ソーバル、18年通期は増収増益 取引先総数の拡大が収益多角化に寄与

2018年4月19日に日本証券アナリスト協会主催で行われた、ソーバル株式会社2018年2月期決算説明会の内容を書き起こしでお届けします。IR資料 質疑応答パートはこちら

スピーカー:ソーバル株式会社 取締役社長 稲葉勝已 氏

目次

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稲葉勝已氏(以下、稲葉):私、取締役社長の稲葉でございます。2018年2月期通期の決算について、ご説明をさせていただきます。本日はお忙しい中、当社決算説明会にお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。

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それではお手元の資料に基づき、説明をさせていただきます。まず、お手元の資料は3部構成になっております。最初に前期の総括。次に今期の展望。最後に、課題と戦略についてお伝えいたします。

それではさっそくですが、当社をわかりやすく説明した5分程度のビデオがございますので、ご覧ください。

(映像が流れる)

業績ハイライト

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まず第一部は、前期の総括でございます。

2018年2月期通期の業績ハイライトですが、表の通り売上高・営業利益・経常利益・当期純利益ともに順調に推移して、増収増益となりました。

要因としましては、積極的な取引先の拡大と、売上高に占める受託開発の比率が増加したことが挙げられます。また、前期より事業譲渡を受けたIoT分野に関しましては、中長期的な観点で収益の拡大に貢献できるように、投資をスタートしております。

財政状態・キャッシュフロー

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次に、財政状態・キャッシュフローでございます。

自己資本比率は、引き続き高い水準を維持しております。営業キャッシュフローが増加し、期末の現金残高が大幅に増加しております。

また、継続して増配を実施し、手厚い株主還元を行ってまいりました。引き続き、無借金経営の強い財務基盤を維持していきたい。そう考えております。

売上構成比 |セグメント/主要顧客

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次に、顧客別構成比率です。取引先総数が増加し、課題としておりました一社依存体質からの脱却が、進展いたしました。ご存じの通り、当社はキヤノングループさまの(売上構成の)比率がほぼ60パーセント以上であったものが、今ではご覧の通り45.8パーセントというところで、徐々に比率が下がってきております。

また、ソニーグループさまならびに富士通グループさまとは、受託開発の案件が増加しております。ソニーグループさまにおきましては、放送機器向けやホームネットワークが好調なことに加え、新規分野でも積極的に開発に参画しております。

富士通グループさまは、業務系システム開発案件が品質を担保して、向上させる評価コンサルタント分野が拡大しております。また、その他のお客さまの比率が伸長しておりますが、これは既存取引先への営業や提案を強化したことに加え、日立グループさまなど新規顧客の開拓と深掘りが、大きく寄与しております。

売上構成比 |セグメント/契約種別

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次に、売上構成比率です。収益面に貢献した受託開発と派遣に分けて、ご説明いたします。

戦略として掲げている受託開発業務の拡大は徐々に進み、前期で50パーセントを超えてまいりました。受託開発案件は、チーム編成や時間管理などで柔軟な対応ができるため、人材の能力を中心に、社内のリソース次第で採算を管理できるメリットがございます。

取引先の状況|セグメント/新規顧客

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さらにもう1つ、収益面で貢献した取引先の状況について、ご説明いたします。

積極的な営業による効果……既存取引先の深掘りやM&Aによるグループ連携の相乗効果もあり、継続して取引先総数が増加しております。新規取引先について、4社ほどピックアップいたしました。

まず、A社さまです。新規サービスの開発案件に取り組んでおりまして、主にWeb系システム開発でございます。

次に、B社さまです。主に、海外子会社のシステム開発案件に参画しており、今後は国内での案件も開拓してまいりたいと考えております。こちらも、Web系のシステム開発となります。

次に、C社さまです。自動運転の交通サービスを展開されており、今回はシステムの評価案件を受託いたしました。C社さまは、自動運転のソリューションをやっております。当社には「第三者検証部隊」と言いまして、品質を評価する部隊がございます。そちらの要員を当て込んで、今は仕事をさせていただいております。

最後に、D社さまです。建設物のモニタリングシステム開発の案件に取り組んでおります。これは、IoTに絡めた案件でございます。

これらの企業さまも含め、新規の取引先だけで7億5,000万円の取引実績をあげており、当社グループの営業・提案・技術、品質・対応力などのすべての面で、高い評価をいただいております。

総括

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前期の総括です。

3つの戦略(がございます)。1番、新規技術分野への進出。2番、受託開発業務の拡大。3番、人材育成。これらを推し進めた結果、従業員一人当たりの売上高・利益率が改善いたしました。

一方で、PL・PMの育成が道半ばでございます。しっかりとしたプロジェクト管理体制を構築すれば、受注機会が創出されて利益率が改善しますので、継続して受託開発案件を増やし、プロジェクト管理の経験を積んでいく方針でございます。

