“意外に強い”4月の株式相場のアノマリーは今年も続くか? 乱高下には要注意

この記事の読みどころ

3月の日本株式相場は、FRBイエレン議長の発言に大きく振り回されました。円高進行が進んで、日本株の一人負けに近い状況もありました。

過去25年間における4月の株式相場は、意外に強く、乱高下も激しいのが特徴です。今年はどうでしょうか。

決算発表シーズンとなる4月は、決算発表時に株価が大きく動く可能性があります。また、イエレン議長の発言にも要注意な状況が続きます。

先月(3月)の株式相場の振り返り

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イエレン議長の発言に振り回された“お疲れ相場”

3月の日経平均株価は2月に比べて堅調に推移しましたが、力強さに欠けるものでした。2月末の株価(終値)との比較では、3月末終値は+4.6%上昇、3月高値は+7.9%上昇、3月安値は▲1.1%下落となっています。なお、3月末終値は2015年末比で▲11.9%下落となっています。

3月の日本株相場は、米国の金融政策の影響を受け、とりわけ、イエレンFRB議長の発言(声明)に大きく振り回されたと言えましょう。

まず、16日のFOMC後の議長会見で利上げ実施回数が減る見通しが示されたことで、ドル安(円高)が起きました。この事象は、米国を始めとする各国の主要株式市場にはプラスに作用しましたが、円高を懸念された日本株は大きく下げる結果となりました。

そして、その影響が緩和されてきた矢先の29日、イエレン議長が講演において利上げに慎重なスタンスを明確にしたことで、再び「ドル安⇒円高⇒日本株式のみ下落」という“悪夢”が起きたのです。それでも、2月に起きた急落相場からは回復感が見られたことが、辛うじて見出せる好材料でしょうか。

過去25年間の4月の株式相場を振り返る

決算期後の4月相場に対する印象は薄い?

さて、皆さんは4月の株式相場にどのような印象を持っているでしょうか。期末の3月相場の直後だけに、その反動で弱い相場というイメージがあるかもしれません。また、月末から本格化する3月期の本決算発表を控えて、動きの少ない静かな相場というイメージもあるかもしれません。

意外や意外、4月相場は思いの外強く、乱高下も激しい

実は、4月の株式相場は意外に強い一方で、乱高下も激しいという特徴があります。そこで、前月末の株価、つまり、3月末の株価との比較を見てみましょう。

すると、1991年~2015年までの25年間では、4月末の株価が3月末を上回った(4月末>3月末)のは、半分超の15回あります。意外に多いと感じた人も少なくないでしょう。

さらに、もう少し視点を変えて、同じ期間における3月末と4月の高値の比較を見てみましょう。すると、25回中24回で、4月の高値は3月末を上回っています(4月高値>3月末)。

これは極めて高い確率ですし、1993年から2015年まで23回連続して記録しています。また、唯一下回った1992年もほぼ横這いであり(▲0.0%)、少なくとも、大きく下落したことは一度もありません。つまり、4月は3月末終値より高くなる局面となる可能性が非常に高いということです。これも意外な感じです。

一方、同じ期間における3月末と4月の安値との比較を見てみましょう。すると、今度は25回全てにおいて4月の安値は3月終値を下回っています(4月安値<3月末)。つまり、4月中は必ず3月末より安くなることがあるということです。

出所:SPEEDAをもとに筆者作成

これらの結果から、4月の株式相場は平穏どころではなく、値動きが激しいと言えましょう。しかも、決算期末の翌月としては、意外に強い相場であることもわかります。

2016年4月の注目イベント、注目セクター

講演会等におけるイエレン議長の発言は要注意

4月1日の米国雇用統計の発表が終わった現在、4月は目先、大きな金融・政治イベントがありません。結果的に、3月の株式相場に大きな影響を与えたFOMCが4月26~27日に実施されますが、今回は議長会見が行われないため、FOMC関連で大きな波乱はないでしょう。

それよりも、3月29日にあったように、講演会やインタビューなどにおけるイエレン議長の発言内容の方に要注意です。

決算発表が大きな材料に

4月の最重要イベントは決算発表です。既に2月決算期の企業は本決算発表が本格化しつつありますし、3月決算期の会社も、主力企業は4月25日前後から発表が始まる見込みです。

決算発表は、その内容が織り込み済みであったとしても、“イベント型”ヘッジファンドから見れば、格好の材料になります。最近は場中に発表するケースも増えているため、株価の乱高下に注意が必要でしょう。

決算発表が始まった小売セクターなどに注目

こうした中、決算発表が一足早く始まった小売セクター、円高影響が懸念される自動車セクターや精密機器セクター、国内景気対策が実施された場合の恩恵が期待できる建設セクター、不動産セクターなどに注目したいと思います。

【2016年4月5日 投信1編集部】

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投信1編集部

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