2018年5月11日に行われた、株式会社じげん2018年3月期決算説明会の内容を書き起こしでお届けします。IR資料

スピーカー:株式会社じげん 代表取締役社長 平尾丈 氏
株式会社じげん CFO(最高財務責任者) 寺田修輔 氏

1.四半期決算概要 四半期業績①

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寺田修輔氏:2018年1月〜3月の3ヶ月間の振り返りについて、お話をいたします。

まず、お手元の(資料の)4ページでございますが、第4四半期の売上収益は、28億5,300万円。営業利益は8億3,400万円、それぞれ前年同期比で約12パーセントの増収、約6パーセントの営業増益で着地をしております。

四半期の当期利益に関しては7億2,500万円と、前年比で59パーセントの大幅な増益となっております。こちらは後ほどご説明いたしますが、大株主の株式売出しに伴って、留保金課税が解消されておりまして、2018年3月期より法人税負担額が大幅に軽減された影響が、反映されております。

1.四半期決算概要 四半期業績②

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結果といたしまして、5ページのところ、おかげさまで上場以来、17四半期連続で前年比増収増益を達成することができました。売上収益は過去最高でございまして、営業利益に関しても、第4四半期として過去最高を更新することができております。

1.四半期決算概要 KPIについて

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我々の主な事業であるインターネットメディアを運営するうえで、6ページに記載してあるようなKPIの管理をしています。ユニークユーザー(UU)数、コンバージョンレート(CVR)、コンバージョンあたり単価、そしてコンバージョンあたり単価に間接的に影響を及ぼす顧客数(顧客ミックス)を、それぞれトラックしてございます。

1.四半期決算概要 KPIの推移:UU

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続きまして、この四半期までの動きがどうだったかと申しますと、7ページでございます。じげんグループ全体の月間UU数(スライドの左側)は第4四半期に関しては約1,300万UU、前年同期比で(プラス)24パーセントと、かなり大きな伸びになってございます。

こちらは、理由はいくつかございますけれども。まず1つは、人材領域でNTTドコモさまと業務提携させていただきました。「dジョブ」において、流入者数が増加しているというところが(UUに)寄与しております。また、「dジョブ」以外の主力の既存事業に関しても、SEO関連施策に、この第4四半期はだいぶてこ入れをしてございまして(それが奏功して)結果的に、大きくUU数が伸びました。

1.四半期決算概要 KPIの推移:UU当たり売上収益

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一方で、その(UUの)裏返しにはなるんですけども、8ページのところです。UUあたりの売上収益に関しては、第4四半期の実績が183円ということで、前年比で10パーセントの減少、前四半期比でも若干の減少となってございます。

ただ、こちらに関しては、短期的にはあまり売上収益に直結しないような、SEO関連のトラフィックが増加してる影響がございます。

この(スライドの左側の)UU当たり売上収益は、分母がUU数になっておりますので、短期的に売上を伴わないユーザー数が増えると、少し分母が膨れるかたちになりますので、その影響でやや低下して見えます。

このようなSEO関連のトラフィックに関しては、中期的にはしっかりと売上収益に寄与するものだと我々は認識しておりますので、UU数を大きく伸ばしたというところをポジティブなサインとして捉えています。

中長期的にはこのUU当たり売上収益は、どれぐらい我々が直接的に法人顧客を抱えているかと連動してくる傾向があります。その顧客数に関しては、第4四半期で約1万8,000社と、前四半期比で大きく増加しております。

(2018年)2月にアップルワールド・ホールディングスという旅行関係の会社をM&Aしております。このM&Aの効果・影響で3,000社強、顧客社数が増えました。その影響を除いても、しっかりと既存事業で直接お取引をさせていただいているような個別の企業のお客さまも増えておりまして、これが中長期的には単価の上昇につながってくるだろうと考えております。

1.四半期決算概要 四半期費用推移

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続きまして、費用の状況を9ページにまとめてございます。もとより、前期2018年3月期下期に関しては、「新規事業を中心に、積極的に投資をさせていただきたい」という話を申し上げておりました。着地としては、実際に費用を積極的に投じた四半期だったのかなと考えております。

