シャープとサムスンの昔のガジェットを見ながら秋の夜長に考えたこと

この記事の読みどころ

今回取り上げたガジェットは、自宅の机の中から発見した20年前のシャープの見えるラジオ、15年前のサムスン電子のMP3プレイヤーです。

いずれの製品も電池を交換すれば問題なく作動。ヤフオクや米国のアマゾンではレア物として出品されています。

電機メーカーは、失敗を恐れていてはじり貧となってしまいます。ただし、投資対象として考える時には、失敗に耐えられるだけの体力が残っているのかという視点も大切です。

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20年前の見えるラジオは現在も問題なく作動。だがFM多重放送は終了

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まずは、シャープの見えるラジオ(型名:FV-L1)について。1995年製ですが、電池を交換すると問題なくラジオ放送を受信できました。ただし、この製品の“売り(セールスポイント)”であった見えるラジオの機能は使えませんでした。これは、製品に問題があったからではなく、FMラジオ局がサービスを中止してしまったからです。インターネットでいくらでも情報を得られる時代には、不要なサービスということでしょう。

時代の変化を感じたのはそれだけではありません。左下のシールを注目してください。「AM付、大型液晶、見えるラジオ」とあります。モノクロでTN型(注)の2インチ程度の液晶が「大型液晶」とは! まさに隔世の感があります。

(注)液晶はTN’型(Twisted Nematic)→ STN型(Super-twisted Nematic)→ TFT型(Thin Film Transistor)へと進化してきましたが、当時のシャープは、既にTFTの量産工場を立ち上げており、フルラインナップの体制ができていました。

同社の社史を読むと、1992~1997年は「液晶などのキーデバイスを充実、スパイラル戦略で新しいシャープを構築」とあります。液晶テレビ、アクオスの登場は2001年からですが、既に90年代には液晶ビューカムや携帯情報端末のザウルスなど、液晶搭載製品でヒット商品を出していました。

見えるラジオがどの程度売れたのかは分かりません。ただし、社史には記載がないことから、“大ヒット”にはならなかったのでしょう。多少の失敗をしても経営危機には陥らない、牧歌的な時代でした。

15年前のMP3プレイヤーも健在

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次は、サムスン電子のMP3プレイヤー(型名:YP-E64)です。2000年製ですが、こちらも電池を交換すると、問題なく立ち上がりました。レコーダー機能もあります。ただし、メモリー容量は32Mバイトしかないので、浜崎あゆみの「Trust」(1998年8月にavex traxより発売)などの楽曲が6曲しか入っていませんでした。

2000年当時、既に半導体分野ではサムスン電子は日本企業を脅かす存在になっていましたが、民生機器分野ではまだまだ存在感はありませんでした。このため、どの程度のものか、という好奇心から購入したという記憶があります。

ただし、ほとんど使うことはありませんでした。録音可能な曲数が少なすぎたことや、「yepp」という響きの悪いブランド名や、肌触りの悪いアルミケースへの違和感、などがその理由ではなかったかと思います。

その後は、半導体メモリーではなくHDDを使い大量の楽曲が録音可能な東芝のgigabeatや、アップルのiPodに乗り換えました。今はもちろん、iPhoneしか使っていません。15~20年後のiPhoneは、どうなっているのか、興味が湧きます。

今でもレア物として買える昔の製品

ヤフオク!でシャープの見えるラジオは554円(即決価格854円)、サムスン電子のMP3プレイヤーは米国のアマゾンで中古品が50ドル(約6,000円)で出品されていました。ご興味のある方はサイトを覗いてみてはいかがでしょうか。ちなみにサムスン電子のMP3プレイヤーは、シャープの見えるラジオの約10倍の値段です。

なぜ、これほどの価格差があるのか? それは、長年にわたって証券アナリストをやってきた筆者にも難しい質問です。

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新製品がヒットするかよりも失敗に耐えられるかが重要な視点

今回は昔の、そしてあまり大ヒットとはならなかったガジェットをご紹介しました。シャープもサムスン電子も、現在も上場企業として存在していますが、2000年代後半の液晶への大型投資に失敗したシャープは経営危機にあります。

株投資の観点からは、新製品の今後を考えることはとても大切です。大ヒットが生まれ業績が拡大すれば株価も上昇するからです。これからも、電機メーカーからは様々なガジェットが発売されるでしょう。失敗を恐れていてはじり貧となってしまうからです。ただし、投資対象として考える時には、失敗に耐えられるだけの体力が残っているのか、というチェックをお忘れなく。

【2015年9月28日 投信1編集部】

■参考記事■

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投信1編集部

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