今期の見通しと業績予想

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次に、今期の見通しでございます。

通期の予算ですが、連結の売上高は83億5,000万円。経常利益は、6億3,200万円を予想しております。

配当予想・株主優待

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続きまして、配当です。

前期(2018年2月期)末の配当は12円50銭とし、通期で24円50銭を予定しております。今期(2019年2月期)は中間・期末ともに13円00銭とし、通期で26円00銭を予定しております。

また、株主優待につきましては、従来どおり8月31日を基準日として、1単元以上10単元未満の株式を保有する株主さまには、500円相当のQUOカード。10単元以上の株式を保有する株主さまには、2,000円相当のQUOカードをお送りする予定でおります。

今期のトピックス①

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次に、今期のトピックスでございます。

1つ目は、自動車関連分野における取引強化でございます。日立グループさまでは、引き続き自動運転技術を中心に、組込みソフトに絡む案件に取り組んでおります。(資料右下のグラフを)ご覧の通り、売上高ベースでは前期比で3.3倍に伸長いたしました。受託開発業務での受注を視野に入れて、引き続き、積極的に取り組んでいきたいと考えております。

さらに、ほかの自動車関連分野の開拓・深掘りによって、同分野の技術も幅広く習得してまいりたいと思います。すでに(2018年)2月に、国内大手自動車メーカーさまとの直接取引が始まっております。

今期のトピックス②

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次に、外部委託先を積極的に活用した、収益構造の構築でございます。

現在、採用環境はますます厳しく、今後も有能な人材の獲得が難しい状況が予想されます。また、生産年齢人口自体が減少する中、社員数に依存しない収益構造を求められていることも事実でございます。

弊社では、これまで開発した製品・サービスの質を重視するがゆえに、外部委託先(パートナーさま)との連携には慎重に対処してまいりましたが、近々はパートナー企業さまの得意分野に応じて連携をとる開発体制を強化してまいりました。

さらに今期は、積極的にパートナー企業さまとの(委託・)連携を行って、ますます増加する取引先さまのニーズにお応えしてまいりたいと考えております。

また、外部委託に向けて開発業務を細分化したり、階層化する目線を養うことで、付加価値案件へ特化する能力を向上させたいと考えております。

今期のトピックス③

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(今期のトピックスの)3つ目です。

IT企業さまとの協業継続とIoT案件の育成でございます。これまでどおり、大手ベンダーさまとの強固な関係が継続しており、上流工程での評価系技術とPM人材が必要とされる案件が増加しております。

お客さま先で、「品質を強化したい」という要望が非常に多くなってきております。当社は、先ほども申し上げたとおり、「第三者検証部隊」という部隊がおります。開発の上流工程に、そのような評価要員を入れて、「どのようなテストをやったらいいのか?」「どうすれば、品質が担保できるのか?」とか、そのような検討から始めさせていただいている案件が、今は意外と多くございます。

さらに、IoT分野においては引き合いが急増しており、案件化に向けて、取引先との関係強化を構築している状況でございます。

解決すべき課題と今期の戦略

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最後に第3部として、解決すべき課題と今期の戦略について、ご説明いたします。

新卒採用を中心に、有能な人材の確保はおおむね順調に進んでおり、今年(2018年)の4月には47名の新入社員が入社しております。また、受託開発案件の拡大に伴い、社員から見れば幅広い技術に触れることから、技術力の向上に繋げてもらえるよう、指導教育を強化してまいります。

次に、マネージャー育成です。受託開発案件やプロジェクトを多数経験することで、PL/PM層の育成強化を進めてまいります。

販路拡大・パートナーの積極活用・収益(構造の)多角化に関しましては、トピックスでもご紹介したようなかたちで、引き続き積極的に対応してまいります。

これらの課題解決に向けて、今期の戦略は、第一に「受託開発業務」の拡大、第二に受託開発業務の拡大に伴って必要となる「人材の育成」、第三に「案件管理体制の強化」。これは当然のことですが、同時に選択と集中の観点で、深掘りできる案件や取引先には、リソースを積極的に投入してまいりたいと考えております。

人材採用とPL/PMの育成

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次に、課題である人材採用と育成戦略について、ご説明いたします。

採用面では、先ほども申し上げたとおり、4月一日(いっぴ)で47名の新卒採用を行うことができました。さらに、今は研修カリキュラムに取り組んでおりまして、将来を担う人材の育成を進めております。

2019年の新卒採用におきましても、多数の学生がエントリーしている状況ですが、引き続き厳しい採用市場が予想されます。我々は、インターンシップを中心とした学生への広報活動の強化、魅力的な説明会の実施や選考方法の見直しにより、質の高い優秀な人材の確保に努めてまいります。

次に、人材育成です。エンジニア全般については、ローテーションを推進することで、スキルの多角化や顧客とのコミュニケーション能力、さらには環境適応能力の向上を進めております。