上の段が金額、下の段が売上収益に対するパーセンテージでございます。2018年3月期第4四半期をご覧いただきますと、前年同期比や前四半期比で、広告宣伝費、非制作の人件関連費が増加しているかと思います。これらに関しては、先ほど申し上げたドコモさまとの共同事業である「dジョブ」とか、不動産領域で今手がけている新しいメディアに「ミノリノ」というものがございますけれども。これらに対する積極的な新規事業への投資や、先ほども(ご説明が)ありましたが、(2018年)2月に旅行関係のアップルワールドという会社をM&Aしておりますので、そのアップルワールドの費用自体が増えていることもございます。

(この)取得関連で、一時的な費用も増加しているというところで、このような費用の着地になっておりますが、概ね期首の計画通りの推移になったのかなと、認識をしてございます。

1.四半期決算概要 四半期末従業員数推移

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人員数のところ(四半期末従業員数推移)を、10ページにまとめております。2018年3月期末の従業員数は連結で346名となってございます。アップルワールドの新規連結に伴って40名弱増えておりますが、それ以外でもグループ全体で増員傾向にございまして、じげんグループとして、初めて連結従業員数が300名を超えた四半期となりました。

以上が、3ヶ月間の振り返りでございます。続きまして、通期の12ヶ月間の、2018年3月期の振り返りに移らせていただきます。

2.2018年3月期の振り返り 業績:創業来11期連続増収増益達成

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通期業績は、12ページに記載がございます。2018年3月期は、売上収益が102億6,700万円、営業利益が33億2,600万円ということで、それぞれ前年比に対して36パーセントの増収、34パーセントの営業増益で着地をすることができております。おかげさまで、創業来11期連続で、前年比増収増益を達成してございます。

2.2018年3月期の振り返り 業績:上場来5期連続利益計画達成

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対計画に関しても、営業利益に関しては2018年3月期の期首計画32億2,600万円を上回って着地をしております。当期利益に関しては、計画の19億3,000万円を13パーセントほど大幅に上回る達成で、21億7,200万円での着地となってございます。

営業利益の超過幅に対して、当期利益の超過幅が大きいのは、先ほども(ご説明が)ありました(主要株主の株式売出しに伴う)留保金課税解消の影響で、法人税負担が軽減されていることでございます。

一方で、売上収益に関しては、期首計画の105億円に対して(実績が)102億6,700万円でしたので、若干ながら未達となっておりますけれども。こちらに関しては、期中において、必ずしも収益性が高くない事業は、そこまで売上を追わずに利益重視でオペレーションしてきた影響というところでございます。

いずれにしても、当社としてもっとも重視をしている利益指標をしっかり達成することができまして、当社にとっては上場以来5回目の本決算となりますけれども、5期連続で期首にお出しした利益計画を、しっかりと守らせていただきました。

2.2018年3月期の振り返り 業績:トリプル25は一部達成

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また、当社独自の指標といたしまして「トリプル25」というものがございます。営業利益成長率・営業利益率・ROEのいずれに関しても25パーセント以上を目指しておりまして、その結果が、14ページでございます。

ROEに関しては、2018年3月期に第5回新株予約権の行使というものがございまして、約26億円をエクイティファイナンスさせていただいておりまして、その影響で資本がだいぶ増加しております。

当期利益は大きく伸ばすことができましたが、ROEは資本が増加した影響で、25パーセントというターゲットをわずかに下回っております。ただ、その他の2つの指標……営業利益成長率・営業利益率に関しては、いずれも約34パーセント・約32パーセントと、大幅な達成をすることができておりまして、トリプル25に関しては一部達成というかたちで着地をしております。

2.2018年3月期の振り返り 業績:領域別売上収益推移とKPI評価

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15ページから、もう少し細かく領域別の動向に関してご説明いたします。

こちらは、左側が四半期ごとの領域別売上収益の推移、右側が通期の1年間単位での領域別の売上推移となっています。

1年単位でご説明いたしますと、我々が展開している3つの領域は、人材・不動産・生活とそれぞれございますが、人材で36パーセント、不動産で30パーセント、生活で49パーセントと、いずれに関しても前年比で30パーセント以上の大幅な増収で、着地をすることができました。

KPIの細かい評価に関しては、15ページの下段に記載がございます。全体的に、人材・不動産・生活といった領域を問わず、UUに関しては大きく伸ばすことができております。CVRに関しても、マッチングテクノロジーの改善によって、不動産領域や生活領域において改善。単価については、サプライチェーンの垂直統合を進めている人材領域において、大きく伸ばすことができました。

