新聞や雑誌の中で、社畜という言葉を目にすることもあるかもしれません。

社畜は1990年代に流行した言葉ですが、いわゆる「ブラック企業」が問題視されるようになってからは、再び注目され始めています。

2022年でも引き続き使用されている言葉ともいえます。

実のところ、社畜といわれてしまう人の考え方や行動パターンには一定の特徴があります。

今回は、社畜の特徴や、社畜を脱するための方法などをここではまとめていきます。

もくじ

1. 社畜ってなに?
2. 社畜と呼ばれてしまう社員の会社での特徴は?
3. 隠れ社畜になっていない?社畜と呼ばれてしまう社員にはプライベートにも特徴がある!
4. 社畜を脱する方法 職場編
5. 社畜を脱する方法 プライベート編
6. 社畜を脱するために心がけることとは?
7. 社畜と似た表現は海外でも使われている!
8. おわりに

社畜ってなに?

社畜とは、会社のために自分を犠牲にして働く会社員を揶揄した言葉です。

社畜は「会社」と「家畜」という言葉をミックスさせた造語で、「会社に飼われている家畜のごとく従順に働く会社員」を表現しています。

一方で、仕事熱心な人を表現する場合、社畜と合わせてよく用いられているのが「企業戦士」や「会社人間」といった言葉です。

ただ、こういった「企業戦士」や「会社人間」と社畜とは少しニュアンスが異なります。

「企業戦士」や「会社人間」も、会社のために熱心に働くという点は社畜と同じですが、社畜よりもややポジティブな意味合いが含まれていることが多いでしょう。

一方、社畜の場合は仕事をするに当たっても、会社からの圧力に強いられ、自分の意思がほとんどないのが特徴になっており、ネガティブな意味合いで使われているのが特徴です。

いわゆる「仕事熱心な働き者」との大きな違いは、思考停止の状態に陥っているにもかかわらず、本人がそれに気づかず、がむしゃらに仕事を続けてしまう、というのが社畜と呼ばれてしまう社員に見られる特徴といえるでしょう。

このようなスタイルで働く社員は、ブラック企業の増加とともに再び増える気配を見せています。パートやアルバイト、契約社員といった雇用形態でも、自分の意思を持たずに会社のいいなりになって働く人は、社畜と呼ばれてしまう可能性があります。

社畜と呼ばれてしまう社員の会社での特徴は?

会社で社畜と呼ばれてしまう社員には、例えば次のような特徴があります。

  • 社内の評価をやたらと気にする
  • 仕事を断れない
  • 残業や休日出勤をアピールしたがる
  • 上司のいうことは絶対に守る

社畜と称される社員は、概して社内評価を気にします。自分の働きぶりが周囲からどう評価されているかを常に意識しており、上司の顔色をうかがいながら行動するのが1つの特徴です。

また、無理な仕事を頼まれた場合、断ることができないのも社畜の社員に共通する傾向といえるかもしれません。社畜と呼ばれてしまう社員は、たとえ体力や時間的にキツイと感じていても、断れずに仕事を引き受けてしまいます。

このような選択をすると残業や休日出勤が増えてしまうことがありますが、社畜と呼ばれてしまう社員はオーバーワークもいといません。同僚よりも残業や休日出勤が多いことは、名誉なことだと考えているため、かえって周囲にアピールしたくなります。

また、仕事をするに当たって、自主性がないのも特徴に挙げられるでしょう。上司の指示は絶対であり、自分の判断で行動するといったことは余りありません。理不尽な指示にも文句をいわず、いわれた通りに従うのが社畜と呼ばれてしまう社員に見られる特徴といえます。

隠れ社畜になっていない?社畜と呼ばれてしまう社員にはプライベートにも特徴がある!

仕事中だけでなく、社畜と呼ばれてしまう社員にはプライベートの時間にも独特の特徴が見られるのをご存知でしょうか。もしも、ここで取り上げるような特徴に心当たりがあれば、隠れ社畜になっているかもしれません。

  • プライベートも仕事の時間に充てている
  • 接待ゴルフなどに頻繁に参加している
  • 上司に勧められた趣味を始めた
  • 翌日の仕事に備えて外出を控える

とくに急ぎの仕事でもないのに、家に持ち帰ってついついパソコン作業などをしてしまうのは、社畜と呼ばれてしまう社員に多いパターンです。

多くの場合、社畜と呼ばれてしまう社員はスキルアップのためではなく、仕事をしていないと落ち着かない、などの理由でこのような仕事漬けの行動を取ってしまいます。

また、プライベートでも仕事仲間と常に一緒にいるのも、社畜と呼ばれてしまう社員の特徴に挙げられるかもしれません。

このような人の場合、接待ゴルフや会社のクラブ活動にプライベートの時間のほとんどを充ててしまい、会社関係者以外との接触が極端に少なくなります。上司から勧められた趣味や本などに傾倒してしまう、翌日からの仕事に影響を与えないように休日のレジャーや外出を控えるといった行動も、社畜と呼ばれてしまう社員にはよく見られます。

いずれも社会人であれば多少は必要なことであることばかりですが、会社だけが生活のすべてになってしまっているところが、通常とは異なる特徴といえるのではないでしょうか。

