、ということを意味しています。

ちなみに、首都圏の平均マンションPBRの数値は、「0.91」となっています。つまり、新築マンションを購入して数年後中古マンションとして売りに出す場合には、平均値としては、約1割程度価格が下がる、という計算になります。

ただしこれはあくまで平均値であり、首都圏のマンションPBRは最高で1.3〜1.4前後を叩き出すケースもあります。つまり新築で買った3割強の価格で売却ができたことになるのですが、一方で、首都圏でも地域によってはマンションPBRが0.6〜0.7前後にまで下がってしまうケースもあります。

マンションPBRの高い地域はやはり都心部に集中する傾向があり、郊外になるほど下がる傾向が顕著です。また、今後ますますその傾向が強まるものと考えられます。

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まとめ

資産価値が上昇、あるいは下がりにくいアドレスを12件紹介しましたが、もし他にも気になる地区があり、調べることができるようであれば、公示地価や取引価格だけでなく、マンションPBRについてもチェックしてみると、他にも資産価値の下がらない、思わぬ地域がみつかるかもしれませんよ。

※公示価格等のデータは2016年度のものです。

マンションジャーナル