REIT(リート)とは何か?REITとREITファンドの活用法を徹底解説

資産運用を始めようという方の中には、不動産を投資先にとお考えの方もいらっしゃると思います。不動産投資と一口に言っても、ワンルームマンションやアパート一棟丸ごとといった実物資産、上場している不動産投資信託とよばれるREIT(リート)※、様々なREITを組み入れたREITファンド※というように様々な選択肢があります。

※投資1編集部注:上場している不動産投資信託をREITと呼びます。また、資産運用会社が様々なREITを保有し運用する投資信託を、ここではREITと区別するために“REITファンド”と呼ぶことにします。間違えやすいので改めて整理しておきます。

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購入の手間や投資金額を考えると、資産運用の初心者にとってはREITやREITファンドは実物の不動産よりも扱いやすい金融資産と言えます。REITやREITファンドを購入することで、日本だけではなく、間接的に世界の有名不動産のオーナーになるということも可能です。

■目次■

1 REIT(リート)とは
 1.1 REITは投資信託の一種だが、上場している
 1.2 REITはどのような物件に投資をしているのか
 1.3 日本のREITを見てみよう
 1.4 REITを保有後に投資家が得られるキャッシュフロー
 1.5 REIT(リート)の今後の見通し―インフレに強い資産
 1.6 REIT(リート)のリスク-金利と基準価額の関係
2 個人投資家ポートフォリオにおけるREIT(リート)とREITファンド
 2.1 不動産をポートフォリオ(資産の組み合わせ)の中でどのように扱えばよいのか
 2.2 REITファンドのメリットとデメリット―メリットは最低投資金額が低いこと
3 アクティブREITファンドかインデックスREITファンドか
4 毎月分配型REITファンドは資産運用の選択肢として、ありかなしか
5 REIT(リート)ファンドの純資産ランキングトップ10トップ10すべてが毎月分配型!
6 REIT(リート)ファンドの紹介
7 まとめ

1 REIT(リート)とは

REITファンドを見ていく前に、まずはREITファンドを構成するREITについて解説をしたいと思います。

1.1 REITは投資信託の一種だが、上場している

REITとは、“Real Estate Investment Trust”の略で、不動産に投資をする投資信託の一種です。REITの特徴としては、株式市場に上場をしており、株式やETFのように市場で売買することが挙げられます。

1.2 REITはどのような物件に投資をしているのか

REITは、オフィス、ホテル、住宅、物流施設、商業施設などを始はじめとした不動産に投資をしています。REITの中でも、投資する物件を一定の種類に「特化」するタイプと、物件の種類を組み合わせる「複合型」と呼ばれるタイプのものがあります。

1.3 日本のREITを見てみよう

以下、日本のREITを時価総額順にあげておきます。時価総額で言えば、日本ビルファンド投資法人(証券コード:8951)は8,000億円を超えており、株式市場でもそれなりの存在感があります。

また、投資法人名を見ると、そのREITがどういった種類の不動産に投資をしているかを知ることもできます。

証券コード 投資法人名 時価総額(億円)
8951 日本ビルファンド投資法人 8,119
8952 ジャパンリアルエステイト投資法人 7,332
8953 日本リテールファンド投資法人 5,880
8960 ユナイテッド・アーバン投資法人 4,227
3283 日本プロロジスリート投資法人 3,816
8954 オリックス不動産投資法人 3,690
8955 日本プライムリアルティ投資法人 3,413
3269 アドバンス・レジデンス投資法人 3,237
3281 GLP投資法人 3,010
8976 大和証券オフィス投資法人 2,952

出所:SPEEDAをもとに投信1編集部作成。2015年9月25日現在

1.4 REITを保有後に投資家が得られるキャッシュフロー

REITを購入した投資家は、REITが保有する不動産から得られる家賃収入や売却益などを分配金として得ることができます。

また、REITは税制上のメリットがあります。家賃や不動産の売却益などにより得られた収益の90%以上を分配金にするという条件を満たせば、法人税はかかりません。投資家にとって、上場企業の株式を保有し配当を得ることと比較すると税制面で有利ということが言えます。

1.5 REIT(リート)の今後の見通し―インフレに強い資産

REITは不動産を保有し、またその不動産から家賃収入を得ます。したがって、将来インフレの見通しがあり、それにともなって家賃収入が上昇すると資本市場が期待するのであれば、REITの株価は上昇することになります。つまり、REITの家賃収入は債券における利子やクーポンと同様の安定した収入である一方、その収入はインフレによる上昇を期待できる資産と言えます。言い換えると、インフレに強い資産といえます。