社畜を脱する方法 職場編

自分はもしかすると社畜かも?と感じたときには、対処法を考えてみるのがおすすめです。

例えば、職場で社畜と陰口をたたかれないようにするためには、日頃の行動を少し工夫する必要があるでしょう。実のところ、それまでの習慣を変えるのは少し難しいかもしれませんが、次のような行動を意識すれば少しずつ社畜から脱却できる可能性があります。

以下のように2つの対応策があります。

仕事の量よりも質を重視する

勤務時間内の仕事のクオリティを上げることで、残業や休日出勤を減らせるケースは少なくありません。仕事内容に無駄がないかどうかを見直して、オーバーワークを減らしていくことが、社畜を脱するための1つの対処法になるでしょう。

また、仕事に対する意識を変えることも大切で、量よりも質を重視すれば、業務効率も自然に上がるかもしれません。残業や休日出勤をやみくもにするのではなく、常に作業効率を考える習慣をつけましょう。

指示を受けたらすぐに行動せずに、ワンクッション置いて考える

社内の慣例や上司の指示を守ることは大切です。しかし、こういった慣例や指示は、何も考えずに従っていればよいというものでもありません。実際に意見を口にできない場合でも、ワンクッション置いて自分で考えるようにすると、社畜から脱することができるでしょう。

社畜を脱する方法 プライベート編

社畜という汚名を返上したいときには、プライベートを見直すと社畜を脱する方法が意外と簡単に見つかるかもしれません。

以下のように2つの対応策があります。

仕事や会社とは無関係の趣味や人間関係を持つ

社畜を脱するには、仕事とプライベートのメリハリをつけることが必要になるでしょう。

例えば、仕事や会社と全く関係ない趣味を持つと、スッキリと気分を切り替えることができます。

仕事上の利益に左右されない仲間や友人ができれば、気持ちをリフレッシュできるでしょう。

自分のために勉強を始める

仕事以外で何をしていいか分からないという場合は、自分の将来に役立つような勉強を始めてみるのもよいかもしれません。

会社のためではなく、自分のために行動を起こすという点が大切です。将来や今後のキャリアを見直して、必要なことをピックアップしてみましょう。スキルアップに役立つ資格があれば、取得を考えてみてはいかがでしょうか。

場合によっては転職なども視野に入れながら、プランを練っていくと仕事への意識も少なからず変わってきます。プライベートでも自主的に行動できるようになれば、晴れて社畜の状態から脱却できる日も近づいてくるでしょう。

社畜を脱するために心がけることとは?

社畜を脱する上で心がけたいのが、例えば「他人からの評価を気にしすぎない」ということです。

社畜と呼ばれてしまう社員は、同僚や上司からの評価をやたらと気にする傾向があります。無理なオーバーワークをしてしまうのも、いうなれば「他人から評価してもらいたい」という気持ちが背景にあるからといえます。周囲の評価を気にせずに純粋に自分の仕事に打ち込むことは、社畜を脱する上でとくに心がけたい点です。

また、「目的を考えて仕事をする」ことも大切な心がけの1つでしょう。会社に貢献することが自分にとってどんな意味があるのかを、常に意識して行動するようにすると、思考停止の状態に陥るのを避けることができるのではないでしょうか。

こういった心がけを持つようにすると、自分の行動についての意識も変わってくるかもしれませんし、責任感や自信を持てるようになれば、トラブルや問題をむやみに他人のせいにしてしまうこともなくなるでしょう。社畜と呼ばれてしまう人は、仕事にも不満を抱えやすい傾向があることが指摘されています。

自分からアイデアを出すことが少ないため、いざトラブルや問題が生じると、つい周囲のせいにしてしまいがちです。心がけを変えれば、このような傾向も少なくなる可能性が出てきます。

社畜と似た表現は海外でも使われている!

日本の社畜のような表現は、海外にも見られます。

例えば、アメリカなどでよく用いられているのが、workaholic(ワーカホリック)やslave(スレイブ)といった言葉。

ワーカーホリック

workaholicは、仕事中毒の人を表現するときに使われる言葉です。欧米ではアルコール依存症の人をalcoholic(アルコホリック)と呼びますが、workaholicの場合はアルコールの代わりに仕事に中毒している状態です。仕事人間が多いアメリカでも、こういったworkaholicの傾向を持つ人はネガティブなイメージが持たれています。

スレイブ

また、slaveも欧米ではよく使われる言葉といえます。ちなみにこのslaveの単語の意味は奴隷です。その名の通り、slaveと呼ばれる人はあたかも仕事に捕らわれている奴隷のように、従順に働くのが特徴になっています。ルーティンワークに拘束され、あくせく働く人を表現するときにも、このようなslaveという言葉が使われます。

workaholicもslaveも、社畜同様にポジティブな意味合いで使われることは少なく、家庭生活を重視するキリスト教圏の欧米では、とくに軽蔑の意味を込めてworkaholicやslaveという言葉が使用される傾向があります。

おわりに

ブラック企業などで働いている場合、自分でも気がつかないうちに社畜になってしまっている可能性があります。
ただ、万が一、心当たりがあっても、ほんの少し意識や心がけを変えることで、社畜の状態から脱却することは不可能ではありません。

予備軍になってしまっている人も、ここでご紹介したようなアプローチを参考にして、少しずつ状況を変えていきましょう。

LIMO編集部