ソフトバンク・テクノロジー、減収減益で着地 FY18はクラウドサービス伸長で利益率改善を図る

2018年4月26日に行われた、ソフトバンク・テクノロジー株式会社2018年3月期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。IR資料

スピーカー:ソフトバンク・テクノロジー株式会社 代表取締役社長 CEO 阿多親市 氏

連結 2018年3月期業績(前期比)

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阿多親市氏:おはようございます。ソフトバンク・テクノロジーの阿多でございます。本日はお忙しい中、弊社の決算説明会にご来場いただきまして、誠にありがとうございます。今から資料を使いまして、昨年度の決算内容ならびに今後の方向性について、申し上げます。

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まず、業績概要でございます。すでに昨日(2018年4月25日)リリースさせていただきましたように、売上高は491億円で、前期比で申しますと2.2パーセントの減収です。営業利益においても21億7,600万円で(前期比で)2.9パーセント減益という内容でございます。

連結 サービス別売上高

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(売上高の)中身でございますけれども、サービス別(でご説明します)。主要な3つのサービスがございます。プラットフォームソリューション、クラウドシステム、デジタルマーケティングと分けてございます。

(スライドの)下からいきまして、デジタルマーケティングは、堅調に推移しています。

(中央の)クラウドシステムにつきましては、前期比17.3パーセント増で、ここも狙い通り伸びてきております。

ただ、(一番上の)プラットフォームソリューションは、前期比で33億円のマイナスでございます。

今から3つのスライドで、売上高の中身を見てまいりますが、(こちらのスライドでは)このプラットフォームのところが、前期から大きく下がっていることをご覧いただきました。

連結 形態別売上高

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その次に、形態別売上高です。

(スライドの下からご説明すると、まずは)デジタルマーケティングの主要な部分を含めます、EC販売です。ここは(前期とほぼ)そのままでございます。

運用・サービスにつきましては(前期比で)13パーセント伸びて、開発が若干減っています。

そして、機器販売が24億円のマイナスになっています。

連結 顧客別売上高

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もう1つ(の売上高を示したスライドは)、3つ目の顧客別でございます。

(スライドの下からご説明すると、まずは)個人向け販売です。先ほどと同じく、EC販売あるいはデジタルマーケティングの主要な部分でございます。こちらも、ほぼほぼフラットで続いています。

(中央の)法人・官公庁の売上が、プラスマイナスゼロです。

(一番上の)SBグループ向けの売上高が(前期比で)10億円減っています。

減収要因の1つは、機器販売です。

昨年の第1四半期・(2017年)6月末をもって、サーバーの販売を停止いたしました。これは、長年ずっと続けております、私どもの事業の1つでございます。主に、ヤフー(株)のデータセンター向けのサーバー販売です。

過去において、いくつもの海外サーバーを検証して(その結果)ヤフー(株)に導入するビジネスをやってまいりました。しかし、ここに対する私どもの付加価値の付け方(を考えました)。

初期に導入する際においては、相当な努力をして、そして実際にそのデータセンターに合うような仕様する。そして、その後は納品・保守をしていく作業があるわけです。

その納品をした翌年ぐらいには、すでに継続的に付加価値をつける方法が、どうしても出てこなかった。そうしますと、利益率は格段に下がってまいります。

1つの種類のサーバーで、(当社に付加価値がある期間が)だいたい最長で3年でございます。変化も激しいですし、また利益も非常に取りにくいビジネスです。そのため、会社リソースをハードウェアの販売から、(利益率が)より良いクラウドへということで、(データセンター向けサーバーの販売を)停止しようと。

これは、昨年度の事業計画を立てた時点で、「(ハードウェア販売の付加価値は)まだ今年1年は持つな」と思っていたのですけれども、想定以上に第1四半期で利益率(当社の付加価値)が低下したため、「本当に(データセンター向けサーバーの販売を)やめよう」ということで、6月末にやめました。

結果として、昨年度においては、通例ある(はずの)売上高の20億円強が失われることになる。その時点においては、2016年度が500億円の売上高でございましたので、そこから今回20数億円失ったとしても、(業績予想の)520億円はキープできるだろうという目論見で、上半期ならびに第3四半期までのところは、堅調に推移しておりました。

