人生100年時代に資産形成は欠かせません。その際に投資情報は皆さんはどのように集めているのでしょうか。資産形成をするには為替をはじめ、株式、投資信託、不動産、太陽光、仮想通貨など様々な選択肢がありますが、身近な資産といえば、配当や株主優待などもある株式ではないでしょうか。

ただ、株式とはいっても初心者にとては難しいとお考えの方もいるのではないでしょうか。そこで今回は個人投資家のために情報発信をし、日本の個人投資家にこれまで機関投資家のみが入手してきた情報や分析を発信し、投資情報格差を埋めようとサービスをしている金融経済メディアLongine(ロンジン)編集長の泉田良輔氏が語ります。

Longineのサービス立ち上げのきっかけとは

――Longineはどのような経緯でサービスがスタートしたのか

泉田「もともと私が日本生命やフィデリティ投信でファンドマネージャーや証券アナリストをしていたのですが、2012年に独立した際に投資を始めようと家の近所にある日本を代表する大手証券会社A社の支店に出向きました。その支店の私の担当者に投資情報を求めたところから話が始めります。その営業マンが私に決して意地悪をしていたということではないのだと思いますが、その会社のルールとして、個人投資家には機関投資家に渡している水準の情報は渡していないということでした。個人投資家になった瞬間にいわゆる機関投資家が入手するような使える情報は大手証券から入手することができなかったんですね。まさしく投資情報に格差が存在しました。正直、ここまで格差があるのかと愕然としましたね」

――個人投資家向けと機関投資家向けではどのような情報格差があるのか

「機関投資家は、企業の決算が発表されると、その決算がよかったのか、悪かったのか、また株価に対してどのような影響があるのか、ないのか、などのコメントが翌日に出たりします。また、株価が上昇するような銘柄に関して、証券会社から推奨がされたり、その際には目標株価が提示され、それをもとに投資家に売買をほどこします。個人投資家向けの投資情報誌を見ても、注目銘柄が相当数掲載されていますが、その注目する根拠やバリュエーション(株価評価)に基づいた目標株価が提示されることは稀です。加えて、定期的にアップデートされることなどもありません。機関投資家向けには大手証券会社の証券アナリストが定期的にコメントをしますから、ここにもサービス格差がありますよね」

Longine立ち上げの経緯

――どのようにLongineははじまったのか

「こうした状況を当時、米投資銀行であるシティグループ証券で電気機器(電機)セクター担当の証券アナリストをしていた原田慎司と話をしていました。原田とはその後Longineを運営する株式会社ナビゲータープラットフォームをともに立ち上げることになります。こうした投資情報の格差は日本人が今後資産形成をする上では障壁(バリア)になってしまう。そうしたバリアはメディアの力を使って取り除き、シームレスな投資環境を作りたいという考えで意気投合し、会社を立ち上げサービスを始めることにしました。Longineを運営する株式会社ナビゲータープラットフォームを創業したのが2013年3月になります」

――周りの反響はどうだったのか

「アナリスト経験者が事業を立ち上げることも珍しかったですし、メディアを立ち上げるというので話題になりました。日経新聞やブルムバーグといった大手メディアも取り上げてくれましたね。Longineは基本は個人投資家向けに情報を発信していますが、おかげさまで私の周りの機関投資家やヘッジファンド運用者、事業会社のIR担当者など多くの方も読んでくださっています。Longineのセミナーを開催する際には、個人投資家だけでなく、機関投資家や事業会社の方も参加してくれているのですそ野が広がりつつあるなという手触り感はありますね」

>>「アナリスト経験者ら、個人投資家向けリポート 月1050円で配信」(日経)
>>「体力勝負アナリスト辞めます、元外資マン個人に長期投資指南」(ブルームバーグ)

Longineの名前の由来

――Longineのサービス名に込めた思いとは

「Longineという名称には、『Long(ロング)』という投資の世界では買いという意味と、将来を想像するという意味の『imagine(イマジン)』を掛け合わせた名称にしました。時計メーカー・ブランドと紛らわしいという声もありますが、こうした思いを含んだ名称と思っていただければ幸いです」

>>「Longine」の名称の由来(Longine)

「資産運用業界や証券業界では長期投資を!という声は強いですが、日本には残念ながら長期投資が根付いているとは言えません。もっともその背景には日本の株式市場が循環相場であったということがあるのですが、実際には長期で何倍にもなっている銘柄もあるので、もったいないことです」

>>「日本に長期投資家なんてほとんどいません。Longineのビジョンとは」(Longine)

フィンテック時代に突入!活動拠点を兜町から大手町に移転

――創業時はどうだったのか

「はじめは株式投資家向けのサービスを意識して東京証券取引所前のレンタルオフィスの一か所を借りて会社を立ち上げました。2013年の起業でしたが、その時から次第にFintech(フィンテック)という言葉も生まれ、金融とテクノロジーをどのように掛け合わせていくかというのがサービスにおいて重要になっていく時代となりました」

