いくら姑との仲が良好といえども、なんでも頼りにしすぎるとトラブルや揉め事の原因になる場合があります。姑に頼めること、頼めないことの線引きをしっかりしておくことが、上手に甘えられる「可愛い嫁」の条件だと言えるかもしれません。この記事では、「ここまではさすがに頼んじゃだめだった…」という案件を、体験談とともにご紹介しましょう。

職場復帰することになったけど・・・

2歳の女の子を持つA子さん(32歳)。3年のブランクを経て職場復帰することになりました。再び仕事を始めることは、夫をはじめ、自宅から徒歩5分のところに住んでいる義両親も協力的。特に姑は、「保育園のお迎えもしてあげるし、仕事終わるまでうちで見ておいてあげるわよ」と、子供の世話を買って出てくれるほどだったそうです。

「今でも本当にありがたいと思っています。姑がいないと、仕事と家事の両立は無理でした。でも…」とA子さんは顔を曇らせます。

「やっぱり保育園に行き始めると、子供は何かしらの病気をもらってきます。朝元気に保育園に行ったのに、職場に『お子さんの体調が悪いから』と呼び出しの電話がかかることもしばしば。だからといって、子供の看病までは姑に頼んではいけませんでしたね。」

最初は「看病してあげるから仕事に行ってらっしゃい」という姑の言葉に甘えていたA子さんですが、体調の悪い子供は心細さからか一日中「ママがいい!」と泣き叫び、だんだんと姑もお手上げ状態になってきたのだとか。

「子供が『ばーば、ばーば』と懐いてくれるときは可愛いけれど、『ばーば、いや! ママがいい!』と頑なに拒絶されることで、姑もイラッとしたみたいなんです。『こんなにばあちゃんが世話してあげてるのに、結局ママがいいなんて、ばあちゃんは損な役回りね』なんてチクリと言われて私もカチンときたりして。このままじゃ姑との仲も険悪になる、と思い、娘が体調不良のときは、姑には頼らず、私が仕事を休んで看病することにしました」

皆さんの中にも、子供の世話を姑にお願いしている、という方が多いかもしれません。孫の世話は姑にとっても嬉しいもの。でも、それは姑や子供が心身ともに元気で気持ちに余裕があるときに限る、と心得ておいたほうがいいのかもしれませんね。

仲裁役は頼めませんでした

結婚5年目、夫婦2人暮らしのB江さん(33歳)。近くに住む姑とはとても仲がよく、姑と2人でランチにいったりショッピングに行ったりする仲だったのだとか。

「夫は男ばかりの3人兄弟の長男。他の兄弟がまだ結婚していないので、『娘ができたみたいで嬉しい』と、ほんとに可愛がってもらっていました。夫が飲み会のときは私1人で義実家に行って夕食をごちそうになったり、お誕生日にはプレゼントをもらったり、こんな優しい姑がいて、私は幸せだなぁって常々思ってたんです」

そんな良好な嫁姑関係に暗雲が差す出来事がありました。ある日、夫がたまたまスマホをリビングのテーブルに置きっぱなしでお風呂へ。B江さんはほんの出来心から、そのスマホを盗み見てしまったのだとか。

「そこには、女性との親密なLINEのやり取りが。とても友達同士とは思えない、きわどい内容でした。信じられない出来事に、卒倒しそうになりました」

夫を問い詰めると「ただの友達だ」の一点張り、最後には「なんで勝手にスマホを見ているんだ」とスマホを盗み見したことでB江さんを責め始めました。途方に暮れたB江さんの脳裏に浮かんだのが姑の顔。「お義母さんなら、彼を諫めてくれるに違いない」と思い、次の日、姑に相談したのだそうです。

「そのとき姑の口から発せられたのは、予想外のセリフでした。『B江ちゃん、携帯を勝手に見るなんて、うちの息子のことがそんなに信用できなかったの?』。姑は味方になってくれると思っていただけに非常にショックでした」

傷ついたB江さんはそのまま帰宅。結局その日以来、なんとなく姑との間に壁ができてしまったのだとか。

「冷静になってみれば、よくわかるんです。どれだけ親しくても私は嫁。姑の本当の血の通った子供は夫だから、他人の口から息子の愚痴を聞かされたり、息子の非を責められたりするのは面白くないんだと思います。いくら仲がいいからといって、夫婦間で解決すべき問題を姑に丸投げしようとした私にも否があったんです」

まとめ

嫁と姑の間を良好に保つために必要なのは、適度に頼り、適度に遠慮すること。姑を頼りにする前に、夫婦間で解決できることは解決しようという姿勢が必要なのではないでしょうか。そのうえで、姑の性格を分析して、どこまで頼っていいのかをしっかりと見極めることが大切なのかもしれません。

何もかもおんぶに抱っこは考えものですが、何ひとつ姑に頼らない、というのも寂しいもの。甘えられるところはきちんと甘えられる可愛い嫁になることができれば、きっと家事や育児がぐんと楽になりますよ。

大中 千景