2.2018年3月期の振り返り 人材:求人広告市場の拡大が一服する中、採用成果型メディアが堅調

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さらに細かく、領域別の振り返りに関しても、16ページ以降でお話をいたします。

まず、我々の主力である人材領域。16ページの左側はマクロの状況を示しております。こちらは、全国求人情報協会が発表している、総求人広告数というもので、求人広告の市場規模の指標でございます。

こちらをご覧いただきますと(おわかりのように)2012年から2016年末くらいまでがずっと右肩上がりで増加し続けております。これは月次で出ているデータですけれども、毎月毎月前年比で二桁ペースで伸びてきておりましたが、2017年に入ってからある程度落ち着いてきたと言いますか、横ばい傾向になってございます。

このような外部環境の中で、当社が運営しているアグリゲーションメディアは、ある程度このような全体的なマクロの影響を受けております。

一方で、こうした市場の量的な拡大がある程度一服してまいりまして、より質への移行と言いますか、送客の品質であったりとか、どれくらい応募が出るのか、採用が出るのかといったところに、どんどん全体的にお客さまの関心が移っています。

その中で、当社が運営している一番大きな人材系のサービスが、「リジョブ」では、採用成果型のビジネスモデルを展開しておりまして、しっかりと成果を返すことによって、お客さまからの評価につながります。16ページの右側に書かせていただいているとおり、月次(売上収益推移)で見ても、右肩上がりで成長することができました。

2.2018年3月期の振り返り 不動産:既存の賃貸分野、新規の売買分野ともに順調

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続きまして、2つめの柱である不動産領域、17ページですね。

不動産領域に関して、我々はもともと、いわゆる賃貸分野を主力で展開をしております。この賃貸の分野においては、既存の不動産メディアの方々と、提携をしてございます。顧客基盤の拡大によって、大きく売上収益を伸ばすことができております。

また、新しい取り組みといたしまして、これまでは賃貸中心ではあったんですけれども、2016年ごろから売買分野に進出してございます。直近ですと、2018年3月期において「ミノリノ」という、中古リノベーション済みのマンションの特化型のメディアを立ち上げております。その貢献もありまして、不動産領域の中で売買分野が新しいサービスとして、徐々に貢献度が高まってまいりました。

2.2018年3月期の振り返り 生活:にじげんは大幅業績拡大持続、自動車は再成長へ

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最後の領域で、3つめの生活領域でございます。

生活領域に関しては、2018年3月期までは大きく2つのビジネスを展開しております。1つが「にじげん」というグループ会社で、個人のユーザーの方向けにエンタメコンテンツを提供するサービスをしております。こちらで、コンテンツそのものであったりとか、利用いただいているユーザーさまをストック化して、(その結果)右肩上がりで収益を伸ばすことができております。

それから、生活領域の中のもう1つの主力として、自動車分野。こちらは、中古車のアグリゲーションメディアを展開しております。

メディア顧客さまの変更に伴って2018年3月期の途中に関しては、やや収益的にも踊り場を迎えたんですけれども、直近……とくに1-3月期においては、また成長フェーズに戻していくことができております。

2.2018年3月期の振り返り 財務:四半期末貸借対照表推移

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事業(についてのご説明)は以上でございまして、続きまして財務のところを、19ページ以降でご説明いたします。今回は3ヶ月前の第3四半期末と比べまして、M&Aがあり、比較的QonQで数字が動いてますので、そちらを中心にご説明いたします。

まず、金銭信託をご覧いただきますと、第3四半期末で26億900万あったものが、第4四半期末で3億7,000万円に減っております。こちらは、アップルワールドのM&Aに伴うものでございまして、取得原資としてこの金銭信託を活用したことによるものです。

その影響で、のれんに関しても増加しておりまして、(第3四半期末の)54億6,000万円から(第4四半期末に)75億5,500万円となっておりますが、こちらもすべて、アップルワールドの取り込みによるものでございます。

ですので、資産の合計に関しては(第3四半期末の)167億円から(第4四半期末に)183億円へと、それなりに増加しておりますが、その一方で資本に関しても利益をしっかり積みまして、(第3四半期末の)106億円から(第4四半期末に)113億円と増加させていますので。

IFRSで言う親会社所有者帰属持分比率……日本基準で言うところの自己資本比率。当社にとっては比較的大型のアップルワールドというM&Aをしているんですが、期末時点で62パーセントと、高い水準になってございます。

