NISA(ニーサ)や確定拠出年金の普及に伴い、何らかの形で投資信託に触れる方が増えてきています。投資信託は、1万円以下の少額資金でも分散投資ができる、あるいはプロのファンドマネージャーに運用をお任せできる便利な存在です。

ところが、「投資信託の選び方」について体系立った知識をお持ちの個人投資家はごく限られているようです。

個人投資家における株(日本株)の売買は約95%がネット経由である一方で、投資信託についてはネット経由が約5%にとどまっています。

投資信託の品揃えも、手数料も、ネット証券が大手証券会社やメガバンクより優位に立っているにも関わらず、大半の個人投資家が証券会社や銀行の営業担当者経由で投資信託を購入しているのです。この現実の背景には、「投資信託の選び方が分からない」という個人投資家の悩みがあるのではないでしょうか。

5000本以上もある投資信託の中から、「最も値上がりする投資信託」を見つけるのは、いくら経験を積んでも難しいことです。

しかし、以下のでご紹介する「3つのNG、6つのチェックポイント」を参考にしていただければ、適切なリスクで、経済合理性に優れた投資信託を選ぶことができるはずです。誤解を恐れずにいえば、「ババを引かない投資信託選び」が可能になると思います。

これからご紹介する鉄則は、一種の「ネガティブチェックリスト」です。みなさんが住宅を購入される際には、地盤が弱くないか、騒音が無いか、治安が悪くないかなど、事前に数々のネガティブチェックをされると思います。投資信託についても、最低限のネガティブチェックを習慣づけていただければ、大切なお金を効率的に運用できるようになると願っています。

ざっくりいうと

  • 人気ランキング、分配金、過去の運用成績だけで投資信託を選ぶべきではありません。
  • 投資信託選びには、ネット証券が無料で提供している「スクリーニング機能」が便利です。この記事で紹介する6つのチェックポイントで絞り込んでいただければ、ババを引くリスクは大きく低減されます。
  • 投資信託を買いたい投資家にはSBI証券と楽天証券が特にオススメです。これら2社は投資信託の取扱数が2,000を超えており、金融機関の中でダントツの存在です。特に、楽天証券では、ネット証券で唯一、日経新聞の記事も実質無料で読むことができるので、口座開設(無料)をしておくだけでも年5万円相当のメリットが得られます(参考:日経新聞が無料で読み放題? ネット証券のお得な活用法)。


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■目次■

1 投資信託選びの基準にしてはいけない3つのNGポイント
 1.1 人気ランキングと儲けは無関係
 1.2 分配金にこだわらない
 1.3 過去の運用成績で投資信託を選ばない
2 投資信託選びで確認したい6つのチェックポイント
 2.1 Check1 投資信託の純資産残高の水準で絞り込む
 2.2 Check2 資産のタイプで絞り込む
 2.3 Check3 償還日で絞り込む
 2.4 Check4 買付手数料(販売手数料)で絞り込む
 2.5 Check5 信託報酬・信託財産留保額をチェックする
 2.6 Check6 分配金込・再投資後の基準価額のチャートをチェックする
3 まとめ

1 投資信託選びの基準にしてはいけない3つのNGポイント

1.1 人気ランキングと儲けは無関係

誰しも「人気商品ですよ」「みんな買っていますよ」と言われると、心が揺れ動くものです。しかし、投資信託選びにおいて、人気ランキングや売れ筋は、あくまでも参考程度と考えてください。

もちろん、優れた商品性が評価され、時間をかけてベストセラーになった投資信託もあります。しっかりした運用成績を残し、それにファンがつくのは最高です。しかし、日本においては、大手証券会社が強力な販売力を背景に新商品を拡販して一気に売れ筋になるケースや、ネット証券の売れ筋ランキングに掲載された投資信託ばかりがさらに売れるという構図があることも知っておきたいところです。

人気ランキングは気になるかもしれません。しかし、売れていることと、値上がりすることは全く無関係ですから、あくまでも参考程度と自分に言い聞かせてください。

1.2 分配金にこだわらない

毎月分配型投資信託、特に高額の分配金が支払われる投資信託は、日本で最も人気の高い投資信託の一種です。シニア世代を中心に、毎月口座(必ずしも銀行口座ではない)にお金が振り込まれることの安心感がヒットの要因となっているようです(前述の金融機関の販売攻勢の影響も勿論あります)。

