毎月分配型の投資信託とのつきあいかた

投信1編集部から投資信託初心者に伝えたい3つのポイント

  • 毎月分配金を受け取れる投資信託が人気。

  • 毎月分配型投資信託が向くのは毎月分配金の使い道が決まっている人向き。

  • 中長期の資産形成を目指すなら毎月分配型投資信託は合理的ではない。

毎月分配金を受け取ることができる投資信託を考える

外国の国債などに分散投資し、高めの分配金を毎月受け取る投資信託が爆発的なヒット商品となって以来、同じようなしくみの投資信託がさまざまに発売されています。どのような場合にそういった投資信託を買うべきでしょうか?

最近ネット証券ではじめて投資信託を購入した投資信託初心者の相場晴子(アイバ・ハルコ)さんと大学の同級生で資産運用会社に勤めるファンドマネージャーの投信博士(トウシン・ヒロシ)さんが投資信託の分配金について話しています。

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話の内容は投資信託についての入門者にとっては知っておいて損はないような内容のようです。では、早速聞き耳を立ててみましょう。

毎月分配金を支払う投資信託

相場:それにしても、銀行や郵便局の預貯金の利率はいつまでたっても低いわね。景気が良くなったとマスコミで報道している割には、金利は全然上がらないわね。

投信:おー、なんとも本質的な質問だね。投資信託で運用を始めた入門者とは言えないコメントだね。それはさておき、普通預金は1,000万円まで預金保険法で元本が保証されているから、安心な点もある。だけど、それにしても低いよ、間違いない。

相場:貯金箱の小銭のほうが利息より大きいくらいだわ。

投信:それは何とも皮肉な話だね(笑)。では、そんな相場さんに耳寄りな話を教えてあげよう。

相場:儲かる話なら耳を貸すけど(笑)。

投信:相場さんも、なんだか現金になってきたなぁ。定期預金よりも有利な分配金を毎月受け取ることができる投資信託はたくさんあるんだよ。

相場:毎月!? そんな大切な話、もっと早く教えてよね。毎月お小遣いがもらえると嬉しいし、プチ贅沢もできるようになるわね。定期預金をすぐ解約してその投資信託をすぐ買いたいわ。

投信:こういう投信は、退職されて年金生活をしている個人投資家に特に人気があるんだ。月々の生活費を補充してくれるからありがたいという話だと思う。実際、僕の母親も分配型の投資信託は保有しているみたい。

相場:えっ! 博士に相談はないの?

投信:親子でも、資産運用に関しては実はあまり相談されなかったりする。正直よく知らないんだよなぁ。親がどういう運用しているかについても。

相場:そんなものかしら。

毎月好分配をするのは簡単ではない

投信:さて、相場さん、どうして一部の投資信託では毎月分配金を支払うというような夢のようなことができるか分かるかい。

相場:そりゃ、もう各運用会社の資本市場を知り尽くしたベテランファンドマネージャーが凄腕中の凄腕だからでしょ。

投信:うーん、自分の経験も含めていうと、毎月百発百中のファンドマネージャーはなかなかお目にかかれないよ。長期投資を目的に運用哲学がしっかりしたファンドマネージャーというのはすぐに見分けがつくけどね。でもそれも一緒に仕事をしてみて気づくことが多いから、なかなか外部から見分けるのは難しいね。短期的なパフォーマンスで評価するというのもいまいちだし。

相場:確かにそうだわ。博士の話をよく聞いているから運用が身近になるけれど、知らないとなかなか手触り感がないわ。

投信:運用現場の話をすれば、凄腕の投資信託のファンドマネージャーでも毎月期待された分配金を出すのは一苦労だよ。

相場:仮に運用成績以上に分配金を出すことがあれば、分配金に税金もかかるし、資産運用としてはコスト面から今一つよね。まあ、毎月使い道が決まっている投資家の方はまた別の考え方するんでしょうけど、私のように老後の生活資金の運用となると目先の分配金より将来の投資機会を確実に享受したいわ。

中長期の資産形成を狙うなら、分配金を受け取るのは得策ではない

投信:毎月分配型というのは、先日話した分配金受取コースか再投資コースの投資信託かというと前者になるよ。

相場:そうね。分配金を再投資しないで受け取って使っちゃったら、複利効果を得られないのね。

投信:その通りだよ。投資の目的が将来のための資産形成にあるなら、せっかくの分配金をもらって使ってしまうと意味がない。投資目的にあわせて投資信託を選んでいくことが必要だね。

相場:なんだか自分の人生設計を考えるのって、この年になって初めて楽しくなってきたわ。

登場人物

相場晴子(アイバ・ハルコ)。国内の大手生命保険会社の本社で勤務するOL。40代後半。未婚。慶早大学・文学部卒。最近、少し貯金も貯まってきたのでオンライン証券で口座を開設して、初めて投資信託を購入。外貨建ての銀行預金を除くと初めての投資。購入したはじめての投資信託は日本株のアクティブ運用の投資信託。でも、実は自分でどういった金融商品に投資をしたいかは十分に理解していない。

投信博士(トウシン・ヒロシ)。相場晴子の大学時代の同級生。慶早大学・経済学部卒。現在は、資産運用会社に勤務。大学卒業後、企業を調査する証券アナリスト、シンクタンクで出向しエコノミストとしてマクロ分析を経験した後、現在は株式のファンドマネージャー。趣味は、スマホゲームと釣り、サッカー観戦。

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投信1編集部

投信1編集部は、証券アナリストやファンドマネージャーとして長年の調査経験を持つメンバーで構成されており、金融・経済ニュースや投資に関する知識・アイデアをわかりやすくお届けします。