また、もう1つ我々が遵守している、のれんに対する資本倍率に関しても0.7倍ということで、「1倍は超えたくないな」という財務目標があるんですけれども、その1倍以下(で着地した)ということで、我々が掲げている目標範囲内の、健全な水準のバランスシートであると認識をしております。

また、バランスシートに直接的な影響があるわけではありませんが、昨年度末の2018年3月において、いくつかの大きめのコーポレートアクションをしておりますので、ご紹介をいたします。

2.2018年3月期の振り返り 財務:資本政策(株式売出し・市場変更申請・新株予約権取得)①

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20ページのところに、コーポレートアクションの概要を記載しております。

3つ実施をしておりまして、まず1つめが「当社株式の海外売出し(並びに主要株主及び親会社以外の支配株主の異動)」でございます。売出人は、代表の平尾(丈氏)。売出株数には1,800万株です。もともと平尾の持分が66.5パーセントあったんですけれども、この売出しによって、ちょうど50パーセント未満の49.9パーセントまで、持分を低下させております。

目的としては、2つございます。1つは(東証1部への市場変更のための)流動性(形式要件充足)。それからもう1つが、先ほどから繰り返し申し上げておりますけれども、留保金課税(解消)。日本の法律で、オーナーが50パーセント以上の株を持っていると、特定同族会社とみなされて税金が高いということがありますけれども。(株式売出しによって)この比率が50パーセント未満に下がったことによって、税負担が減少しています。

また2つめといたしまして、「(東京証券取引所)東証本則への市場変更申請」を(2018年)3月20日に実施をしてございます。先ほどの売出しによって流動性が改善いたしまして、当社として唯一満たせていなかった形式要件を、流動性のところでも充足いたしました。

こちらは、もともと1年前の2017年3月期の決算発表時に「東証本則への市場変更を目指します」ということを申し上げておりましたので。しっかりアナウンスどおりにスケジュールを運ぶことができていると、認識しております。

最後の3つめが、第6回新株予約権(行使価額修正条項付新株予約権)。こちらは、当社がM&Aのために発行していた新株予約権になるんですけれども、こちらを取得及び消却してございます。新株予約権ですので、仮に行使をされると株数が増えて希薄がでてしまうという影響があったんですけれども、現状の非常に健全な財務基盤を考えると、必ずしもこの第6回新株予約権を、わざわざ希薄化リスクを抱えたまま保有し続けておく合理的な理由もないだろうということで、取得及び消却をしてございます。

当社としては、投資に対して消極的になったとか、M&Aに対するスタンスが変わったということはないんですけれども、あくまで足元の盤石な財務基盤に鑑みてというところで、このような意思決定をしております。

2.2018年3月期の振り返り 財務:資本政策(株式売出し・市場変更申請・新株予約権取得)②

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これらの一連の資本政策によりまして、潜在希薄化後のEPS影響として、21ページに記載をしております。

資本政策の実施前と比べまして、潜在希薄化後のEPSに関しては14パーセントほど増加するイメージです。細かい計算式に関しては、21ページの注記に記載をしておりますけれども。主には、留保金課税解消によって税負担が軽減すること。それから、新株予約権がキャンセルされることによって、潜在的な増加株式数が減少することで、このような動きになろうかと想定をしております。

今回は株式売出しということで、決して発行済株式数に対しての規模も小さくなかったものですから、当然短期的な需給に対しての影響であったりとか、株価に対しての影響が出ているということは、当社も重々認識をしております。一方、このようなEPSへの寄与、企業価値への貢献というところを考えると、必要なコーポレートアクションであると、自信を持って申し上げたいと考えております。

2.2018年3月期の振り返り 財務:株主構成

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この結果として、22ページに2018年3月期末の株主構成の数値を記載してございます。

経営陣の売出しによって、持分が半年前(2017年9月末)は67.4パーセントだったものが(2018年3月末は)50.7パーセントに、大きく減少しております。その裏返しといたしまして、今回は海外売出しでしたので、外国法人の持分が、もともと(2017年9月末に)10パーセントだったのが(2018年3月末は)21.5パーセントと、2倍以上に増えております。

また、海外に限らず国内の機関投資家のみなさま(金融機関)にも持分を増やしていただいておりまして、(2017年9月末の)11.8パーセントが(2018年3月末は)16.3パーセントに上昇ということで、トータルの機関投資家の持分は、半年前の23パーセントから(2018年3月末で)39パーセントに上昇してございます。

