日本を代表する、いや、世界を代表する自動車メーカーであるトヨタ自動車。2018年5月9日に発表した決算でも営業利益が2.4兆円に迫るなど、業績も絶好調です。今回はそのトヨタについて見ていきましょう。

トヨタ自動車の足元の業績は絶好調

トヨタ自動車の2018年3月期の連結販売台数は896.4万台と、2017年3月期対比では7000台減少しましたが、引き続き世界でも非常に大きな存在感を示しています。グループ総販売台数(小売ベース)は1044万台でした。

同社の2018年3月期の決算は、売上高29兆3795億円、営業利益2兆3999億円と、売上高と利益に「兆」が並びます。ちなみに、時価総額も約24兆円(2018年5月14日時点)と、こちらにも「兆」が並んでいます。

トヨタ自動車のトップが抱く危機意識

トヨタ自動車の豊田章男社長は今回の決算説明会のプレゼンテーション中で、トヨタ自動車はこれまでの「自動車をつくる会社」から「モビリティ・カンパニー」に変えていくと発言しています。

プレゼンテーションの中では「モデルチェンジする」という言葉を使っていますが、同社のビジネスモデルや事業領域が大きく変わるのですから、一般的に言われる”モデルチェンジ”どころの話ではありません。

事業領域を変えるのなら「シフト」という言葉が合いそうなものです。ただ、競合メーカーの広告で同様の言葉が使われてきたので、あえて「モデルチェンジ」という言葉を使ったのかもしれません。

トヨタ自動車はなぜトヨタ自動車なのか

トヨタ自動車のトップは豊田章男氏です。章男氏がトヨタファミリーの一員であることは有名ですが、その豊田という姓は「とよだ」と読みます。「とよた」ではないのです。

では、なぜトヨタ自動車はトヨダ自動車ではないのでしょうか。実は初期の自動車のエンブレムには「TOYODA」と記されていましたが、それが変更されたのには3つの理由がありました。

同社ホームページには以下のように記されています。

「トヨダ」よりも「トヨタ」のほうが、濁音がなく、さわやかで言葉の調子もいいこと。そして日本語で「トヨタ」と書いた場合、総画数が縁起がいいとされる「8画」になること。さらに創業者の苗字である「トヨダ」から離れることで、個人の会社から社会的企業へと発展するという意味も込められていました。

 

このように、一つは発音と聞いた時の響きという点。もう一つは画数。そして、名前に込められた会社の拡張性が背景にあることが分かります。トヨタ自動車の発展の歴史の中で、こうした細部へのこだわりも見逃せません。

豊田社長は、現状を「100年に一度の大チャンス」として捉えています。次の100年を同社がどのように切り開いていくのかに注目です。

参考:トヨタ自動車ホームーページ:「トヨダ」から「トヨタ」へ

LIMO編集部