1.6 REIT(リート)のリスク-金利と基準価額の関係

REITの価格(株価)は、長期では保有する不動産から将来得られる家賃や売却に伴う収入を現在価値に割り戻した水準となります。したがって、金利が変動する前後で、家賃収入などが変化しないという見通しであれば、REITの価格は変動します。金利が上がばREITは下落しますし、金利が下がればREITは上昇します。

しかし、先ほどもコメントしましたように、金利が上下する背景として、インフレなど物価水準の変動を資本市場が期待するのであれば、単純に金利が上がればREITは下落し、金利が下がればREITが上昇する、ともいえません。

たとえば、米国FRB(日本の日本銀行に相当)はこれまでの量的緩和の金融政策から転換し、将来利上げを実施する可能性があります(2015年9月26日現在)。米国は利上げの環境下で、米国REITは今後魅力的な資産でなくなるのかといえば、必ずしもそうとは言い切れません。米国が利上げをする可能性があるというのは、米国の景気がこれまで以上に上向いてきたという背景があるからです。景気が良ければ、賃料も上昇傾向にあるといえるからです。

2 個人投資家ポートフォリオにおけるREIT(リート)とREITファンド

2.1 不動産をポートフォリオ(資産の組み合わせ)の中でどのように扱えばよいのか

既に35年の住宅ローンを組んでおり、これ以上不動産への投資は考えられない、またバランス型投資信託を保有しているので、分散投資としての不動産は必要ないとお考えの方もいらっしゃるかと思います。

分散投資を心掛けるのであれば、国内で住宅ローンを組んでいる方に、さらに日本のREITは必要ないかもしれません。ただ、米国やアジアのREITは地域で分散されている点、また、アジアなどの経済成長率の高い国や地域のREITはカントリーアロケーションという観点からは検討の余地があると思います。

また、バランス型投資信託をお持ちで既に分散投資をされているとお考えの方も、保有されているバランス型投資信託をご確認いただくと、ポートフォリオにREITが含まれていない場合もあります。

このように、REITは投資家ごとに運用する資産に応じてどう取り込むかという点で異なる結論が出やすい資産と言えるかもしれません。ただし、株式や債券といった定番資産にエッセンスを加えるという観点からは面白い資産といえるでしょう。

2.2 REITファンドのメリットとデメリット-メリットは最低投資金額が低いこと

では、REITを保有するのとREITファンドを保有するのとでは何が違うのでしょうか。

REITファンドのメリットは、一言で言うと例えば1万円程度の少額から投資可能ということです。一方、REITは、たとえば前述の日本ビルファンド投資法人であれば、最低投資金額は57.5万円(2015年9月25日現在)と、一般的な投資信託であるREITファンドと比較すると簡単には手が出しにくいのではないでしょうか。

一方、REITファンドのREITに対してのデメリットは、信託報酬が必要となることです。これは投資のプロに運用を委託するために発生するもので仕方がない費用ですが、できるだけ信託報酬が低い投資信託を選ぶことが長期投資をお考えの方にとっては大切です。

3 アクティブREITファンドかインデックスREITファンドか

さて、ここまでアクティブファンドであるREITファンドを中心に話を進めてきましたが、REITそのものが株式市場に上場しており、REITのインデックスファンドも存在します。長期投資を志向される方(つまり毎月分配型REITファンドは必要のない方)は、ぜひ信託報酬の低いインデックスREITファンドを探してみてはいかがでしょうか。

4 毎月分配型REITファンドは資産運用の選択肢として、ありかなしか

長期投資を目指す投資家は、保有する投資信託において再投資を志向するでしょう。一方で、毎月分配型投資信託がよいとお考えの方もいらっしゃることでしょう。

では、人気ランキングによく顔を出す毎月分配型REITファンドはそもそも検討する意味はあるのでしょうか。

そもそもREITは定期的に得られる不動産の賃料などを分配金の原資とすることができます。したがって、REITファンドにおいては、毎月分配金を支払うという仕組みに大きな違和感はありません。ただし、ファンドのパフォーマンス(運用成績)と分配金の関係については、「基準価額+分配金」をしっかりと確認する必要があります。