駆け足でございましたけれども、2018年3月期までの実績に関しては以上でございます。続いて代表の平尾より、今期2019年3月期の方向性について、ご説明を差し上げます。

3.2019年3月期の方向性 業績目標:修正中期経営計画の利益目標を再度上方修正

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平尾丈氏:じげんの平尾です。お願いいたします。私からは、今期2019年3月期の予算であったりとか、戦略をお話ししていければと思っております。

まず、冒頭で私からお話ししたいことがございます。前期も若干上方修正しておりましたが、前期に発表させていただいた今期の予算に関しても、2019年3月期(の利益目標)で40億5,000万円の営業利益でございましたが、こちらを40億7,000万円に上方修正させていただきます。

そして、当期利益。こちらも24億3,000万円というかたちで、前期は上方修正しておりましたが、さらに上方修正いたしまして、26億1,000万円にさせていただきたいと思っております。

この予算自体は、オーガニックな成長のみ記載しております……私たちはM&Aなども積極的に狙っておりますから、このあたりの数字は入っておりませんし、これはやり次第発表させていただければと思っておりますので。引き続き、営業利益成長率に関しても25パーセント以上の達成を狙っていきたいと考えてございます。

3.2019年3月期の方向性 業績目標:詳細数値計画

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そして、その(業績目標を)事業別で記載させていただいております。人材・不動産・生活と、私たちは3つの領域でやっております。とくに今回、アップルワールドを前期末に買収させていただいておりますが、ここに関しては生活領域にセグメントさせていただいてございます。この影響から、今期に関しては、人材・生活・不動産とある中では、とくに生活領域を大きく増収計画として考えてございます。

人材領域に関しては(プラス)21パーセント。そして、不動産に関しては(プラス)27パーセント。生活においては、倍ですね。(プラス)100パーセントの増収計画で考えているというかたちでございます。

トータルで、売上収益に関しては30パーセントの増収見込みでございます。費用のところに関しては、今期にかなり人材、広告宣伝、販売促進。この3つを重点的にやっていきたいと思っておりまして、費用側も投資をかなり入れさせていただいてございます。

その結果、営業利益に関しては前期で33億2,600万円で、こちらも11ヶ年創業から伸びておりますが、さらに伸ばして(2019年3月期は)40億7,000万円を目指していきたいと。当期利益に関しても(2018年3月期の)21億7,200万円から26億1,000万円まで、大きく増益させていきたいと考えてございます。

3.2019年3月期の方向性 経営戦略:じげんが目指す方向性

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いつもの図でございます。じげんの存在価値・存在理由というかたちです。

私たちは、情報化社会と言われて久しい中で、今本当に情報の数自体が指数関数的に増えていると思っておりますが、人々の入力デバイスであるスマートフォンであったりとかアプリに関しても、人の知覚情報自体にはなかなか上限があるというかたちでございます。そこに関して、その人に適する情報をしっかりパーソナライズしてお届けするというところで、私たちが大きな、いわゆるビックデータを持ちながら、そこを解析して学習して配信すると。

参入している領域においては、いろんなインターネット企業さまがいらっしゃるんですが、とくに人を集める力というよりは「人を動かす力」にフォーカスをして、これまで創業から力を入れてまいりました。ここに関しては、参入している領域においても、プレゼンスを発揮できるんじゃないかなと思っております。

3.2019年3月期の方向性 事業戦略:メディアプラットフォームとしての成長施策

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再掲でございますが、戦略としては3つございます。基本的には、みなさんから向かって左側が一般企業の方々、右側がユーザーの方々で、私たちは真ん中にいます。この左側の企業さまに、直接染み出していって……今まではメディア企業さまをターゲットにしておりましたが、エンド企業さまも狙わせていただいています。もともと上場時は、私たちはクライアントが数百しかいませんでしたが、M&Aも含めて、今は1万8,000を超えるような顧客基盤を獲得しております。

一方で、コアなところで私たちは「ユーザーの方を捕まえてきて、動かす力がある」と申し上げておりますので、その送客力に関しては、先ほど寺田からも(ご説明が)ありましたけれども。やっぱり、単に数を上げていくだけでは、おそらく景気であったりとか、マクロも今変わってきている状況でございますので、その送客の「質」を上げていくということにも、こだわっていきたいと思います。

