株の大暴落はやってくるのか―歴史に見る循環相場の日本

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この記事の読みどころ

株価の動きを適切に把握しやすい株価指数は、TOPIX(東証株価指数)だと言えます。

TOPIXは、下値は800、上値は1,800をいったりきたりしています。

世界の株式相場では、9~10年に1度、大きな相場の危機が起きています。

日経平均株価は2万円を超えたが、TOPIXはリーマンショック前の高値を超えず

アベノミクスで日経平均株価は2万円を超えました。しかし、日経平均株価は値がさ株(株価水準の高い株)の影響が大きいため、株価指数という観点からは、TOPIX(東証株価指数)の方が株価の動きを適切に把握しやすいと言えます。

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下図はTOPIXと米国を代表する株価指数であるS&P500で、1985年12月末を100として株価推移を見たものです。下図から分かる特徴を見ていきましょう。

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まずは、TOPIXについてです。

  • 日経平均株価は2万円を超えているが、TOPIXは2008年のリーマンショック前の水準を抜けていない
  • バブル経済崩壊以降は循環相場であり、足元の指数も高値圏内
  • TOPIXは、下値は800、上値は1800をいったりきたり

次いで、S&P500を見ていきましょう。

  • 1990年代末のITバブル前からリーマンショック後まではTOPIXの動きと酷似
  • リーマンショック以降の回復が早かった
  • 2013年以降、リーマンショック前の株価水準を抜けて上昇を続けた

このように、米国の株式相場すら景気循環の流れには逆らえないのですが、ひとたび景気が上向くと新しい企業が生まれ、そうした企業の業績が伸長することで株価が上昇していきました。日本の状況と比べると羨ましい限りです。

繰り返しやってくる相場の危機

さて、相場の循環と危機は必ずしもタイミングが同じになるわけではありませんが、重なることは多いです。資産運用をする方は、過去の大きな相場の危機は頭に入れておいて損はないでしょう。

下図は、1987年のブラックマンデー以降、最近の中国ショックまでを含めて、いつ、どこで相場の危機が起きたかをまとめたものです。

イベント名 時期 震源地
ブラックマンデー 1987年10月19日 米国
アジア通貨危機 1997年7月 タイなど
リーマンショック 2008年9月 米国
ギリシャ危機 2015年6月 ギリシャなど
中国ショック 2015年7月 中国

実はこうしてみると、世界の株式相場では9~10年に1度、大きな相場の危機が起きています。最近でも、ギリシャ危機や中国ショックがありましたが、リーマンショックからまだ10年たっていません。リーマンショックから9~10年後といえば2017~2018年頃になり、2020年の東京オリンピックの2~3年前に当たります。

前回、1964年の東京オリンピックの際にもオリンピック景気はあったものの、山一證券が実質的に破たんする等、深刻な証券不況が起きました。オリンピックがあるからといって、何もかもがバラ色というわけではなさそうです。

まとめ

米国の利上げが今後も議論され続けられるとは思いますが、それはひとえに景気が好調で株価が上昇しているからできる健全な議論です。一方、日本はといえば、TOPIXを見る限りはピーク水準に差し掛かっており、現状からさらに景気が拡大し、企業の業績が拡大していかなければ、これ以上の株価水準に突き抜けていくのは難しそうです。引き続き、日本株の運用は、景気の指標に注目しながら慎重さが必要のようです。

【2015年9月19日 投信1編集部】

■参考記事■

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投信1編集部

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