仮想通貨事業者は危ういのか。不透明さがぬぐえない「みなし事業者」って何?

みなし事業者が生まれたきっかけは「改正資金決済法」

2018年1月、仮想通貨取引仲介事業者(以下、仮想通貨事業者)大手のコインチェックにおいて、外部からのハッキングにより、仮想通貨の一種である「NEM(ネム)」約580億円が流出するという事件が起きました。

現在も報道が続いていますが、その中で「コインチェックは、みなし事業者」という表現をよく見かけます。この「みなし事業者」とは何なのでしょうか。

理解のためのポイントになるのが、2017年に施行された「改正資金決済法」です。同法の施行により、金融庁が監督するとともに、仮想通貨事業者に登録制が導入されました。

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銀行や証券会社は免許制で、厳しい運営や管理が求められます。ところが仮想通貨事業者はそのような規制や法律がなく、どんな業者にも事業が認められていたのです。

このため、中にはマネーロンダリング(資金洗浄)対策やセキュリティ対策に不安がある業者、さらには投資家から預かった資金を自社の経費に流用している業者など、仮想通貨事業者としてふさわしくない業者もありました。

「改正資金決済法」の施行にあたっては、仮想通貨事業者の要件が厳しく設定されました。しかし、法の施行前から運営している事業者が登録申請中は、みなし事業者として営業を認めることにしました。

1年たっても半数のみなし事業者が審査を通過できず

スイス、フランス、ドイツなどでは仮想通貨事業者は免許制になっています。それに対して日本が登録制としたのは、規制を緩くすることで新規参入をしやすくし、市場を活性化する狙いです。

背景には、政治家や仮想通貨事業者などからの強い要望があったとされます。同法の施行により、日本ではビットコインなど仮想通貨で決済ができる店舗が急増しました。

さらに、2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックでのインバウンド決済需要に応えることができるようなインフラが整備されれば、名実ともに日本が世界の仮想通貨市場をリードすることができます。

ところがコインチェックの流出事件により、そのもくろみは早々に崩れました。さらに露呈した課題は、同社をはじめ、仮想通貨事業者側の取り組みがあまりに遅いことです。現在、国内の仮想通貨事業者は32社で、そのうち登録事業者が16社、みなし事業者が16社となっています。

つまり、登録制導入から1年以上が経過しても、業界全体の半数が依然として審査を通過できていないのです。コインチェックもみなし事業者のままでした。

仮想通貨事業者が儲かる”カラクリ”

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