この記事の読みどころ

2015年8月期、9月期の小売企業の決算が終わりました。

中間決算を終えて、その決算内容から特に気になった銘柄はヤマダ電機です。

今年好調に推移した小売株の中で、真打ちの登場と言えるかもしれません。

好調続く小売決算

小売企業はほとんどの企業が2月ないし3月決算です。従って8月期、9月期が上期決算になります。9月末以降順次決算が続きましたが、11月に入りほぼ終了しています。

今回の決算はおおむね好調です。国内では所得環境が良くなったこと、昨年の消費税増税後の影響が今年にはなくなっていること、「爆買い」も含むインバウンドが好調なこと、中国の消費が堅調なことなどが背景でしょう。

小売株のパフォーマンスには減速感

小売株は、年初来の株価パフォーマンスがきわめて好調でした。その象徴銘柄は良品計画(7453)ではないでしょうか。

しかし2015年の夏場以降の株価を見ると好調銘柄の伸び悩みが目につき始めました。足もとの決算も好調なのですが、株価の反応はいまひとつです。

その理由は、従来の延長線上の決算内容だけでは株価は反応しなくなっている、つまり株価が将来をかなり織り込んでいる、そんな風に見えてきます。

ヤマダ電機に変化が続く

そんな中で変化を見せている小売企業がいくつかあります。ヤマダ電機(9831)やしまむら(8227)です。

ここで特に注目したいのが家電量販店トップのヤマダ電機です。

同社は2011年3月期に経常利益1,378億円を上げた後、4年間にわたりジリ貧傾向でした。そこで2013年6月に会長職にあった創業者である山田昇氏が社長職に復帰し陣頭指揮を執って建て直しを進めました。

今期は第1四半期に不採算店舗の閉店を一気に進め、自社店舗間での競合を減らしました。さらに利益率重視に転換するとともに都市部への経営資源の再配分を進めつつあります。

この結果、上期の決算は経常利益が前年同期の2倍を超える成果を出しました。通期の見通しも上方修正し、経常利益675億円を目指すとしています。

さらに、2020年3月期に経常利益1,110億円を目指す新しい中期計画を発表しています。店舗数を追うよりも既存店の改装に重点を置きつつ、利益率向上を徹底する内容です。

業界最大手が収益性を追求するというメッセージは、春先のイオン(8267)に続くものですが、ヤマダ電機の場合は株式市場には新鮮に受け止められています。

先行して上昇してきた小売株の株価の伸び悩みが見え始めていますので、ヤマダ電機が小売株の新たな盛り上げ役になるのか、大いに注目したいところです。

LIMO編集部