しかし、毎月分配型の投資信託は、必ずしも経済合理性に優れた金融商品とは言えないことを理解しておきたいところです。本来、投資信託で運用益が出るのであれば、その運用益を再投資することで、税金の支払いを最小限にして効率的に資産を増やすことができます。しかし、毎月分配金を受け取るとなると、状況によっては分配金には税金が課され、本来投資信託に期待されている効率的な資産形成(複利効果ともいいます)からもかけ離れてしまうのです。

また、毎月分配金が口座に振り込まれることで「儲かっている」「資産運用がうまくいっている」と錯覚するリスクも無視できません。毎月分配金があることと、運用が上手くいって本当に儲かっているということは、別問題だと理解しておく必要があります。

あくまでも、①口座に振り込まれた分配金の合計と、②投資した時点の投資信託の時価(基準価額×口数)と現在の時価の差額、の合計がプラスになるかどうかで、儲かったかどうかを判断していくのが大切です(トータルリターンでの判断)。

1.3 過去の運用成績で投資信託を選ばない

過去の運用成績と将来の運用成績は無関係だと考えるのが妥当です。

特に、日経平均やTOPIXといった株価指数に運用成績が連動するタイプの投資信託(インデックス型投資信託、インデックスファンドと言います)については、過去の運用成績と将来は全く無関係です。

ファンドマネージャー(運用担当者)が独自に組み入れ資産や組み入れ銘柄を選定するアクティブファンドについては、腕利きファンドマネージャーが過去も未来も運用を続けることが分かる場合は、過去の成績を見ることに意味はあるでしょう。しかし、運用しているファンドマネージャーが誰か分からない、あるいはファンドマネージャーがころころ変わるような場合には過去の運用成績を見ることに意味はありません。

過去の運用成績で投資信託を選ぶことに意味があるのは、ファンドマネージャーが継続的に高い運用成績を残し、自分の運用に関する説明責任を果たしている場合に限られることは覚えておいていただきたいと思います。

2 投資信託選びで確認したい6つのチェックポイント

さて、人気ランキング、分配金、過去の運用成績という“呪縛三兄弟”から解き放たれたところで、いよいよ投資信託を絞り込んでいきます。

投資信託の選び方には様々な方法があり、絶対的な正解はありません。とは言え、これから資産運用を始める方が、しょっぱなからババを引かないための大まかな指針は必要だと思いますので、1つの参考意見として、手順をまとめていきます。

5,000本以上もある投資信託を1つ1つ吟味するのは現実的ではありませんので、最初に絞り込みのためのツールを用意します。具体的には、ネット証券が無料で提供しているスクリーニング機能(条件設定をすれば、候補となる投資信託を表示してくれる機能)を使います。

残念ながらすべての投資信託を取り扱っている金融機関は存在しません。そのため、投資信託の取扱本数が多いネット証券を選ぶことになるのですが、取扱本数が2,000本を超えているSBI証券や楽天証券であれば、困ることはほとんどないでしょう。勉強したい方は、無料オンラインセミナー(口座保有者のみ)の充実度が圧倒的に高いマネックス証券も候補になると思います。

詳しくは後ほどご説明しますが、下表にある「ノーロード投信」というのは、購入時の手数料が無料の投資信託のことです。ロード=購入手数料負担、ノーロード=購入手数料負担の無く買える投資信託です。

証券会社毎の投資信託取扱い本数比較表

  投資信託 ノーロード投信
SBI証券 2,644本 2,644本
楽天証券 2,678本 2,678本
SMBC日興証券 1,047本 630本
マネックス証券 1,216本 1,216本
auカブコム証券 1,422本 1,422本
フィデリティ証券 688本 426本
岡三オンライン証券 552本 552本

注1:2021年9月8日に各社メールやチャットで確認
注2:各社開示基準が異なる可能性がある。
注3:SMBC日興証券はダイレクトコース
注4:上場投資信託(ETF)の取扱い本数は除外

