発表時に失笑されたRoBoHoNに新しいシャープの姿を見た

今年も日本最大のエレクトロニクスショーであるCEATECが開催される季節になりました。日本の電機業界の凋落が叫ばれて久しいですが、CEATECからも、その傾向が感じられます。日本最大の電機メーカーである日立だけではなく、ソニー、東芝も出展していないので。当然、期待値は下がらざるを得ません。

期待していなかった今年のCEATECだが...

そうした思い込みを、良い意味で裏切ってくれたのが、今年のCEATECのシャープです。目玉はRoBoHoN(以下、ロボホン)。二足歩行型ロボットに、携帯電話機能とプロジェクターが組み込まれています。

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偶然会った某社の経済記者によると、メディア向け発表会では失笑が漏れたといいます。理由は定かではありませんが、経営危機にあるのに、こんなお遊びをしている場合ではないだろう、というのが原因ではないかと勝手に想像します。

しかし、しばらくロボホンのデモを見ていると、先ほどの思い込みは消え去り、むしろ、ロボホンの笑顔から目を離すことができなくなっていた自分がいました。理由は3つです。

1つ目は表情が豊かで、なんとも憎めないこと。目玉も動くし、10数個のモーターにより足も腕も細かく動くため表情が豊かなのです。

2つ目は双方向での対話力。音声認識エンジンが組み込まれており、「ロボホン立ち上がって!」「メールを読み上げて!」とお願いすると、ロボホンが命令を認識してくれます。

3つ目は、背中のプロジェクターで写真を大画面で映すことができ、電話がパーソナルなプロジェクターにもなることです。

説明員の方によると、発売は2016年前半で、価格や電池寿命など細かいスペックも現時点では開発中のため未定ということです。

RoBoHoNに見るシャープの変化

では、なぜこんな面白い製品が突然できたでしょうか。通信という要素技術がシャープにあることは知っていましたが、ロボット技術は?と質問すると、「ロボ・ガレージ」というロボットのベンチャー企業と共同開発したとのことです。

自前主義から脱却したオープンイノベーション。今までのシャープに欠けていた事業の進め方も取り入れているのは素晴らしいと思いました。

今後の事業計画、特に、いかにコストを下げていくのか(メカ機能が多く、製造の自動化は容易ではなさそうです)、使い捨てと割り切るのか、長く使ってもらうのか(そのためには万全の修理・保守サービスが必要)、など、まだまだ精査すべきことは多いですが、注目すべき製品であることに違いありません。

CEATECは、10月10日(土曜日)まで幕張メッセで開催されています。お時間があればロボホンに会いに行ってあげてください。

【2015年10月9日 和泉 美治】

■参考記事■

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和泉 美治

同志社大学文学部卒業後、エルコインターナショナル (現:京セラエルコ) に入社。英国バーミンガム大学にてMBA取得。
その後UBSフィリップスアンドドリュー証券 (現:UBS証券) に入社し、調査部にてエレクトロニクスセクターを担当。2002年より2013年までJ.P.モルガンにて産業用エレクトロニクス及び民生エレクトロニクスセクターを担当。
日本証券アナリスト協会検定会員。