新中期計画を発表したオリンパスの技術歴史館「瑞古洞」へ大人の社会科見学に行ってみた

大人の社会科見学は楽しい

筆者は「見学」と名のつくことが結構好きです。展示会でも、工場でも何でも実物に触れるのはいいものです。そして新しいものばかりでなく、古いものを見るのも楽しいです。一番面白いのは城の見学ではないでしょうか。城の作りだけでなく、どんな仕掛けがあるのかを見ていくと、先人の知恵の一端に触れたような気になります。

博物館のような古いものを見るのもわくわくします。製鉄所やビール工場のように五感に訴える見学だとなお楽しいと思います。

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気になっていた「瑞古洞」、北八王子に出かけてみた

筆者はカメラに関心があるので、中古カメラ屋に入ることも多いのですが、半蔵門の日本カメラ博物館のコレクションは素晴らしいと思います。品川のニコンミュージアムも人気スポットですし、六本木のフジフィルムスクエアのオールドカメラの展示にも心が躍ります。

そんなわけでカメラ好きの筆者が八王子に用事ができたので、前もって予約してオリンパスの技術開発センター石川にある「瑞古洞」に出かけてみました。

なぜ「ずいこどう」なのか

「瑞古洞」は「ずいこどう」と読みます。これは瑞光の古(いにしえ)という意味をあらわしていると思います。瑞光とはめでたいことの兆しを表す光を意味し、カメラを当初開発していた瑞穂光学研究所の名に由来するとのことで、レンズブランドZuikoとして知られています。

光学メーカーとしての歴史がわかる展示

オリンパス(7733)は1919年創業で、当初は顕微鏡メーカーでした。瑞古洞では、その第1号である「旭号」をはじめとする一連の顕微鏡や、1936年に登場したカメラ「セミオリンパスI型」、1959年に登場し一世を風靡したオリンパスペンや1973年に登場したフィルム一眼レフのOM-1などの映像事業の製品が所狭しと展示されています。もちろん、現在主力の医療事業を支える内視鏡もしっかり展示されています。

さて、展示を通して感じたことは、まずオリンパスの伝統は光学メーカーにあるということです。しかしただ光学が強いというだけではなく、内視鏡が胃カメラからファイバースコープ、そしてビデオスコープへと進化するのに合わせ、積極的に新しいイメージング技術を取り込んできたという柔軟性も持ち合わせています。この適応力が今日までの成功の秘訣だったのではないでしょうか。

新中期計画16CSPの歴史的文脈

2016年3月30日、オリンパスは今後5年間で一株利益を2倍にするという中期経営計画「16CSP」を発表しました。医療事業を中心に成長を図るという方向ですが、顕微鏡に代表される科学事業や、デジタル一眼の映像事業もしっかり利益を出していくという内容でした。

この中で筆者が一番面白いと思ったのは技術開発戦略でした。医療事業の強化には先進のイメージング技術とモバイル技術が必要なこと、この分野では映像事業との共通項が多いことなどが説明されました。新しい技術をうまく吸い上げながら、どのような新しい医療価値を提供することになるのか、オリンパスの今後を見守りたいと考えます。

【2016年4月1日 椎名則夫】

■参考記事■

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椎名  則夫

早稲田大学政治経済学部を卒業後、東京銀行(現三菱東京UFJ銀行)入行。証券運用と法人融資に携わる。
シカゴ大学MBA取得。フィデリティ投信に入社、中小型株全般、医薬品・ヘルスケア、保険、通信、インターネットの企業調査に従事。その後モルガンスタンレー証券にて株・クレジットのリスク管理業務を行う。
日本証券アナリスト協会検定会員、CFA。