子供の担任がどんな先生か、子供との相性はいいのかどうか…親としては、とても気になるところ。担任の先生との相性の良し悪しで、子供の1年間が大きく左右される、といっても過言ではないくらい、子供にとって担任の先生の影響力は大きいものなのです。そこで今回は、担任の先生との付き合い方について考えてみました。子供が楽しく実りある学校生活を送れるよう、担任の先生と良好な関係を築きたいものですよね。

連絡帳の有効活用をしよう

学校生活で気になることや、子供のことで伝えておきたいことがある場合、担任の先生に報告・連絡・相談をすることが大切です。しかし、頻繁に学校へと出かけて「今日、うちの子は学校でどんな様子でしたか?」「給食はきちんと食べられましたか?」などと尋ねるのはいただけません。また、毎日のように電話をかけて、相談事を持ちかけるのも好ましくありません。

担任の先生とコンタクトを取りたいのなら、緊急の場合を除いて、連絡帳を使用するのがベストでしょう。ただ、取り立てて報告すべきこともないのに、交換日記のように毎日何か記入する…というのも考えもの。連絡帳への不要なコメント記入は、先生の負担を増やすだけです。

かといって、1年間全くコンタクトをとらない、というのもNGです。先生は「連絡帳をチェックしていないのかな…」「子供の学校生活に関心がないのかな…」と不安になってしまいます。

何か特別な行事のあった日には「遠足を毎日楽しみにしており、雨が降らないようにてるてる坊主を作っていました。とても楽しかったしお弁当も美味しかった、と帰ってきました」などと子供の様子を記入したり、学期末には「1学期はお世話になりました。入学前は嫌いだったトマトが、給食のおかげで克服できました」などと成長の様子を記入したりしておくと、先生も子供の家での様子がうかがい知れて嬉しくなるのではないでしょうか。

程よい距離感を保って

担任の先生と1年間お付き合いするに当たって覚えておきたいのが「担任は、親と協力して子供の成長を支えていくパートナーである」ということです。

決して先生はサービス提供者ではありませんし、保護者はお客ではないのです。「担任ならここまでしてくれて当然でしょう?」「ここまで世話してくれてしかるべきなんじゃない?」という気持ちを持ってしまうと、必ず先生への不満につながります。「一緒に我が子の成長をサポートしてくれる頼もしい存在である」という気持ちを忘れずにいれば、自然と礼節をわきまえた対応ができるはずです。

また、担任の先生に親しみを持つことと、馴れ馴れしい態度をとることは別です。親が担任の先生に対してあまりにくだけた態度をとってしまうと、子供も先生を見下すようになりかねません。担任の先生と親しく話すのはよいことですが、感謝と尊敬の気持ちは忘れずに。担任の先生と接するときは、程よい距離感を持つということを心がけましょう。

担任の先生と合わない、と感じたら…

どうしても、担任の先生と合わない…そう感じることもあるでしょう。このような場合、絶対にやってはいけないこと、それは子供の前で担任の先生の不満や悪口を言うことです。親が先生の悪口や不満を言ってしまうと、子供は先生に対して不信感を抱いてしまいます。

大切なのは、子供と担任の先生が良好な関係を築くこと。親が担任の先生と合わないからと言って、必ずしも子供もそうであるとは限りません。子供と担任の先生との関係性を崩してしまわないように注意しましょう。

どうしても納得がいかない、意見したい、ということがある場合は、感情的にならずに冷静に意見を述べることが大切です。また、相手を言い負かそうと正論をぶつけるのも良くありません。

たとえば、何気ない先生の一言に子供が傷ついているな、と感じたら「先生があんなこと言うから子供は傷ついています」と言うのではなく、「先生の先日の一言を、子供はこのように受け止めて、悩んでしまっているようです。どうすればいいでしょうか」と、相談という形をとって伝えてはどうでしょうか。

謙虚な姿勢を持ちながら、言いたいことはしっかりと伝えること。これが担任の先生へのスマートな意見の述べ方です。「この先生、ちょっと…」と思うような担任に出会っても、「こういう先生と付き合っていくことも、子供の大事な経験になるはず」と考えると、肩の力も抜けるはずです。

子供がスムーズな学校生活を送るために

子供が充実した学校生活を送るために、まず必要なことは、親が先生を信頼することではないでしょうか。「先生は、こんなところが素敵だね」「こんな風に言ってくれるなんて、とても良い先生だね」と親が子供の前で先生を褒めてあげると、自然と子供も先生を尊敬するようになり、学校が素晴らしいところだと思えるようになるではないでしょうか。子供がスムーズな学校生活を送れるように、担任の先生と上手にお付き合いしていきましょう。

大中 千景