資産運用と認知症対策には相通じるものがある

投資家に伝えたいポイント

資産運用と認知症対策の共通点は、現実的な方法は決して難しいものではなく、シンプルであるということです。

シンプルなことなのに、続かない最大の要因は、目的が明確になっていないことです。

何のために資産運用をするのか、という目的を明確にすることが成功の第一歩となります。

認知症対策と資産運用は似ている!?

先日、テレビ番組で認知症についての特集をやっていました。その番組によると、“認知症とは、ある時突発的に発症するものではない”とのこと。20年以上の長い時間をかけて脳の内部が変化し、その結果として認知症になるのだそうです。

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国際アルツハイマー協会が公表した報告書には、「こういう人が認知症になりやすい」というデータがあるそうです。それをもとに、予防する方法として取り上げられていたのは、「ウォーキングをする」、「睡眠はしっかりとる」、といった生活習慣病対策と共通する基本的な内容のものでした。1つ1つは誰でもできる「ありきたりな」ことばかりです。見る人によっては、拍子抜けしてしまうかもしれません。

この番組を見ながら、ふと思いました。「認知症対策と資産運用は似ている」と。

認知症対策の要点

番組を見て、認知症対策の要点を以下のようにまとめてみました。

  • 目的:年をとった時に認知症にならない(元気に過ごす)
  • 方針:時間をかけての脳内の変化がきっかけで発症するのだから、その変化を抑えればよい
  • 方法:そのためには、生活習慣を変えればよく、そのこと自体は誰もができることである
  • 問題点:ただし、続けることが必要である(でもなかなか続かない)

資産運用の要点

一方、資産運用の要点はこのようにまとめられます。

  • 目的:将来何かをするのに必要な資金を準備する(その何かをすることで幸せに過ごす)
  • 方針:元手となる資金を使って、少しずつ増やしていけばよい
  • 方法:一発大儲けでなく、少しずつ増やすこと自体は、さほど難しいことではない
  • 問題点:ただし、続けないと必要な資金が準備できない

資産運用というと、とても難しくて、一握りの人にしかできない、何か特別なことのように思われがちです。そのためか、資産運用というだけで敬遠してしまう方もいらっしゃるでしょう。もちろん、世の中には、大きな資金を1つの投資対象に投じて、短期間のうちに大きな儲けを出す人もいらっしゃいます。しかし、それは誰もができるわけではなく、将来のための資産運用という目的にはそぐわず、あまり現実的ではありません。

シンプルなことであっても続けることは意外と難しい

認知症対策でも、資産運用でも、現実的な方法は決して難しいものではなく、シンプルです。いくらかの知識と知恵があれば、誰もがチャレンジできる内容がほとんどです。それなのにうまくいかないのは、続かないからだと考えます。逆に言えば、続けることさえすれば、成功する確率は高くなります。

目的を明確にすることが成功するための第一歩

続かない最大の原因は、目的が明確になっていないからだと考えられます。

そもそも、何のために資産運用をするのでしょうか。老後資産形成のためでしょうか。子供のための教育費用を賄うためでしょうか。それとも、将来サラリーマンから独立して事業を行うためでしょうか。また、余剰資金をとりあえず相場が良い時に増やしておきたいという理由でしょうか。

個人によって資産運用をしようと思ったきっかけは様々でしょうが、その目的を明確にしておくことが、継続するモチベーションにつながります。そうすることが、結果として、成功するための第一歩となります。

目的を明確にしておけば、途中で投げ出してやめてしまうことも少なくなります。今回の中国ショックのように、途中で波乱があった時にでも、あわてふためくことなく、的確に対応できる可能性が高くなります。

市場が混乱している時こそ、立ち止まって原点に戻って考える機会でもあります。

※参考:NHK ONLINE 健康ホームページ

2015917日 藤野敬太】

■参考記事■

>>失敗しない投資信託の選び方:おさえるべき3つのNGと6つのポイント

>>資産運用の始め方に迷ったらとりあえずバランス型投資信託

藤野   敬太

東京大学経済学部を卒業後、プライスウォーターハウスクーパースコンサルタント(現日本アイ・ビー・エム)等を経て、2001年から2013年まで、日興アセットマネジメントにて、アナリストおよびファンドマネージャーとして日本株ファンドの運用に従事。
現在は、オフィス・ラコルドの代表として、ファミリー向け・ファミリービジネス向けのコンサルティングおよびアドバイザー業務を展開する。
CFP(日本ファイナンシャル・プランナーズ協会認定)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、シニア・プライベートバンカー(日本証券アナリスト協会認定)。