三菱電機の決算説明会から考える来年度(2017年3月期)の方向感

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三菱電機の2016年3月期Q3累計(4-12月期)決算説明会に参加

2016年2月2日に開催された三菱電機(6503)の決算説明会では、今年度業績だけではなく、来年度を会社側がどのように見ているのかという質問が多くの証券アナリストからありました。

もちろん、現時点では会社側は来年度の予算を策定中であるため詳細については語られませんでしたが、主要事業について、いくつかの興味深いコメントがありましたので以下にご紹介します。

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FA機器の底割れはなく回復は来年度上期後半

まず、同社の最大の稼ぎ頭であるFA機器について。2016年3月期Q3(10-12月期)の実績は中国を中心とした新興国での設備投資の停滞により受注・売上ともに前年割れでしたが、見通しについても、これまで活況であった中国のスマートフォン関連の投資は、当分回復が見えないというコメントがあり慎重でした。

ただし、中国でも人件費上昇に対応した自動化関連の投資は続くことや、国内の設備投資は比較的堅調というコメントもあり、悲観一色ではないことが伺えました。

自動車機器は比較的堅調

自動車機器はFA機器とは対照的に、Q3は 北米・欧州を中心に新車販売が好調であったことから、受注・売上とも前年同期を上回りました。見通しについては搭載される車種により濃淡はあるものの、悪化を示唆するようなコメントはありませんでした。

電子デバイスの足元は停滞だが最悪期は脱しつつある様子

電子デバイスのQ3実績は、通信用光デバイスは増加しましたが、自動車・電鉄用・産業用・民生用パワー半導体が減少し、全体では受注・売上ともに前年同期を下回りました。ただし、月次ベースの受注は9月がボトムになり、その後、穏やかな回復が続いていることが示唆されました。

特に足を引っ張っていた中国エアコン用も停滞が続いているものの、客先サイドの在庫調整が進展しているため、2017年3月期Q2(7-9月期)からの回復が示唆されました。

懸念が現実化し、「実態悪」が明らかになった、これからの注目点

いかがでしたか? 今後の景気動向次第では、さらに悪化するリスクがないとは言い切れないものの、底なし沼に入り込んでいるということではないようです。ただし、来年度の上期はまだ厳しそうということが感じ取れたのではないでしょうか。

景気にも企業業績にも好調(ピーク)、不調(ボトム)のサイクルがあり、株式投資ではこのサイクルの把握(現在がピークなのか、ボトムなのか)がとても重要です。このためには、マクロデータだけではなく、個別企業の業績の分析も不可欠です。

今回の決算では三菱電機に限らず、ファナック(6954)、日立製作所(6501)、パナソニック(6752)、富士電機(6504)、京セラ(6971)など、多くの企業で中国・新興国市場の景気悪化の影響が実際の業績に現れてきました。

こうした「実態悪」が顕在化したこれからは、2016年3月期の業績の下振れリスクがどの程度あるのか、2017年3月期上期や通期は、増益になるのか減益になるのかなどを様々な角度から精査していきたいと思います。

【2016年2月4日 投信1編集部】

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投信1編集部

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