自動車メーカー淘汰のカギを握る「エコカー」とは何か。改めて考える

日本国内で人気が高いハイブリッド車「プリウス」(写真:トヨタ自動車)

キーワード解説の読みどころ

環境に優しいエコカーは、燃費性能に優れたクルマの総称。ハイブリッド車など、大きく3つに分類することができる。

ガソリン価格の下落でやや注目度は低下気味だが、21世紀は自動車メーカーの優劣を決める要素の1つとして重要なキーワード。

究極のエコカーである次世代環境車は、本格普及にはまだ相当な時間を要する見込み。

エコカーは燃費の良いクルマの総称

エコカーとは、その名の通り、環境に優しいクルマ、環境への負担が小さいクルマを意味します。ここで言う「環境に優しい」という言葉には様々な意味が含まれますが、大きく言うと、走行時の排出ガスを少なくすること、そして消費燃料を削減することの2点です。この2つを達成するためには、燃費性能を大幅に改善することが必要不可欠になるため、エコカーは“燃費性能の優れたクルマ、燃費の良いクルマ”と言い換えても差し支えないでしょう。

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21世紀は今日に至るまでエコカー開発競争の時代

昨年秋から原油価格の下落が続き、それに伴ってガソリン価格も下がっています。そのため、最近では注目度がやや低下していますが、21世紀に入ってから今日までの約15年間は、エコカーは自動車業界の最大のテーマであったと言えます。この間、ガソリンを始めとする燃料価格は高騰を続けたため、燃費性能が自動車メーカーの販売の優劣を分けたことは事実です。足元のガソリン価格は下落していますが、自動車メーカー各社で繰り広げられるエコカー開発競争、つまり、いかに燃費性能の優れたクルマを開発するかは、もはや止めることのできない世界的な流れです。

エコカーは大きく3つに分類することができる

さて、一口にエコカーと言っても、その範囲は広く、様々な種類のエコカーが存在します。明確な定義があるわけではありませんが、大きく分類すれば、(1)従来のエンジンを動力源としないクルマ(エンジンを使わない)、(2)エンジンとモーターを組み合わせたクルマ、(3)従来のエンジンで環境性能を大幅に改善したクルマ、の3つでしょう。(1)に属するものには、電気自動車や燃料電池車があります。(2)の代表的なエコカーは今も人気のあるハイブリッド車でしょう。(3)に含まれるのは、それ以外のエコカーということになりますが、最近は各社の独自技術を用いて燃費性能を飛躍的に向上させたクルマが数多く出ています。また、従前からある軽自動車もこの(3)に属すると考えていいでしょう。

日本ではハイブリッド車が圧倒的な人気

現在、世界的に見れば、まだエコカーの主流は定まっていません。エコカーは膨大な開発費用がかかるため、その分、販売価格も高くなります。それもあって、どのエコカーも完全な普及には至っていないと言えますが、日本や米国などでは、(2)に挙げたハイブリッド車が徐々にスタンダード(標準)になってきました。特に、日本でのハイブリッド車人気は高く、この領域での先駆者であるトヨタ自動車のハイブリッド車「プリウス」は、その地位を確立しています。現在、このハイブリッド車は生産コストも低下しており、普通のガソリン車より若干高いくらいの販売価格が実現されていることも、普及を高めている一因です。

次世代環境車の本格普及には官民一体の活動が必要不可欠

エコカーのうち、(1)に挙げたエンジンを使わないエコカーを「次世代環境車」と呼んでいます。電気自動車や燃料自動車は、いずれもガソリン等の燃料を一切使用しませんし、排出ガスも一切ないことから、まさしく究極のエコカーと言えます。しかし、まだ販売価格が高いことや、充電や水素供給のインフラ整備が遅れていることなどから、本格的な普及にはまだ相当な時間を要すると見られています。実際、2010年に本格発売された電気自動車は、その普及が大きく遅れていることは否めません。今後は、自動車業界だけではなく、他業界や政府を含む官民一体の普及活動が求められるでしょう。

【2015年9月1日 投信1編集部】

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投信1編集部

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