ただ、第4四半期に、(公共分野において)いろいろとご提案・見積もり等をさせていただいた多くの案件がございました。しかし、これらについて昨年度の実施(受注)はないということを最終的に決定されたのが、(2018年)2月上旬と認識しております。

これにより、当然(当該分野で見込んでいた)売上高は上がらず、事前準備の費用もシステムの構築費の中に入る原価としてカウントされずに、費用として処理せざるを得ない状況となりました。

(公共分野における)対前年度の売上高の差は、だいたい16億円です。これらの結果、トップラインが(520億円まで)いかなかったということでございます。

連結 限界利益

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限界利益でございます。ハードウェアの利益率は非常に低く、それを3四半期分は出荷しておりませんので、(減収となりましたが)逆に限界利益率は改善しており、限界利益額も増加しています。

ただ、2016年度から続いております3か年計画の中で、いろいろと人を教育・採用していかないといけない。それにより、人件費等が大きく伸びていることから、残った営業利益は、残念ながら対前年減益になりました。

連結 営業利益の前期比

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営業利益の前期比でございます。

減収によるマイナスが2億7,700万円。限界利益率の改善によるプラスが11億5,500万円。固定費が9億4,100万円。結果として、21億7,600万円になりました。

連結 貸借対照表の前期末比

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貸借対照表は(ご説明を割愛して、こちらのスライドを)ご覧いただくだけです。

単体 受注残高(ECサービスを除く)

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次に、受注残高でございます。

2017年の3月期において(申し上げたいことは)、それまでの3年間開発を続けてまいりました、農地(向け)のプログラムです。全国農業会議所様からご発注いただいている農地のプロジェクトの運用費用を、5年間(の運用で)受注させていただきました。これが、大きく受注が上がったタイミングでございます。この5年間で約50億円が、(1年で)10億円ずつ消化されているというイメージで、取っていただければと思います。

その分の10億円が(このグラフで)減っていないのは、ほかの運用ビジネスの受注があったということでございます。それから開発関係も、(申し上げたいことは)大きくは公共案件のところです。今期はギリギリのところで、予算が施行されなかったということがございました。

(スライドの)右側の顧客別受注残高をご覧ください。(グラフの)一番下の公共が、単純に(2017年3月期末から)約10億円減っているというかたちであろうかと思います。その他のエリアについては、昨年とほぼ同様という状況です。

連結 採用・技術教育

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採用関連でございます。

昨年(2017年)3月末におけるグループの(連結)従業員は全体で970名で(前年から)それほど伸びていません。本日(2018年4月26日)現在は1,016名です。新入社員の40数名を含んで1,000名を超えているという状況で、ご報告させていただきました。

あとは、力を入れている上級IT資格数は、プロジェクト・マネージメント・プロフェッショナル(PMP)取得者が(2017年度の)3月末で136名で、対前年で33名増えています。

それ以外にも、とくに今回は、セキュリティをサービス化するため、PMP以外にも(社員にセキュリティ関連の資格を)取っていただいています。また、クラウド向けのエンジニアの資格も取ってもらっています。このグレーの(グラフの)中に含まれております。上級エンジニアに向けて、社員に勉強してもらった成果でございます。

業績影響トピック①

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先ほど来から(お話ししているように)、なぜ売上が出なかったか? なぜ利益が出たのか? 言い訳はともかく、私の力不足でございます。ただ、分析をしないと「次にどういうことがおきるのか?」ということだと思いますので、ここで4点にまとめて、ご説明をさせていただきたいと思います。

まず1点目は、上期の(2017年)10月の決算説明会でもお話ししましたが、2016年度に「自治体セキュリティクラウド」を、24県に提案して、4つの県で受注をいただくことができました。

その(4つの県の下にある)実際の121の各市町に対するインプリケーションが、2017年度の第1四半期、4月から始まったわけでございます。本来、その下にある市町のインターネットのネットワークをすべて県で統一して、そして安全にインターネットとのコミュニケーションを始められるのが「情報セキュリティクラウド」でございます。

この県の下にある各自治体については、(本来は)各県の指示でそれを(当社に)つなぐということでございますが、実態的には、この121市町から個別に当社にご連絡がありました。それに一つひとつお応えしながらやっていかなければならない作業が、2017年度の第1四半期・第2四半期という半年間(発生しました)。

半年間でなんとか収拾することができたわけでありますけれども、その間の持ち出しの分が、下の部分(構築フェーズ)だけで1億円以上持ち出しをしている。これが、業績に影響を及ぼしました、というお話をいたしました。