セグメントで言うと、さらにブレイクダウンして領域を出しておりますが、人材領域・不動産領域・自動車領域。そして、新しくM&Aしたアップルワールドの良好領域にも染み出してますので、この領域拡張もどんどん進めていきたいなと思っており、私たちはこのような図で、戦略を考えております。「顧客基盤拡大」「送客力強化」「領域拡張」が、私たちの戦略です。

3.2019年3月期の方向性 事業戦略:労務需給は構造的に逼迫、人材領域では効果改善に注力

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今期の事業戦略を、個別に書かせていただいております。

まず、人材。(スライドの左側の)有効求人倍率は、若干上げ下げがありながらも、今のところは伸び続けてきております。

ただ、やっぱりその中でも、企業のみなさまがかなりスタンスを分けていらっしゃるのかなとも思ってまして。「いっぱい(求人を)媒体に出したけれども、なかなかそれがうまくいかなかった」という大企業の方々もいらっしゃいますし、中小の方々は「やっぱり、相変わらず人が採れない」というところでございますので。

私たちの仮説としては、数自体の逼迫以上に人材の質というところ、もしくは人のエンゲージメントであったりとか、人の働き方改革のところに、よりフォーカスが進むんじゃないかなと思っております。じげんも、ここに関しては中期的にも投資をしていきたいと考えてございます。

具体的なつてであったりとか、サイトをいくつか持っておりますので、そこに関しては(スライドの)右に書いておりまして。私たちは、例えば今人材領域でも一番伸びている「リジョブ」のところでは、スマートフォンのアプリにかなり投資をさせていただいておりまして。

2018年3月期のアプリ応募数で、前期で2.5倍に伸びているというかたちなので、ここも手を緩めず投資をしていきたいと思ってます。

まだまだ投資は小さいのですが、私たちはオープンイノベーションの一環で、NTTドコモさまと一緒にドコモさまの求人サイトを作らせていただいておりまして、「dジョブ」というかたちでやらせていただいてます。「dジョブ」の中にも、2つございます。私たちのようなかたちで求人情報を検索する「リジョブ」の仕事検索のところと、もう1つは「dジョブ スマホワーク」というかたちで、スマートフォンを用いたクラウドソーシングの領域も、一部やらせていただいておりまして。

これは、さすがドコモさまだと思うのですが、開始早々でかなりのユーザーの方が集まってきており、2018年4月末の会員数で20万人を超えてきておりますので、このままやり続けていければ、かなりのユーザーストックが見込めるんじゃないかなと思っています。

あとは、東海エリアで買収しました三光アドなんかもかなり進んできておりまして、派遣会社さまと一緒に、紙メディアの成果報酬型プランみたいなものも一部やらせていただいておりまして、予想以上にインターネットに比べても(紙メディアで)まだまだ効果は出るんだなということが、わかってまいりました。このあたりをクロスセルしながら、私たちはやっぱりネット屋さんですから、紙メディアの強さとネットメディアの強さを活かしながら、展開していきたいと思っております。

私個人としては、かなりじげんとしては新しいチャレンジかなと思っているのが、最後のところでございまして。最近上場したHEROZさん、将棋AIの会社なんかとも組んでおります。

とくに、ブレイン・ラボという会社は、弊社の中でもHR TECHという分野でかなり注力している会社なんですが、その中でも外部のHR TECH業者、もしくは会社さまとも提携をさせていただこうと思っています。私たちもそろそろ、自社で全部やっているという構造から、いろんな各社とのアライアンスであったりとか、私たちとしてのオープンイノベーションをどんどん進めていこうかなと思っております。

そして、daXtra。これはイギリスの会社なのですが。なかなか馴染みがないかもしれませんけれども、エディンバラにある会社でして、けっこうおもしろい技術を持ってますし。

世界的には構造解析技術という、自然言語検索の分野でも職務経歴書のフォーマットがかなり複雑になってきているので。彼らはここに特化して、AIを用いた自動入力というところをやっている会社ですが、私たちもこれを早めに提供したいというところで、ブレイン・ラボに組み込んでやらせていただいてございます。このような外部とのみなさんとの提携も、進めていきたいと思っております。

3.2019年3月期の方向性 事業戦略:不動産領域では賃貸の送客力向上と売買の案件拡大に注力

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続きまして、不動産領域ですね。牽引役が「スモッカ」というサイトでございまして、左側にいろいろ書かせていただいてるこのようなことを、地味ながらいくつかやっていて、私たちの効果が伸びてるというところで、ご紹介させていただいております。

