「自転車業界のインテル」と称されるシマノは依然として有望な成長銘柄

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この記事の読みどころ

地球環境問題が意識されて以降、世界の自転車市場が拡大しています。特に、高級スポーツタイプが著しく伸びています。

世界有数の自転車部品メーカーであるシマノは、自転車市場の拡大等を背景に好業績が続いており、4期連続の最高益となる見込みです。

主戦場である欧州や中国の景況感悪化が懸念されていますが、株価が下がったタイミングでコツコツ買い増ししたい銘柄です。

パリでCOP21が開催、地球環境問題への危機感は高まる

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2015年11月30日から12月11日まで、フランスのパリで気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)が開催されています。

11月中旬にパリで発生した同時多発テロ事件の影響で、厳重な警備が敷かれていることに注目が集まっていますが、今回の会議は、2020年以降の新しい温暖化対策の枠組みを決める重要な会議です。

それを示すように、日本の安倍首相を始めとした世界各国の国家元首や主要閣僚が大勢集まりました。

COP21の協議では、先進国と新興国を含む発展途上国との間にまだ大きな溝があるようですが、世界各国が地球環境に配慮しなければならないという危機感を持っていることは間違いないでしょう。

拡大が続く世界の自転車市場

さて、こうした地球環境への配慮が注目されてきた近年、世界中で大きく伸びている乗り物が自転車です。

自転車市場も、2008年秋に発生したリーマンショックの影響を受けて、いったんは落ち込みました。しかし、燃料価格の上昇、健康志向の高まり等に加え、地球環境への配慮が進んだ結果、現在は全世界で年間1億3,000万台以上の自転車が生産されていると推測されます。

ちなみに、自動車の年間生産台数は約9,000万台程度です。

伸長著しい高級スポーツタイプの自転車市場

世界の自転車市場が拡大する中、特に伸長著しいのが高級スポーツタイプとMTB(マウンテンバイク)です。

高級スポーツタイプのイメージとしては、ツール・ド・フランス等の競技大会で見られるような自転車です。これらの市場は、欧州や中国で急速に拡大しています。

通称“ママチャリ”が多い日本ではまだ少数派ですが、日本でも着実に存在感を高めています。皆さんの周りでも、週末に高額そうなスポーツタイプの自転車に乗っている人がいるのではないでしょうか?

「自転車業界のインテル」と称されるシマノの圧倒的な存在感

こうした自転車市場の拡大を背景に、2015年12月期に4期連続の最高益更新が確実視されているのが、自転車部品メーカーのシマノ(7309)です。

多くの人には馴染みがない会社名かもしれませんし、知っている人も接点は釣り具ではないでしょうか。

実は、シマノの自転車部品(変速機、ブレーキ、ハブ等のコンポーネント)は、高価格スポーツタイプやMTB、中高級普及タイプ等で圧倒的な強みを持っており、このセグメントでのシェアは80%以上と推測されています。低価格セグメント向けも含めると、世界最大規模の自転車部品メーカーです。

一般消費者だけでなく、多くのプロ競技選手にとっても、シマノの部品は必要不可欠です。シマノが「自転車業界のインテル」と称される由縁がここにあります。

あの富士重工を約5ポイントも上回る高い利益率

シマノの業績は絶好調です。利益の大半を稼ぎ出す自転車部品事業が、市場拡大を背景に大幅に伸長しているからです。

他の業界で見られるような熾烈な価格競争もありません。また、円安進行も追い風になっています。これらの好条件は高い収益性になって表れており、2015年12月期の売上高営業利益率は約22%となる見込みです。

これは、自動車メーカーで最も高い富士重工を約5ポイントも上回る非常に高い数字です。

株価は上場来高値を更新、日本を代表する主力株の1つに

こうした業績拡大により、株価も10月下旬には上場来高値の20,200円を付けました。アベノミクス始動以降、株価は約4倍に上昇し、時価総額も最大で2兆円に迫るまでになりました(現在は1兆7,000億円弱)。

値嵩株としては流動性がやや低いのが気になりますが、名実ともに日本を代表する主力株の1つになったと言えましょう。世界中の投資家が注目していることは間違いありません。

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自転車市場の拡大は続く―コツコツと買い増ししたい銘柄

ところが、11月以降の株価は、高値水準にありながらも今一つ冴えません。主戦場の欧州や中国における景況感悪化が、かなり懸念されている可能性もあります。

確かに、高級スポーツタイプの自転車は高価格なので、一時的に販売が減速するリスクは否定できません。ただ、今後も世界的な自転車市場の拡大は続くことが予想されるため、中長期的に見れば、シマノの成長も持続すると考えられます。

投資資金に余力があれば、株価が大きく下落したタイミングで、100株ずつコツコツと買い増ししたい銘柄です。

【2015年12月4日 投信1編集部】

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