2つ目は、第2四半期に差しかかる(2017年)7月でございますけれども、当社のサーバーの中にマルウェアが仕込まれているという事実が発覚いたしました。1週間、社内で全部調査の上、公表することにしました。

自社内にも、セキュリティのプロフェッショナルが数多くおりますので、自社内での確認はすべて済んでおりましたが、「自社で問題を起こした会社が、『自社内(の確認だけ)で大丈夫だ』と(外部に対して)言うことで、果たして済むのか?」という議論が毎晩のようにございました。最終的に発表して、第三者機関の調査を受けることを選びました。

幸いにして、1週間も経たない間に、「外部漏洩の可能性は、まったく認められない」というご判断をいただいたわけでございますが、一度でもこういうことが起きますと、徹底的に棚卸しを行って、完全にクリアな状態を作らなければいけないということで、8月の1ヶ月間、ほぼほぼ営業活動は停止をさせていただきました。

お客様への説明ならびに社内の情報資産の棚卸しに、1ヶ月と1週間を費やして、8月30日に安全宣言を出させていただいたのが、昨年度のセキュリティインシデント対応のトピックでございます。

これに関わる費用は、当然内部から出ていきます。それ以外に、この8月のタイミングという時期で1ヶ月を逃してしまったのは、その後の受注活動等に影響がありました。(それでも)幸いにして、「もうこれで、取引をしない」と言われたお客様は、ただの1社もございません。

そういう意味においては、営業諸君にたいへんがんばっていただいているということだと思います。今後のクラウドビジネスを考えたときに、セキュリティサービスはなくてはならないものでございますので、この1ヶ月で(対応を)集約できたのは、不幸中の幸いではありました。しかし、起こしてしまったことについては、深く反省をしております。

業績影響トピック②

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(業績影響トピックの)3つ目でございます。単体につきましては、昨年をわずかながらも超えることができたわけですが、今回問題が襲ったセキュリティクラウドの件、あるいはセキュリティインシデントの件以外に、子会社におきましても、大きく減益をする事象が発生しました。

私どもは、SBT単体……今回はエンタープライズのお客様、(売上高が)3,000億円規模の企業のお客様を中心に、お互いに学ばせていただいて事業・クラウド化を進めていく作業をやっています。

もう少し(事業の)サイズが小さい、中堅のお客様に向けたSIの子会社がございます。2016年度においては、営業利益に大きく貢献をしてくれた会社でございますが、2017年度においては残念ながら、お客様との行き違いといった中で、今度は大きく赤字に転落してしまったということです。(前期比でみると、それによる)プラスマイナスで、1億4,000万円ほど、ここでは乖離が発生してしまっている(ということです)。

それから、もう1つは、サブスクリプションのビジネスをやっておりますフォントビジネスの会社が、3月に最大の売上を示します。

フォントライセンスの物理的な出荷を行っておりましたが、その仕組みを、今回からダウンロード販売も新しく始めております。

ですので、4月1日から(使用が)有効なものは、3月に出荷する必要がなく、4月1日にダウンロードをアベイラブルな状態にすればいいということになります。こちらも対前年という意味においては影響がありました。

これは、(業績への影響を)わかっていてやっていることですが、今期はそういうことをしなければ少し違う(はずだ)ということで、見ていただければと思います。

最後は、先ほどから申し上げている、公共ビジネスでございます。本当に不勉強でしたが、「補正予算がだめでも、本予算に」と思っていたのですけれども、補正で組まれているものは(そのまま)補正になるということです。今期の実現につきましても、ご提案は申し上げておりますが、補正(予算)のタイミングにならざるを得ないのだなということを、学ばせていただいたということでございます。

また、情報セキュリティクラウドについて、(それでは)当然十分とは思えないところが、いろいろと出てきております。それが、最終的に国からのお金になるのか、それとも県の予算になるのかというのが、今のところ(私は)正直見えておりません。

しかしながら、現実問題、(「自治体セキュリティクラウド」を導入された)、4つの県の121市町が、県にあるゲートウェイを通ってネットワークから出ていくわけでございます。そうすると、バックボーンの太さを、どの県においても再検討しなければいけない問題として上がってきているというのが、私の理解でございます。

