2018年5月25日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は、前日より13円78銭高の22,450円79銭となりました。

日経平均は米朝首脳会談の中止を受けて3日続落

今週は週初から、朝鮮半島情勢の不透明感が相場を下押しする展開となりました。21日には米ペンス副大統領が北朝鮮の対応によっては米朝首脳会談を取りやめる可能性があると語りました。北朝鮮も23日、威嚇的な表現で会談中止を示唆。これを受けて、トランプ米大統領は24日、6月12日にシンガポールで予定していた米朝首脳会談の中止を発表しました。

23日には、日経平均の下げ幅は一時300円を超えました。24日も下落し、3日続落となりました。日経平均の3日続落は3月16~20日以来約2か月ぶりです。

北朝鮮を巡る地政学リスクのほか、今週は日本株にとって悪い環境が重なりました。トランプ政権が自動車関税引き上げの検討を発表し、自動車をはじめ、輸出関連株が売られました。

また、先週末に1ドル=110円70~80銭だった円相場は、地政学リスクの高まりに加え、連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨が利上げに慎重だったことから円が買われ、ドルが売られる動きとなりました。24日のニューヨーク外国為替市場では、1ドル=109円20~30銭まで円高が進みました。

来週以降の読み筋はどうか

来週以降の動きはどうなるでしょうか。引き続き、政治的なニュースをはじめとする外部環境に相場が振られることになりそうです。ただ、米朝首脳会談は交渉を継続するとの見方もあり、株式相場、為替相場ともに25日には落ち着きを見せています。日経平均は小動きながら4日ぶりに反発、円相場も4日ぶりに円安となりました。

その点では、北朝鮮を巡る地政学リスクはこれまで通りで、むしろ、自動車の輸入関税引き上げのほうが気になります。その行方によっては日本企業が大きな影響を受けます。

来週末には、米雇用統計も発表されます。引き続き米景気の強さが示されるのか注目したいところです。

一時23,000円台を回復するが、3日続落で25日移動平均線を割り込む

今週の動きをテクニカル面から振り返ってみましょう。週初21日までは5日移動平均線に下値をサポートされ、着実に上昇を続けてきました。同日には、約3か月半ぶりに終値ベースで23,000円台を回復しました。

しかし、翌日から陰線となり、特に23日、24日には窓をあけて大きく下落しました。24日にはローソク足の実体で25日移動平均線を割り込みました。25日には陽線となりましたが、それでも25日線に上値を押さえられた形になり、25日線を回復することができませんでした。

方向感が見えにくい状況。25日線回復できるかどうかがポイント

今後の動きはどうなるでしょうか。懸念されるは22,500円~23,000円という足元のレンジを下抜けてしまったことです。このあたりは過去にもみ合ったところで、レンジの下限は25日移動平均線にも重なっていました。下値支持線を抜けたことで、今後ここが上値抵抗線に変わる可能性があります。

その点では、今後、22,500円台や25日線を回復できるかどうかがポイントになります。ただし、ここを回復できない場合でも、ただちに下降トレンドが形成されるとは考えにくいところです。

というのも、中期的に見れば、3月26日以降長く続いてきた上昇一服と考えられます。この間の3分の1押しやフィボナッチの38.2%押しとなる22,000円あたりまでもまだ下にあります。

今後、早期に25日線を回復できるようであれば、むしろ押し目買いの好機と考えていいでしょう。上値めどは今週の下落の窓埋めとなる22,700円、目先意識されやすい23,000円あたりになります。

下原 一晃