なぜマツダ株は“一人負け”に近い状況が続くのか?

この記事の読みどころ

2015年は自動車株のパフォーマンスがやや芳しくありませんが、その中でもマツダ株の不振が顕著です。

下落した他の自動車株は、新興国市場への依存度が高いのが特徴ですが、マツダはこれとは異なります。

マツダが強みを持つ欧州地域には懸念材料が山積しており、これが株価不振の主要因の1つと考えられます。

やや不振が続く2015年の自動車株のパフォーマンス

アベノミクス始動以降、日本の株価上昇を牽引してきたセクター(業種)の1つが自動車株です。

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しかし、2015年は、新興国市場の先行き不透明感等を背景に、自動車株はやや低迷しています。一部を除くと、業績は堅調に推移しているのですが、株式市場のテーマから疎遠になったことも一因かもしれません。

その中で、マツダ(7261)の不振が顕著です。2014年末の終値と比較した下落率は▲33%となり、自動車株の中では断トツの最下位。

他にも▲10%以上下落した自動車株も散見されるため、“一人負け”というのは少し言い過ぎかもしれませんが、それに近いことは間違いありません。

なぜ、マツダ株だけ突出して不振なのでしょうか。

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(注)上図は2014年末と2015年9月18日終値との比較

マツダという自動車メーカーの特徴

まず、マツダという会社について簡単に説明しましょう。

マツダは国内市場シェアで第6位の中堅メーカーですが、欧米を中心とした海外市場で強みを持っています。特に、欧州市場でのプレゼンスは非常に高く、最も認知度が高い日本車メーカーの1つと言えます。

マツダは他社よりも輸出比率が高く、為替の影響を大きく受けるのが特徴です。そのため、過去の円高局面において、何回かの深刻な経営危機に直面しました。

ただ、アベノミクス始動以降の円安進行で業績は急回復しており、先の2015年3月期は2期連続の最高益更新を達成しています。

他の下落した自動車株は回復が遅れている新興国市場への依存度が高い

さて、図表1を見ると、昨年末以降で▲10%以上下落した自動車株には、マツダを除いて大きな特徴があります。

それは、新興国市場(特にASEAN地域)のウエイトが相応に高いことです。実は、▲7%下落のダイハツ工業も同じ傾向です。これらは、ASEAN地域の回復が遅れている現状を如実に反映していると言えましょう。

ところが、マツダのASEAN市場への依存度は非常に低く、他の自動車株の下落と整合性が取れません。何か他に理由があると考えた方がよさそうです。

欧州地域に燻る多くの懸念材料がマツダ株不振の主要因か

現時点では、マツダが強みを持つ欧州事業が懸念されている可能性が高いと考えられます。欧州経済は緩やかな回復基調が続いていると言われています。

しかし、1月のフランスにおけるテロ事件、6月には再度のギリシャ危機、そして今回の深刻なシリア難民問題など、多くの懸案事件が発生しました。また、2014年から続くウクライナ危機によりロシア経済が崩壊状況にあるため、欧州諸国への影響が懸念されたままです。

さらに、年初には145円/ユーロ前後だった為替レートは、最大で126円/ユーロ付近まで円高となりました(現在は135円/ユーロ付近)。こうした欧州地域における懸念材料は、ほとんどがいまだに燻っている状況です。

マツダ株への投資は、欧州地域の懸案解決の目途を見計らってからでも遅くはないかもしれません。

【2015年9月20日 投信1編集部】

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