ですので、どうしてもすべての市町が県のゲートウェイを通して、そこから(しか)出ていかないという方策を取った以上、そこのバックボーンを考えないとならないというのは、すべての県が持っている問題だろうと認識しておりますし、私どもにとってもそこはビジネスチャンスであろうと思っております。

(業績影響トピックについて)4つ、時間をかけて申し上げましたが、このようなことを二度と起こさないように細心の注意を持って、それでいて大きなビジネスチャンスに、果敢に挑んでまいりたいと思っている次第でございます。

連結 2019年3月期通期業績予想

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2019年3月期につきましては、昨年度に掲げた目標を完遂させていただきたい。これを掲げさせていただいて、確実に(事業の拡大に向けた人材強化と)投資をしていきたいと思っております。

第2次3か年計画「基本戦略」

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続きまして、「第2次3か年計画」ということで、2016年の頭に、「3年をかけて、こういうことをやろう」と立てた目標がございます。それについて、ちょうど2年が経過いたしましたので、ご報告を申し上げたいと思います。

掲げた目標というのは、この3つでございます。

1つ目は、その前の第1次(3か年計画)で培ってきた、クラウド・セキュリティ・ビッグデータを、すべてクラウド上に展開していくこと。当社は、クラウドのソリューションを出す会社だと。既存のお客様は別としまして、「新規のお客様は、クラウドでなかったらご提案しない」ということをやってまいりました。これが、1つ目です。

2つ目は、IoTが運用できるのかどうかわからないというのが、約2年前の状況でございましたので、どのように、これをビジネスとして立ち上げるのか。当社SBTにとって、貢献できるビジネスモデルを模索していこうというのが、2つ目になります。

それから、3つ目。この(スライドの)下のところにありますが、「お客様のビジネスパートナーへ」。

当然当社は、みなさまに「ITパートナー」だと思われていますし、SIerだと思われています。今後のコンピュータを考えたときに、ビジネスラインが持っている予算の中から、ITに振り替わっていくものが確実に出てくるだろう。そのような意味では、事業ラインとの距離感をちゃんと詰めていかないと、今後の当社の発展はないと思いましたので、(基本戦略として)この3つを掲げさせていただきました。

クラウドへの集約:コラボレーション基盤の知見を蓄積

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まず初めに、クラウドへの集約。これは、6年前からずっと変わっていません。これからクラウドに移行していくためには、まずコミュニケーション基盤から。その次に、グループで働けるような基盤を表(クラウド)に出してくる。最新のデータはマーケットにあります。最新のデータは営業が持っている。そして、スタティックなデータは奥の院に入っている。

このことによって、最新のデータを更新する際に、奥にある販売のデータあるいは顧客のデータのようなものが、表(クラウド)に引きずり出されてくるだろうと。それを堅固なものにしていくためには、このSTAGE2(コラボレーション基盤)も、果敢に挑戦していかなければいけない。そして、この成果が出たところが、そのままSTAGE3……基幹システムの一部ずつを切り取りながら、クラウド化に移行してくるだろうというのが、(クラウドへの集約の)シナリオでございます。

私は、よりシナリオにご賛同いただけるお客様と(事業を)一緒に進めていきたいというお話をいたしました。このエリアにおいては、徐々にITのプロフェッショナルの方から、事業の現場の方にお話が移ってまいります。

これまでの各会社のIT部門の方にご理解をしてもらって、我々ITパートナーはそれを実現するというものから、事業の方々から、「このようなことで困っている。(解決するための)お金はある。『クラウドはすぐ(対応が)できる』と聞いているのに、いつまでたってもできない」そういうリクエストに我々が関わってお話をしていくためには、コンサルティング力が必要になります。

今、私どもは、プロジェクトマネジメント力をドンとつけていこうとしています。いわゆる、命題がはっきりしたときに、フェーズを分けて、確実にプロジェクトをこなす力を培ってまいりました。

クラウドへの集約:蓄積した知見の収益化

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この次のステージで必要になってくるものは、本当に事業ラインが流していることを、ITに置き換えてご提案できるようなコンサルティング力です。

当然、STAGE2あるいは私どもの第2次3か年計画においては、まずPMPの質を鍛えることが重要なわけでありますが、このエリア(コンサルティング)の必要性が、徐々に増してきているという状況でございます。そして、そういうプロセスをやっていく中で、いくつかの資産が出てきました。これは、そのままパッケージで販売しても、お客様が自分でコントロールできるようになってきたツールです。

