KDDIの新しき英雄たち―株価好調を支える「三太郎」

好調続くKDDIの株価

KDDI(9433)の株価が好調です。過去10年を振り返ると通信セクターでトップのパフォーマンスでした。最近1年間を見てみたのが次のグラフです。

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青がKDDI、赤がTOPIXです。ご覧の通り、KDDIは最近もTOPIXを着実に上回って推移しています。

通信セクター内ではやや陰りも

ところが、過去1年の株価を見るとKDDIがトップパフォーマーではありません。

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青のKDDIに対して、赤の日本電信電話(9432)、NTTドコモ(9437)の方が良いパフォーマンスです。ただし、オレンジのソフトバンク(9984)はさえないパフォーマンスです。

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KDDIに求められる新しい英雄

この原因はNTTグループ側にありそうです。NTTドコモの業績が2015年3月期に悪化しましたが、2016年3月期にV字回復に向かいつつあることが第1の要因です。第2の要因はNTTグループ全体が全社的に利益志向、ROE志向を高めていることがあげられます。

その中で特に注目したいのは光回線とNTTドコモの移動体通信のセット化、いわゆる「ドコモ光」です。これは2015年1月29日に報道発表され3月1日からサービスが始まっています。簡単に言えば、家にある光回線と家族の携帯契約をひとまとめにしてお安くしますというセット販売です。

KDDIにとってはうれしい話ではありません。KDDIは光回線、ケーブル回線を保有しており、これをauの契約とセット化してきました。今後もこのセット化を推進しようとした矢先のNTTグループの今回の動きです。KDDIはこれを看過できないはずでしょう。

2015年1月より新CM「三太郎」シリーズ開始

まるで「ドコモ光」の開始に合わせるかのように、2015年1月からKDDI(au)はCMシリーズを刷新しました。「あたらしい英雄、はじまるっ」と題し、松田翔太さんが桃太郎、桐谷健太さんが浦島太郎、濱田岳さんが金太郎を演じています。

「英雄」はもちろん”au”にかけていますね。最近のCMの中では、展開の自由奔放さで出色のできばえではないでしょうか。

このCMはファミリー感が薄く、NTTドコモやソフトバンクとは方向性が異なる印象です。KDDI(au)は、これから社会人になりスマホ料金も自分で払う、今まさに自立しようとする若者にメッセ―ジを送っているのです。

なんでもセット割でがんじがらめになってはつまらないじゃないか、自分でキャリアを選ぼう、そう聞こえてきそうです。

新三太郎が、KDDIの新しい英雄になるか、真価はこれから問われることでしょう。CMの展開とあわせて注目したいところです。

【2015年11月19日 投信1編集部】

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投信1編集部

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