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なお、スクリーニング機能は、以下のように呼ばれています。

  • 楽天証券:投信スーパーサーチ
  • SBI証券:投資信託パワーサーチ
  • マネックス証券:ファンド検索

ネット証券に証券口座を開設して、スクリーニング機能などが活用できるようになったら、スクリーニング機能で以下の条件設定、確認を行います。

2.1 Check1 投資信託の純資産残高の水準で絞り込む

設定後間もない投資信託、あるいは資産残高が減った結果少額で運用されている投資信託については、十分な分散投資ができないリスクもあります。特に資産残高が減ってしまった投資信託については、運用会社で発生するコスト(調査、運用、保管、管理、運用状況のレポート等)を賄うことができず、赤字運営となることから、早々に償還されてしまうこともあります。

運用する資産の種類にもよりますが、「100億円以上」を目安にしておけば問題ないでしょう。

上記で紹介した楽天証券、SBI証券、マネックス証券のいずれのスクリーニングツールにおいても、純資産という項目があるので、100億円以上に設定してみてください。例えば楽天証券では、純資産を100億円以上にすると、2000本超から一気に396本まで絞り込まれます(2015年9月26日現在)。

最良なのは、時間をかけてじりじりと純資産が増えている投資信託です。優れた運用成績や商品性がファンを引き寄せ、評価されるという好循環になっている可能性があるためです。逆に良くないなのは、投資信託設定後まもなく純資産残高が急増し、その後急減したり、じりじりと減少したりしている投資信託です。大手証券会社の強力な販売力で一気に拡販されたものの、その後が続かないという悪循環に陥っている可能性があります。

ただ、純資産の推移はスクリーニング機能ではわからず、個別の投資信託のページにしか表示されないので、絞り込みの最終局面でチェックすればよいでしょう。

2.2 Check2 資産のタイプで絞り込む

いわゆる資産クラス(アセットクラスとも言います)での絞り込みです。国内株式、国際株式(海外株式)、国内債券、国際債券(海外債券)、国内REIT(不動産投資信託)、国際REIT(海外REIT)、バランス型(ミックスアセット)といった資産クラスに、どのような配分でお金を投資するかは非常に難しい問題ですが、ここでは、「どの程度の値動きを許容できるか」という観点で絞り込みます。

株式は値動きが上にも下にも大きく、1年間で±30%程度は平気で変化します。1年間で投資額の3分の1程度を失うかもしれないが、上がる時も大きいので、リスクを取りたい方は株式を選ぶのがよいでしょう(国際株式の場合は為替リスクあり)。

一方、債券は大まかには1年間で±5%程度の変化です。資産を減らさないことを最重要視しつつ、小さいながらも堅実に資産を増やしたい方は債権を選ぶのがよいでしょう(国際債券の場合は為替リスクあり)。

REITは大まかには株式と債券の間に位置するものとお考えください(国際REITの場合は為替リスクあり)。

株と債券を組み合わせたい方は、株の投資信託と債権の投資信託をそれぞれ買うか、あるいはバランス型(ミックスアセット)の投資信託を選ぶのがよいと思います。

2.3 Check3 償還日で絞り込む

投資信託は基本的に長期投資を前提とした金融商品です。しかし中には、投資信託の設定日から10年にも満たない期間で償還(運用をやめて資金を返還)するものもあります。できれば無期限、最低でも今後10年間は運用が続く投資信託を選びたいところです。

楽天証券のスクリーニングツールでは償還日による絞り込みができます。SBI証券やマネックス証券の場合は、個別の投資信託ページで償還日を確認するようにしてください。

2.4 Check4 買付手数料(販売手数料)で絞り込む

投資信託を購入する際には、買付手数料(販売手数料)が発生します。投資額に対して2-3%が一般的です。仮に3%だとすると、100万円投資した瞬間に手数料が3万円かかり、97万円からのスタートになるのです。

ところが、中には“ノーロード”といわれる、販売手数料が無料の投資信託があります。販売手数料はあなたの資産を確実に目減りさせてしまうものですから、最初はノーロードの投資信託を選ぶのがよいかもしれません。ノーロード限定ではどうしても気に入った商品がなければ、販売手数料が発生する投資信託も候補に入れて再検討するという流れでよいと思います。