あるいは、我々の中で二重開発・三重開発する必要がない、使い回せるプロセスです。そういったもの(資産)がでてきました。そういったものを、外売りをしてまいります。実際に、今のクラウドの移行のニーズは、とても私どもだけでは応えきれない。ですので、現実的にタイミングが合わないところについては、ご辞退申し上げるというようなことが、非常に数多くあります。(案件が)10件あって(受注できるのは)3件です。あとは「申し訳ないです」という話になってしまいます。

もっとお客様のご期待に応えていくためには、2つの方法があります。僕らがもっと効率良く回す方法です。(もう1つが、プロジェクトにおける)ミッドレンジの詳細の設計・詳細のコーディング、そして単品のテスト、このようなものの工程をパッケージ化して、外の人にお願いすることです。

基本的には概要設計・受け入れテストという大きなところをやらせていただいて、その分、パートナーの方々にここ(詳細設計・開発・テスト)をやっていただく。あるいは、外部の方に丸ごとお願いする。そのために使うツールはこれです(とお願いする)。そうしないと、5人/月で済むところが、20人/月や30人/月の見積もりをしたのでは、実際のお客様のビジネスは実現できない。

こういう中から、このプロセス資産をパッケージ化したものを販売していく。ただ、その販売をして、売っておしまいではなくて、その後確実にリカーリングのビジネスがついてくる仕組みでの販売を、考慮しなければいけないと理解しています。

クラウドへの集約:MSSの推進による収益強化

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これの1つのティピカルな例が、MSSでございます。「マネージド・セキュリティ・サービス」でございます。今やいろいろな意味で、当社の専売特許ではなく一般的な用語になっていますので、ご覧いただければと思います。セキュリティの解析のセンター、SOC「セキュリティ・オペレーション・センター」と申します。

この中で、いろいろなマルウェア等を解析しているということが、この1年間において121市町村分で、一気に実現することができました。これは、現実問題としてすごくたいへんな労力・コストがかかっているわけです。その中に、我々のノウハウやナレッジベース、そのようなものが、だいぶできてきました。

そのような中には、いろいろな機器があります。セキュリティの機器は、今統一されていません。どこどこの機器がいい、McAfeeの機器がいい、Symantecの機器がいい、FireEyeがいい、あるいはパロアルトネットワークスがいい。アメリカの会社は、ベースがイスラエルというケースも多いですけれども、そのような会社が、「我こそは、このエリアで一番強い」と。(しかしながら)そのエリアだけでは、セキュリティを守れないわけですから、いろいろなものを組み合わせて入れておく必要があります。

私どものマネージド・セキュリティ・サービスは、いろいろなものに対応していないとだめだということで、(スライドの)右側に(カバレッジ対象が)8つほどございます。8つの分野における、機器に対してのログの分析、あるいはスレッドの分析と言いますけれども、それができるようにやってきました。

手作りでやってきた中で、この半年をかけてAI化できないか、クラウド上にナレッジをためて、学習できる機能でどんどんやっていかないと(いけない)。1社に2人、3人とついていたのでは、とても回らない。ですので、これを集約的にAIでできる基盤を、この(2018年)4月にカットオーバーさせていただくことができました。5月から、これを展開していきます。

現在、私どもはこの121市町村を含めて、150社のお客様のマネージド・サービスをさせていただいています。AIのキャパシティは400社ということで、第1フェーズを作っていますので、これを一気に広げていきたい。これを販売するのに、私どものSI的にはコンペティタであるかもしれませんけれども、そのような会社に、私どもがお断りしたクラウドの案件が流れています。

ただ、クラウドの案件は流れていますけれども、セキュリティやネットワークまで(対応が)できるSIerは、非常に少ないです。そういう意味で、そのようなみなさんに対して、このサービスを卸していく。実際に卸し始めて、この4月1日からスタートしているものが、もう4、5件あるという状況です。よりこなれた状況で、この私どものノウハウ、そして継続的なセキュリティサービスを、拡販していきたいということでございます。

IoTビジネスの開発:方針

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次に、2つ目の命題であります、IoTビジネスの開発です。IoTビジネスの「どこを」「誰が」「どこまで担当するんだ」ということを、しっかり手分けをしてやっていかなければいけないということです。

