2015年10月19日(月)発表の中国GDP(2015年7-9月期)は波乱含みの展開か

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この記事の読みどころ

10月19日(月)11:00発表予定の中国7-9月期GDPに注目。

前回同様、今回の中国7-9月期GDP発表日前後も、波乱含みの展開か。

中国7-9月期GDP成長率が市場予想を上回るかどうかをチェック。

10月19日(月)11:00発表予定の中国7-9月期GDPの動向に注目

GDP(国内総生産)は、一定期間内に国内で産み出された付加価値の総額です。GDPは非常に重要な経済指標なので、外国人投資家が海外投資をする際には、最初に投資対象国のGDP見通しをチェックします。

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しかし、中国GDPにおいては、発表時期および基礎データの集計方法等を巡る疑念から、マーケットを度々混乱させてきました。今回の中国7-9月期GDPも、世界各国の株式市場や外国為替市場を動かす可能性が高いので、要注目です。

注目点は中国GDP成長率が市場予想を上回るかどうか

ここで、中国4-6月期GDP発表前後の動きを簡単におさらいしてみましょう。7月15日の発表日を挟み、中国当局者が「GDP統計は意図的に引き上げられたことはない」と発言したと一部報じられました。

これを受け、中国の経済指標に対する疑念が再燃し、上海総合指数は続落。事実、GDPの基礎データとなる一般経済統計を確認すると、不動産の在庫増を背景に、1-6月期の不動産開発投資の伸び率は+4.6%(前年同期比)と、2014年の伸び率10.5%(前年比)から鈍化しており、実態経済は明らかに減速しています。

もう一つの懸念としては、新興国の経済指標では散見されることですが、主要産業の移行期(中国の場合、製造業からサービス業へのシフト)において、基礎データを集積しきれていない可能性も挙げられます。

このように、マーケットに様々な思惑が広がる中、中国7-9月期GDP成長率(前年同期比)が市場予想の6.8%を上回るかどうかが注目されます。市場予想を上回る内容だった場合、上海総合指数を始め、S&P500、TOPIX等の株価指数の支援材料となります。

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出所:SPEEDAをもとに筆者作成

【参考情報】GDP(国内総生産)の基礎知識

そもそもGDP(国内総生産)とは?

GDPは、一定期間内に国内で産み出された付加価値の総額となります。QE(Quarterly Estimations)と呼ばれ、四半期毎の国内総生産の伸び率を算出します。また、把握の対象が国民経済全体の生産活動になるので、景気動向を把握するには便利な統計です。

GDP統計を見る上では、2つの留意点があります。第一に、統計として集計するのに時間がかかることです。第二は、速報値として発表されるので、後日、一段と多面的なデータで計算される確報値として修正される点です。

そこで、通常はGDP統計よりも早く発表される経済指標をチェックして、経済動向を把握しようと努めます。

中国GDP(国内総生産)の問題点

中国のGDPは、中国国家統計局が4、7、10、1月の中旬に発表します。米国の統計手法を参考にした国際慣行に準じているとされているものの、その発表の早さが問題視されます。

参考までに、前回の4-6月期の中国GDPの発表日を見ると、中国:7月15日、英国:7月28日、ユーロ・ドイツ:8月14日、日本:8月17日、米国:8月30日でした。そもそも、GDPは基礎データの集計及び加工作業があるので、発表までに約2か月間かかることが多いのです。

各国のGDPは、日本の地域間産業連関表のように不整合項目を調整しない限り、域内総生産と全国計が一致することの方が稀です。ただ、中国各省の域内総生産を合計すると、概ねGDPより10%以上大きくなります。

真偽のほどはわかりませんが、出世のかかった地方の役人により、集計データが「加工」されているからだとも言われていることも頭の片隅に入れておきたいものです。

※元データの確認は、中国国家統計局のウェブサイトをご参照ください。

【2015年10月19日 投信1編集部】

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岡野 辰太郎

1976年生。大学在学中、マイクロソフトのインターンシップへ参加。
横浜国立大学大学院卒業後、三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社の投資ストラテジストとして、リサーチ業務に従事。
同社退社後、Webサービスの開発・運営を行う株式会社アーブを設立。モノづくりのクラウドファンディング「SpotLight(スポットライト)」を運営中。