ここで1つ覚えておいていただきたいのは、販売会社によって手数料が異なることです。同じ投資信託でもA証券では3%、B証券では0%(ノーロード)ということがごく普通にあります。気に入った投資信託がある場合は、ノーロードで買える金融機関がないかも調べてみましょう。

ここまで来れば、数本から数十本程度に絞り込まれていると思います(資産タイプを複数選択した方はもう少し多いかもしれません)。

2.5 Check5 信託報酬・信託財産留保額をチェックする

信託報酬というのは、投資信託を保有している間ずっと発生するコストです。投資信託によって異なるのですが、平均的には年1%くらいです。日経平均株価やTOPIXといった株価指数に連動する値動きを目指すインデックス投資信託の信託報酬は安く、ファンドマネージャーが独自に組み入れ資産を選び、インデックスを上回る運用を目指すアクティブ投資信託の信託報酬は比較的高い傾向にあります。

残念ながら、楽天証券、SBI証券、マネックス証券のスクリーニング機能では信託報酬の水準で投資信託を絞り込むことまではできません。Check4まで実行したら、これまで指定した条件をクリアした投資信託の一覧表が出てきますので、そこで信託報酬をチェックしてください。

投資家にとっては、信託報酬は低ければ低いほどありがたいですが、インデックス投資信託の場合は0.5%程度、アクティブ投資信託の場合は1%程度を目安にしておくと、かなりコスト競争力のある投資信託を選ぶことができると思います。1.5%を超える場合は、その投資信託の運用内容やファンドマネージャーの実績などをじっくり吟味し、本当に費用に見合った運用サービスが受けられるのかを検討することをおすすめします。

また、投資信託を解約する際に発生する信託財産留保額というコストがありますが、信託財産留保額は解約額の0.5%までを基準に考えるとよいでしょう。例えば、100万円分の投資信託を解約する場合、信託財産留保額0.5%なら5,000円が徴収されます。

投資信託のコストについては「投資信託にかかるコスト」をご覧ください。

2.6 Check6 分配金込・再投資後の基準価額のチャートをチェックする

気になる投資信託を絞り込んだら、最後に投資信託の分配金込・再投資後基準価額のチャート(折れ線グラフ)を確認してみましょう。Check2で資産クラスを選んでいるので、ある程度価格変動リスクのイメージは掴めていると思いますが、あなたが選んだ投資信託の値動きがどの程度であったかを視覚的に確認することで、投資信託購入後に「えっ、こんなはずでは」と後悔するのを防ぐことができるでしょう。変動リスクを把握する方法はチャート以外にもいくつかありますが、チャートは主要なネット証券ではどこでも確認できますし、簡単なので、第1ステップとしておススメです。

また、チャートを見る際には、Check1でお話した純資産の推移もついでに確認してしまいましょう。

下記は、マネックス証券でニッセイ日経225インデックスファンドのチャートを示したものです。2004年1月28日から2015年9月25日までに分配金込・再投資後の基準価額が約2倍になっていますが、日経平均に連動するので、値動きはかなり激しいことがわかります。2007年6月から2009年2月にかけてはリーマンショック後の経済混乱で6割近く下落した一方、2012年10月から2015年5月にかけてはアベノミクス効果で2倍強になっています。この投資信託はコスト面でも非常に優れており、純資産も時間をかけて積みあがっていますが、この変動リスクがあなたの嗜好に合うか否かを確認していただきたいと思います。

3 まとめ

ババを引かない投資信託の選び方、いかがでしたか?

まずは、投資信託取扱本数が多いネット証券に口座開設(無料)して、スクリーニング機能を使ってみてください。

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LIMOでは、「投資信託を種類ごとに徹底解説」で資産クラスごとに投資信託を見るポイントを解説しています。また、「投資信託の初めての買い方:金融機関選びが成功への第一歩」では投資信託を購入する具体的な手順を解説していますので、参考にしてみてください。

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参考プレスリリース

  • 楽天証券「楽天証券、NISA・iDeCo 2021年新規口座開設が業界最多に!」2022年3月30日

制作:NP・UX推進室

LIMO編集部