(スライドの)左側がいわゆるデバイス、右側がクラウドだと理解をいただければと思います。デバイス側におきましては、サイバートラスト社とミラクル・リナックス社を、昨年(2017年)10月に合併させました。それぞれ、組み込みのミラクル・リナックス、そして証明書(のサイバートラスト)といったものを1つの会社として、ソリューションとして販売・開発をしていく会社に、この4月から生まれ変わっております。

私自身は半年間、その子会社の社長を務めさせていただきました。中の人事制度(をはじめとして)いろいろな制度が違います。非常に硬い認証局のサイバートラストという会社と、オープンソースという(ミラクル・リナックスの)文化と融合させながら、「結局なにが大事で、どういうゴールに向かうんだ」という話を、この半年間一生懸命やってまいりました。

この4月1日で社長を交代させていただいて、このサイバートラストという会社は現在、SBTの持分で70パーセント弱の株式を持っております。ただ、位置付けとしては、キャリアにとらわれない、メーカーにとらわれない。そういう位置付けで、ニュートラリティの高い会社として、世の中に貢献したいと考えています。

「いろいろなところにいろいろな証明書があって、結局互換性がない」なんて話は、IoTの世界では煩わしいだけだという意味では、このサイバートラストという会社の証明書、あるいは組み込みの技術、あるいはアップデートの技術、そういったものが標準になってほしいという思いで、この会社を作りました。

IoTビジネスの開発:デバイスサイド

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デバイスサイドは、昨年(2017年)の10月にもお話をしましたが、セキュアIoTプラットフォームで、チップに鍵を埋め込み証明書を読み込んで、証明書を確認しながらアップデートモジュールを入れる。

最終的な廃棄の際は、証明書を使えなくすれば、もうネットワークにはつながらない。そうすると、IoTのワールドには悪さはしないということになるのが、セキュアIoTプラットフォームです。

この考え方は(スライドの)左側の各IoTのレイヤーという切り分けの中、総務省がご発表なさっているレイヤーでございます。それに合わせたかたちとして、まだ日本国内には、(グローバルの基準を満たしている)認証局が2つしかありません。

サイバートラストが運用する認証局ともう1社です。この2つが、今後鍵として採用されながら、日本のIoTを進めていくだろうと。もちろん日本だけじゃなくて、海外とのアライアンスも必要になってくると思います。

参考:SIOTPの第三者認証局連携機能

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これは一昨日(2018年4月24日)に、ニュースリリースをさせていただいた、「Arm Mbed Cloud」。いわゆるIoT機器です。そのようなものに対する認証の仕組みの、サイバートラスト社の認証局がサポートすることを、発表させていただいた記事でございます。

IoTビジネスの開発:クラウドサイド

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クラウドサイドは、おそらく多くの方が疑問に思っておられた(と思います)。「各IoT機器・デバイスが、ダイレクトにつながる」と、去年まで言っておりました。

ちょうど1年前ぐらい(2017年)でしょうか。「それだけでは、やっぱり無理だ」と。エッジコンピューティングが必要だとなりました。これは、コンピュータの歴史がずっと繰り返している通りのお話です。「大型機に1回集約するぞ」って言って、やっぱりローカルにサーバーを置くなりなんなりしないと、結局手が合わない。

ただ、大きなコンセプトとして、エッジコンピューティングが持ち出されたのは、たいへんみなさん腑に落ちやすい、導入しやすいお話になります。

車で言いますと、車が自走している以上、「インターネットからメールがきて、ハンドルが切られる」なんてことは、ありえないことです。ローカルにしっかりした頭脳・インテリジェンスがないと、当然自動運転はできないわけです。

それだけではなくて、例えば工場。私どもは製造業の方とのお付き合いが多いわけですが、製造業のインフラが古くなってきておりますので、工場のリニューアルがけっこう盛んにされています。

その際に、工場の中に、ある程度のコントロールするものがないとだめ(ということです)。ただ、「1つの工場の中に、インテリジェンスを持つサーバーを入れる」と言うと、ものすごくカスタマイズした、外に通用しないようなものになってしまう。

それを、クラウド側で支えるAIエッジ。クラウド側で設計したもののサブセットを工場側に入れると言うのが、このエッジコンピューティングにあたります。

この考えをご説明させていただいて、建設会社側ともお話をさせていただく。建設会社さんの提案資料の中に、こういうクラウドエッジ・IoTエッジを入れることによって、今までよりも比較的短時間で、中のシステムをIoT化していくことができます。