プロジェクトリーダー(PL)やプロジェクトマネージャー(PM)の育成については、受託開発の受注拡大を通して、実践レベルでの教育訓練を強化してまいります。

ご覧のピラミッドの図のとおりですが、PLやPMのボリュームを増やすと、それに紐付く開発案件も拡大して、業務効率化が進みます。結果として、当社のグループの収益レベルを押し上げるといった期待ができます。

プロジェクト管理手法も同時並行で強化していくことで、採算と売上高拡大の両方を進めていきたいと考えております。

販路拡大・収益多角化戦略

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最後になりますが、販路拡大・収益多角化戦略について、ご説明いたします。

新規分野の顧客開拓につきましては、先ほどのトピックスでも触れたとおりでございますが、日立グループさまとの取引が拡大傾向にあるなど、おおむね順調でございます。

同時に、IoT分野での引き合いも急増しており、案件化に向けて、取引先の関係強化を進めている状況でございます。今後もスピード感をもって、積極的に展開してまいりたいと思います。

ここに書いてあるとおり、自動車分野、医療分野、航空・宇宙分野、金融サービス分野、ロボット分野といったところを視野に、M&Aを含めて、拡大していきたいと思っております。

すでに、自動車関連分野におきましては、先ほどの(ご説明にもあった)日立グループさまとの取引も開始いたしました。

医療分野に関しては「治験」と言いまして、薬の統計解析業務を、SAS(Statistical Analysis System)のプログラミング開発で行っている部隊でございます。

航空・宇宙に関しては、すでにメーカーさまと一緒にやらせていただいております。

ですので、このような分野も含めまして(業務分野の)すそ野を幅広くしていきたいと思っております。

以上で、第36期(2018年2月期)通期の決算説明会を、終了させていただきます。

質疑応答:「第三者検証部隊」について

質問者1:1点だけ、教えていただきたいです。品質保証の部隊(「第三者検証部隊」)がいらっしゃって、検証やテストをされていると思います。現状、どのぐらいの体制でやってらっしゃるのでしょうか? また、それは(検証の)専門部隊としてやってらっしゃるのでしょうか? 今の(御社の)ビジネス規模とかを教えてください。(他社でも)テストの専門会社はいらっしゃると思うんですけれども、(御社は)どのような感じでやってらっしゃるのでしょうか?

稲葉:(「第三者検証部隊」は、検証の)専門部隊でございます。人数的には、120人ぐらいの部隊でやらせていただいております。当社(の社員は)、連結で1,000名おりますので、そのような意味では(全体の)1割強ぐらいの比率の専門部隊として、品質を評価するという仕事をしております。

質問者1:「C社さんにそちら(第三者検証部隊)の要員を当て込んでいる」とお話があったんですけど、C社さんがやられている、自動運転絡みのソフトウェアの検証というイメージでしょうか?

稲葉:そうです。C社さまは、自動車本体ではなくて、それに付随するソリューションをやっておりまして。「そちらの品質をどうしても上げたい」というところで、当社にお声がかかりました。

質問者1:現在は、その部隊でどのぐらいの売上を上げてらっしゃるイメージですか?

稲葉:その部隊は、まだ前年度に立ち上げたばかりですので、(売上の)全体の比率的には、非常に低い数字でございます。これから伸びていくところでございます。

質疑応答:一社依存体質からの脱却に、弊害はあるか?

質問者2:1点、教えてください。新規顧客の顧客数について、非キヤノングループを増やしていく(一社依存体質からの脱却を図る)という戦略なんですけども、現状は非常に順調に進んでいる印象を受けています。

(新規)顧客数が増えることでの弊害……例えば、1顧客あたりの作業量なり手離れなりが悪くなるとか。そのような弊害は、現状で何か見えているんですか?

稲葉:今のご質問のご回答ですけども、新しい顧客先を増やしていくところでは、弊害はとくにございません。しかし、やっぱり手慣れたところのお客さまと(新しい顧客さまでは)若干、やり方も違いますし。実際にやってみて、ちょっと仕様変更も出てきたりもします。

ですので、そのような意味では、ちょっとやりづらい部分もございますが。先方にもわかるよう、こちらの意見をしっかりと言って、合意のもと仕様を詰めて、実際に瑕疵対応が起こらないようにやっているということで、とくに大きな弊害はございません。

最後に

司会者:ありがとうございました。会社さまから、もし何か追加情報がございましたら。

稲葉:はい。先ほども申し上げたとおり、当社は車載の分野……自動運転絡みなんですけれども、そちらを力を入れております。ですので、日立グループさまをはじめ、これからも車載に関しては、力を入れていきたいと考えております。

あと、IoTに関しても同様でございます。昨年度、ユビキタス社から事業譲渡を受けましたので、そのような分野にも進出して、成長していきたいと考えております。

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それでは今後とも、「技術で社会に貢献する。」という方針のもと、役員・社員一同、一丸となって企業価値向上に邁進してまいりますので、引き続きご愛顧のほど、よろしくお願いいたします。ご清聴、ありがとうございました。

記事提供:ログミーファイナンス

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