例えば、ロボットが(スライド左側の)このようなかたちでチャットでUIを作らせていただいて、「みなさまのお住まいはどこですか?」とか、このあたりもAIを使いながら、入力フォームの改善を今やっております。

あと、一部インフラに関してもかなり……これはまだ一部でございますが、第4四半期のあたりから刷新させていただいておりまして、各事業部で、インフラはかなり強くさせていただいております。これは、今期しっかりと伸ばしていきたいと思ってます。

「ミノリノ」で、新しい事業をやっております。新規事業を、前期に関しては4つから5つぐらい、投資をしてやっております。その中でも一番うまくいきはじめているのが「ミノリノ」でございます。

これは、不動産売買分野の中古のマンション、もしくは戸建て分野における購入サイトになっております。単純なサイトではなくて、やっぱり今、消費者のミレニアル世代の方であったりとか、ファミリー世代の若い方に関しては、中古のリノベーション物件の人気がかなり出てきています。(「ミノリノ」は)ここに特化して、切り出して展開をさせていただいております。

今まで私たちは、検索エンジンだったりとか、顕在層を捕まえてくる力はかなり強かった会社なんですけれども。ソーシャルメディアなんかでも、トラフィックを活かしながら、すごくきれいな物件が私たちにいっぱい集まってきてるので。これを活用しながら人を動かすところで、私たちがメディア開発をさせていただいてございます。

最近ですと、首都圏のマンションに特化していたところから、中古のリノベの戸建ての分野であったり、地方の分野のところまで展開させていただいてございまして、掲載案件数の増加を企図しております。

3.2019年3月期の方向性 事業戦略:生活領域では既存事業の伸長と新規旅行分野の飛躍を狙う

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最後に、生活領域でございます。下に書いてあるのが、アップルワールドの(成長戦略の)図でございます。

にじげん、自動車分野に関しては、粛々と伸ばしていこうと思ってまして。一部、前期に関しては、自動車分野は大型のクライアント転換をして、ちょっと踊り場を迎えたところもあったんですが。

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(スライドの右側の)売上収益を紹介した棒グラフをご覧いただくと、2月3月と、こうキュッと伸びてますよね。このあたりで、てこ入れは一部終えたかなと思いながら、そこで終わらず、さらに増収増益をしていこうという計画で狙っております。

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そして、大きいところでは、アップルワールドが連結に加わりました。私たちはもともとBtoCやBtoBtoCの分野でやらせていただいている中で、いろんな企業の方々のデータをアグリケーションさせていただいていたんですが。アップルワールドは、まさにこれをBtoBtoB……私たちが真ん中に入るB(Bto「B」toB)だとした時に、仕入れ先やホテルの手配会社さん、業界だと「ランドオペレーター」さんというカタカナの用語なんですが。ホテルを手配する専業の会社さまを束ねさせていただき、旅行代理店さまに提供しています。

私たちじげんが入ることによって、エクスペディアグループさんとすでにリリースも出ていますけども、いわゆる「OTA」といわれるOnline Travel Agentの方々の在庫データも統合させていただいて、これを旅行代理店さんに提供させていただいております。

OTAからすると、いわゆるオフラインで旅行代理店さまの店舗に来るユーザーの方は、白地でございますし。OTAの方々も、かなり今積極拡販されていらっしゃるので、このあたりの間に入らせていただいて、BtoBのアグリケーションに対しても入っていくんだというところが、私たちのイノベーションでもあるかなと思ってますし。これまで培ってきたBtoBtoCも、アグリケーションの力が効いてくるところかなと思いながら、積極展開させていただこうと考えてございます。

3.2019年3月期の方向性 財務・投資戦略:株主還元(配当)の開始

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そして、今期は初めての試みになりますけれども、まだまだ少なくて恐縮ではありますけれども、2019年3月期の期末から、1株当たり2円の期末配当を開始したいと思っております。

背景として、親会社所有者帰属持分比率、いわゆる自己資本比率がかなり高まってきておりまして、じげん自体もエクイティの調達も含めてさせていただいたところから、かなり財務基盤が堅調であると考えてございます。

そして、留保金課税解消に伴って、金額に関しては少なくて恐縮ですが、そこで出た原資を活かさせていただいて、トータルで2億円超ぐらいを、配当に回させていただくというかたちで検討しております。