当然その中には、各機械が入っております。製造機械に対しても、IoTは進んでまいります。(例えば)製造機械が持っているセンサー。製造機械が持っているいろいろなデータをクラウドエッジに入れて、クラウド側に投げるものもあります。

コンマ1秒100ぐらいのデータを全部クラウドにあげると、今度は逆に大きくなりすぎることもありますので、そういう短時間のデータについては、ローカルのエリアの中で、ある程度処理をしていかないといけないことが起きます。いろんな提案の過程を提案していただいています。

私たちが目指す「ビジネスパートナー」に向けた取り組み

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最後は、ビジネスパートナーでございます。

(2017年)10月にも進捗のお話をいたしましたが、1つの営業方向です。昨年の4月から9月末まで、20社しか担当しないといたしました。その20社からのご相談には、どんなものでも答えようと。(ご相談は)クラウドに関するものですけれども、例えそれが100万円に満たないオーダーのものであっても、答えようと。

20社に対してやることによって、おかげさまで毎月毎月SBTの技術メンバー・営業・お客様のCIOと、その下のIT企画の責任者、あるいはエッジの方々。そういう方々と、ずっと月例会議をすることができました。これを、10月からもう少し広げていこうと。四半期に1回でいいから、その次のレイヤーの方々とやっていこうと進めております。

大企業では、ITの部隊が、(部署員数が)1,000人いるところもありますが、100人に満たないIT部隊が数万人いる社員を見ているケースもあります。100人に満たないようなIT部隊では、いろいろなオーダーが現場から出てきた時に応えるのが大変です。

基幹システムと全社共有システムについて、IT部門に予算と実行の計画があるのですけれども、現場ではいろいろなことが起きています。

例えば、電鉄の会社でも、乗務員管理の仕組みを作ってくれないと(困る)。いつまでもエクセルや表でやっているわけにはいかない。あるいは、販売管理のところにおいても、いろんな仕組みが全部回っていて、全部を統合した流通にすることが、なかなかできない。(このような)いろいろな問題が起きている。

ITの予算をもともと持っていなかったのですが、「全体の事業予算の中から切り出しても、やったほうがいい」というご意見をいただけるようになっていきたいというのが、(私たちが目指す)「ビジネスパートナー」(に向けた取り組み)でございます。

このビジネスパートナーとしての、最初の企画の段階。そして、要件定義を行う。いよいよ構築して設計といったときに、コア・パートナー制度(というものがございます)。昨年度は34社の方々と結ばせていただきました。2016年度のタイミングでは、ピーク時に約950名のサブコントラクター・エンジニアの方にお願いしていて、34社で40数パーセントしかカバーできていないという状況がありました。

2017年度は、2018年3月において、1ヶ月のサブコントラクターの方々は1,140名でございます。この1,140名の中の50パーセント強において、24社の会社様にやっていただけているという状況です。

もう1つわかったことは、彼らの要望は「エンジニアを育ててほしい」ということです。私どもは(2017年)10月から、毎月10名前後ですけれども、エンジニアの方のうち「今まではずっとJavaでしかやったことがない」「C言語でしかやったことがないよ」という方に、「今後クラウド上で(システムを)開発するためには、この言語を使ってください」ということで、1ヶ月から1ヶ月半ほどお給料を支払いながら、彼らに学んでもらうことを、この半年間続けてきました。

今年(2018年)も、もっとやっていかなければいけないだろうと認識しております。

そのようなエンジニアの人に、この真ん中の工程(要件定義・導入)のところをしっかりと理解してもらいながら、「SBT Way」というものをわかってもらいながら、進めていただければ、当然事故も起こりにくいですし、考え方の違いも起きてこないと思っています。

最後は、運用のご説明です。以前にも一度お話ししたかと思いますが、大手のお客様は、予算の多くの運用に支払われていらっしゃいます。年間予算のおそらく70パーセントぐらいを、既存ベンダーに対する運用費として支払われていらっしゃいます。

その運用費というものは、オンプレミス……すなわち、データセンターの中にあります。クラウドに(データが)出ていくということを、彼らは嫌います。(クラウドに)出ていくと、ある意味、今までの運用費がもらえないからです。