5 REIT(リート)ファンドの純資産ランキングトップ10-トップ10すべてが毎月分配型!

日本でどのようなREITファンドの純資産額が大きいのかを、楽天証券で取り扱っている投資信託を中心にまとめてみました。

トップ10の特徴として以下の3つのポイントをあげることができます。

  • トップ10のREITファンドすべてが毎月分配型
  • 海外REITのREITファンドは10本中7本
  • 信託報酬はJ-REIT(ジェイリート)については1%前後だが、海外REITファンドは、株式型投資信託のアクティブファンド並みの水準
ファンド名 運用会社 純資産(億円) 信託報酬(年率・税込み) 毎月分配
新光US-REIT オープン 新光投信 12,721 1.6524%
ラサール・グローバルREITファンド(毎月分配型) 日興アセットマネジメント 12,004 1.62%
フィデリティ・USリート・ファンドB(為替ヘッジなし) 日興アセットマネジメント 9,144 1.512%
ダイワ・US-REIT・オープン(毎月決算型)Bコース(為替ヘッジなし) 大和投資信託 5,870 1.6416%
ワールド・リート・オープン(毎月決算型) 三菱UFJ国際投信 5,783 1.674%
J-REIT・リサーチ・オープン(毎月決算型) 三井住友トラスト・アセットマネジメント 4,014 1.08%
ニッセイJ-REITファンド(毎月決算型) ニッセイアセットマネジメント 3,061 1.08%
アジア高利回りリート・ファンド 三井住友アセットマネジメント 2,936 1.8124%
新光J-REITオープン 新光投信 2,173 0.702%
ゴールドマン・サックス米国REITファンドBコース(毎月分配型、為替ヘッジなし) ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント 1,966 1.5444%

出所:楽天証券のウェブサイトを基に投信1編集部作成(2015年9月26日現在)

6 REIT(リート)ファンドの紹介

J-REITファンド

ニッセイアセットマネジメントが運用する「<購入・換金手数料なし>ニッセイJリートインデックスファンド」は信託報酬(年率・税込み)が0.3618%と投資信託の中でも信託報酬は低い水準にあります。

投資信託名 信託報酬(年率、税込み) 主な取扱ネット証券と手数料
<購入・換金手数料なし>ニッセイJリートインデックスファンド
0.3618%
SBI証券:0%
楽天証券:0%
マネックス証券:0%
カブドットコム証券:0%

先進国REITファンド

三菱UFJ国際投信が運用する「eMAXIS 先進国リートインデックス」は信託報酬(年率・税込み)が0.648%と海外REITファンドの中でも魅力的な水準にあります。組み入れている銘柄のうち70%は米国のREITです。投資先の用途ですが、店舗向けが約30%、オフィスが約13%、住宅用が約13%となっています(2015年8月31日現在)。

投資信託名 信託報酬(年率、税込み) 主な取扱ネット証券と手数料
eMAXIS 先進国リートインデックス
0.648%
SBI証券:0%
楽天証券:0%
マネックス証券:0%
フィデリティ証券 :0%
カブドットコム証券:0%
SMBC日興証券:0%
岡三オンライン証券:0%

新興国REITファンド

新興国REITファンドは先進国REITファンドと比較して品揃えは少ないのですが、インデックスREITファンドでは、三菱UFJ国際投信が運用する「eMAXIS 新興国リートインデックス」という商品があります。信託報酬(年率・税込み)は0.648%と、同社が運用する「eMAXIS 先進国リートインデックス」の信託報酬と同水準です。

投資信託名 信託報酬(年率、税込み) 主な取扱ネット証券と手数料
eMAXIS 新興国リートインデックス
0.648%
SBI証券:0%
楽天証券:0%
マネックス証券:0%
フィデリティ証券:0%
カブドットコム証券:0%
SMBC日興証券:0%

また、新興国REITでのリターン(収益)を銘柄調査とその選択によって積極的に狙うのであれば、アクティブファンドも選択肢のうちの1つでしょう。三井住友トラスト・アセットマネジメントが運用する「アジアREIT・リサーチ・オープン(年2回決算型)」はファンドマネージャーが定期的にアジアを訪問し、個々のREITを吟味して投資妙味のあるREITを組み入れる運用を行っています。信託報酬は1.5984%(年率・税込み)とインデックスファンドと比較すれば高めですが、長期でアジアの成長を取り入れるための投資信託といえるでしょう。

投資信託名 信託報酬(年率、税込み) 主な取扱ネット証券と手数料
アジアREIT・リサーチ・オープン(年2回決算型)
1.5984%
SBI証券:3.24%以内
楽天証券:3.24%以内
マネックス証券:3.24%以内
カブドットコム証券:3.24%以内
SMBC日興証券:3.24%以内

7 まとめ

いかがでしょうか。まだ、REITもREITファンドも挑戦したことがない、また保有されていないという方は、一度検討してみる価値のある資産だと思いますので、ご参考にしていただければと思います。

投信1編集部

投信1編集部は、証券アナリストやファンドマネージャーとして長年の調査経験を持つメンバーで構成されており、金融・経済ニュースや投資に関する知識・アイデアをわかりやすくお届けします。