ただ……これで誤解いただかないようにしたいと思っているのが、ROEが25パーセントを割ってしまっているのは、エクイティが増えているからということであるのですが、基本的には高い水準であるということが1つ。

もう1つは、私たちは、「安定企業」になってしまうのではなく、「安定成長企業」でありたいと考えております。これからも投資は積極的に行わせていただきますし、そしてM&Aもしっかりとやっていきたい。

ただ、この中でも期末としては、少しずつこのようなかたちで(株主)還元なんかも(していきたいと考えています)。ROEが25パーセントを割っている状況でございますし、このような財務体質の中では配当を出すというところは、意思決定させていただきたいという話でございます。

3.2019年3月期の方向性 財務・投資戦略:東証1部への市場変更目標

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これもちょっと(先ほどのご説明と)重複になりますけれども、東証1部(への市場変更目標)の件。(2018年)3月20日に東証本則に向けて、市場変更の申請を出させていただきました。私たちとしましては、なるべく2019年3月期の間に、東証1部への市場変更を目指したいと考えている次第でございます。

3.2019年3月期の方向性 ESG:新経営体制への移行(Governance)

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最後に、今回からちょっとESGというかたちで(ご説明します)。

まず、(コーポレート・)ガバナンスのところも、私たちはどんどん強化していきたいと思っておりまして。これはもちろん、株主総会のご承認後になりますけれども、経営陣を一部変更および就任させていただきたいと思っておりまして。

まず1つ、今まで創業からずっと、松浦(晃久氏)が取締役管理部担当としてやっていたところから、業績も含めて、企業価値の貢献役として成長めざましい寺田(修輔氏)を、取締役……もともとCFO戦略部管理部長だった寺田を、取締役兼執行役員に就任させようと考えてございます。加えて、その松浦自体は内部監査室の方でしっかり内部監査を担当してもらおうと思っております。

あとは、新しい顔ぶれで……前田(貴司氏)が、リクルートグループから入ってきた者でして。私がもともとやっていたところから三光アドの代表に就任して、実際にそこで辣腕を振るっていただきたいと思っております。

加えて、私が「じげん代表取締役 社長執行役員 CEO」というかたちで、執行責任を負うことも明確したいと思っております。

取締役は、外部の須藤(実和)先生に引き続き入っていただいて3名。そして、執行役員は5名の体制で、強化してやってまいりたいと考えております。取締役は、監督機能とかリスク管理に注力します。

執行役員に関しては、業績牽引役としてドライブをかけていくことに集中しながら、じげん自体の企業価値向上に努めていきたいと考えてございます。

3.2019年3月期の方向性 ESG:社会活動への取り組み(Social)

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あとは、私たちは「次元を超える事業家集団」と標榜させていただいておりまして。最後になりますけれども、やはり社会の問題解決をする集団でありたいということを常に考えておりますので、一部CSRのようなかたちで、いくつか活動させていただいております。

子会社のリジョブには、RENABLE PHILIPPINESという孫会社(現地法人)がありまして。これはフィリピンで、一部私たち日本の美容技術を世界に展開していきたいと思っておりまして。「咲くらプロジェクト」というかたちで、「向こう(フィリピン)で美容師になりたいのだけれど、技術がない」という方に、無料でその技術を教えるようなプログラムを、ずっとやってきております。

このあたりで、福利厚生の分野であったりとか、ビューティーウェルネスという分野で、一部BtoBの事業をやらせていただいてございます。

あとは、これはもう完全にスポンサーのみでございますが、「Car-Tana」、アフリカに日本の中古車を輸出するような事業をやっておりますけれども。

HONDA ESTILOの子会社で、サッカーのフリースクールがあるのですが、ここと一緒にプロモーションなどをさせていただきながら、社会貢献とプロモーションをセットに考えながら、少しずつ私たちの事業も、なかなかネットに注がせております。

前期は激動の1年で、いろんなこともありながら……今さっき事業の数を数えていったら、広義で見ると25ぐらいの主要事業を展開をしているんですけれど。みなさんから(見た)セグメントで言うと3つなんですが、25個の事業のいろんな上げ下げ、もしくは成長というところを見ながら、創業から11期ずっと増収増益となっておりますが、ここも引き続き今期もちゃんと達成をして、12期連続増収増益の展開でいきたいと思っております。

ご清聴どうもありがとうございました。

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