ところが、クラウドに1つや2つ(データを)出したからと言って、オンプレミスの運用予算は減りません。なぜかと言うと、何百というシステムを見ている中で、「3つや4つ(のデータが)出ていきました。私たちは3つ4つ(の運用)を今作っていますので、3つ4つ(分の)運用費をください!」と言うのですけれども、そのお金はどこから出るのだと。

200もあるオンプレミスのシステム運用費は、1つのシステムでいくらかなのかは、わかっていない。(予算は)総当たり・丸抱えになっているわけです。

これをこちら側(24/365運用監視センター)に移していくには、(費用が)ゼロで済むとは、誰も思っていないです。24(時間)×365(日)ですから。ただ、通常の人月単価のコストが(運用センターの使用によって)かかるとも、考えにくいです。

そのような意味では、絶対にAIしかないだろうと。そのため、先ほどのセキュリティに続いて、ここにもAIシステムを、1年ほどかかりましたけれども、昨年作ることができました。これによって、ここ(運用)の部分のコストダウンも図れますし、お客様に対して「低価格でクラウドに移行できる」という提案ができます。

そのようなことを、ひたすらやってきた1年でございます。以上が、(第2次3か年計画「基本戦略」の)3つのテーマでございます。まだ今年度は、投資をしていかなければいけないエリアがございます。

さらなる成長に向けた投資

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とくに働き方改革の中では、いろいろな施策をやっています。どうしても、SE(のイメージ)と言いますと、「3K」だと……「きつい」「汚い」「給料が安い」ですか。そのような感じになっています。それに対して働き方改革をしないと、優秀な人材は入ってこないし、優秀な人材は長続きしないという現実がございます。

コアタイムがあるフレックス制度……「11時から15時までは、会社にいてね」というものが、標準なのですけれども、(それに対して当社は)コアタイムはまったくなし(のフレックス制度)です。夕方16時に出社して、20時まで4時間働く。4時間働いたら、(そのまま)4時間働いたと見なす。どうしても夜中に(対応しなければならない)という場合は、夜中に(会社に)来て、その(必要な)時間働けばいい。

そのような、非常にフレキシビリティの高い「スーパーフレックス」と言いますけれども、仕事の状況に合わせた(仕事の)やり方を採用しています。プロジェクトの終盤だと、たいへん残業も増えますし、だいぶ(心身が)参ります。プロジェクトが終了したら5日間の長期有給休暇を取るような制度も作りました。

それから、「給料が安いじゃないか」というような声がございます。私がこの会社に来た2012年の4月の頭ごろの(平均)給料が、年間で535万円ぐらいだったと思います。今年(2018年)の4月は、晴れて(年間で)700万円を超えました。

これを1つの目標としてやっていくならば、やはり上流に出ていかなければならないし、自動化にチャレンジしないと、この給与水準の仕事にはできないよというところは、社員と話をしているところでございます。

残業につきましても、「残業し放題」というところから変わって、2年前(2015年度)の41.8時間から、2017年度は27.7時間というところまで減ってきました。「1つの目標として(残業時間が)25時間とイメージして、効率よく働こう」と話をしています。

大きく成長するために

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最後のページでございます。2012年に社長に就任してから、この(グラフの)ような経緯で、営業利益が推移しています。今は、第2次3か年計画の途中でございます。2019年度に(営業利益で)33億円ということは、社員にも約束しておりますし、外部に公表もしております。ここに向けた準備を、着実に進めていきたいと思います。

我々が今(例えば)10件ご相談していただいても(数件は)お断りしないといけないという状況を、もっとPMP(プロジェクト管理の国際標準資格)のスキルを上げて、そして中間工程を、先ほど申し上げたサブコントラクターの方々にちゃんと任せながら、カバーしていくコア・パートナー(制度)をとっていく。自動化したビジネスを、もっともっと増やしていく。

これらのことから、2019年度の(営業利益)33億円に、ぜひチャレンジしていきたいと思います。そのステージにおいて、これがゴールだとは思っていないのですが、まずは(営業利益で、2013年度から2015年度に)10億円台から20億円台、その次(2016年度から2018年度に)30億円台になると。そのように進めていく所存です。

ちょっと長時間になりましたが、ご説明とさせていただきました。ご清聴、ありがとうございました。

記事提供:ログミーファイナンス

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