「ちょうどその時、ISID(電通国際情報サービス)さんにお声がけいただき、FINOLAB(フィノラボ)に入れていただきました。フィノラボとはフィンテックのエコシステムで、ISIDさんのほかに三菱地所さん、電通さんが参画されています。弊社はフィノラボのメディアも立ち上げ時にサポートさせていただき、フィンテック企業のメディアを担当するようなポジションとなりました」

「証券を考えれば兜町、なのですが、金融と考えれば大手町とも言えるくらい場所のメリットは大きいですね。東京駅をはさんで西と東の差ですが、これは個人的な感想ですが、思い立った時にすぐにアクセスできるという意味では大手町にオフィスがあるというメリットは大きいですね」

>>フィノラボの概要についてはFINOLAB「About Us」

フィノラボにいることのメリットとは

――フィノラボの何が良いのか。WeWorkと何が違うのか

「弊社はフィノラボにいることで銀行、証券、保険業の動向も見えてきますし、テクノロジーの変化によって金融業界が今後どのように変化していくかを想像することができますね」

「実際に、日本からFinTechの情報を発信することで英国『The Economist』や米『ブルームバーグ』から私のもとに取材依頼が来ましたね。日本の現金保有比率が高いことの背景や今後の日本のフィンテックの動向はどうなるかというのが海外メディアの興味の対象です」

>>"In Japan, the move from cash to plastic goes slowly">(The Economist)
>>"Alipay Chases Chinese Tourists to Japan"(Bloomberg)

「こうしてみるとLongineは個人投資家のための金融経済メディアですが、分析結果は海外メディアも注目する内容であって、機関投資家であろうが、個人投資家であろうがその差はないということです。同じテーマを深堀することでシームレスに日本の個人投資家に提供していきたいですね。海外メディアでもLongineの情報発信も注目されています。もしよければNavigatorPlatformのRyosuke IzumidaでGoogle検索をかけてみてください」

Longineの活用法を解説

――Longineは株式投資でどのように活用すればよいのか

「Longineは個人投資家向けに『推奨銘柄』、『話題の銘柄』、『速報』というカテゴリで投資情報を提供しています」

「個人投資家が今!注目すべき銘柄は『推奨銘柄』で記載されています。基本は長期投資を軸にその企業に注目すべき理由や目標株価、業績ハイライトとともにお届けしています。過去に推奨し、その推奨を終了した銘柄は無料でお届けしているので参考にしてみてください」

「Longineのおすすめ通りに取引するもよし、様子を見るのも自由です」

>>Longineの『推奨銘柄』の一覧
※有料会員のみがすべての情報を閲覧することができます。

「『話題の銘柄』では今後!注目すべき銘柄は『話題の銘柄』に、決算などで知っておくべき銘柄は『速報』に記載されています」

>>Longineの『話題の銘柄』
>>Longineの『速報』

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Longineの投資セミナー-泉田塾-はどうなのか

――Longineの投資セミナーはどうなのか

「Longineも2018年6月でおかげさまで5周年を迎えます。そうしたことも意識して2018年1月から投資セミナーを本格的に注力事業として始めました。その名も『泉田塾』です。先にもご説明したように大手町のFINOLAB(フィノラボ)でオープンセミナーと少人数ゼミの2つのパターンをご用意致しました」

「オープンセミナーでは、2018年1月から開催しておりますが、参加者は個人投資家をはじめ、様々なプロファイルの方に参加いただいとります。個人投資家だけではなく、ヘッジファンドマネージャー、日銀出身の大学教授や企業IRの方なども参加していただいておりまして、幅広い層の方に興味を持っていただいております」

>>Longineの2018年新春投資セミナーの様子

泉田塾の参加者や入塾者のプロファイル

――泉田塾の少人数ゼミにはどのような人が参加しているのか

「少人数ゼミは、徹底的に基礎をお伝えし、宿題をも出す真剣勝負のゼミです。2時間にも及ぶゼミですが、第1期生には経営者、サラリーマン、定年退職者など様々な方が参加されています。皆さん投資に対して非常に真剣で、質疑応答も活発です。こうした活動はカリキュラムも増やしながら、日本の個人投資家層を増やしていきたいです」

泉田塾のオープンセミナーの今後のテーマは何か

――オープンセミナーではどういったテーマを取り上げるのか

「これまで半導体業界について電子デバイス産業新聞の記者さんを迎えて、業界を深堀りしたテーマについてパネルディスカッションをさせていただきました。私自身テクノロジーアナリストとして、テック産業が今後株式市場にどのような影響をああたえるのかに注目しています」

「私自身、自動運転が各産業に及ぼす影響に非常に注目しています。『Google vs トヨタ』などの著作などもありますが、先日は英国のFinancial Timesにインタビューいただきました。自動運転などのセミナーも実施していきたいですね」

>>"Self-driving technology adds pressure on carmakers"(Financial Times)

「ベンチャー企業にもかかわらず東京・大手町で事業を運営できているということが非常にエキサイティングですね。今後ともLongineをどうぞよろしくお願いします」

LIMO編集部