ネット証券会社徹底比較:株も投資信託も気になるあなたへ

資産運用をしたいと思った時に、多くの方が思い浮かべるのが株と投資信託。最初は投資信託に投資をしてみて次第に個別の株式に投資するようになる方、株と投資信託の両方に投資する方など、取り組む順番や組み合わせは人それぞれですが、多くの個人投資家が日本株と投資信託の投資を経験することになるでしょう。

それでは、株も投資信託も買う可能性があるあなたにとって、ベストなネット証券はどこでしょうか?

ざっくりいうと

  • 株にも投資信託にも興味がある投資家にはSBI証券と楽天証券が特にオススメです。これら2社は投資信託の取扱数が2,000を超えており、金融機関の中でダントツの存在です。敢えてどちらか選ぶならば、IPO株(新規公開株)投資に興味がある方はSBI証券、情報の充実度に興味がある方は楽天証券でしょう。楽天証券では、ネット証券で唯一、日経新聞の記事も実質無料で読むことができるので、口座開設(無料)をしておくだけでも年5万円相当のメリットが得られます(参考:日経新聞が無料で読み放題? ネット証券のお得な活用法)。

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  • 運用資産残高が1,000万円以上ある方はフィデリティ証券も選択肢に入れるべきでしょう。1回の株式売買注文が100万円を超える場合、投資信託も株も買えるネット証券の中で最安の手数料となります。

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  • 勉強熱心な方には、無料オンラインセミナーが圧倒的に充実しているマネックス証券が合うかもしれません。投資信託取扱本数の点ではSBI証券や楽天証券には及びませんが、少額の日本株売買手数料が安く、学習環境が充実しているという利点があります。

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■目次■

1 日本株も投資信託も気になるあなたのチェックポイント
 1.1 投資信託の取扱本数
 1.2 日本株の手数料
 1.3 無料で使える投資情報の種類
2 日本株も投資信託も気になるあなたにとって便利な証券会社4選
 2.1 総合力で選ぶなら楽天証券とSBI証券
 2.2 1,000万円以上の残高があればかなりお得なフィデリティ証券
 2.3 少額の日本株売買手数料が安く、無料オンラインセミナー充実のマネックス証券
3 ネット証券の申し込みは5~10分、口座開設完了まで3~7営業日程度
4 まとめ

1 日本株も投資信託も気になるあなたのチェックポイント

1.1 投資信託の取扱本数

日本株はどこのネット証券でも全銘柄購入することができますが、投資信託の場合は事情が違います。投資信託は5,000本以上ありますが、全てを取り扱っている金融機関は存在せず、ネット証券ごとに取扱本数、取扱銘柄が全く異なるのです。

下表は主なネット証券の投資信託取扱い本数を比較したものです。ノーロード投資信託の取扱本数も大変重要なので併せて掲載しました。ノーロード投資信託というのは、販売手数料が無料の投資信託のことです。例えば同じAという投資信託でも、大手証券では3%の手数料がかかり、ネット証券では手数料無料ということが実際にありますので、ノーロード投資信託の取扱本数が多いネット証券を選ぶというのは基本動作になります。

下表の中でも、SBI証券楽天証券の投資信託取扱本数は2,000本超となっており、ノーロード投資信託の取扱い本数も含め、他を圧倒しています。

ちなみに、大手証券やメガバンクの取扱本数は意外にも少ないものです。国内最大手の証券会社である野村證券でも800本程度、国内最大手のメガバンクである三菱東京UFJ銀行が200本程度といった形です(2015年9月現在)。大手証券やメガバンクは、自社の系列の運用会社が手掛ける投資信託を中心に販売する傾向が強いため、取扱い本数はネット証券に及ばないのが実態です。

証券会社毎の投資信託取扱い本数比較表

  投資信託 ノーロード投信
SBI証券 2,366本 1,050本
楽天証券 2,280本 1,072本
SMBC日興証券 847本 290本
マネックス証券 938本 361本
カブドットコム証券 968本 549本
フィデリティ証券 500本 270本
岡三オンライン証券 166本 50本

注1:2016年10月3日に各社HPで確認
注2:各社開示基準が異なる可能性がある
注3:SMBC日興証券はダイレクトコース
注4:上場投資信託(ETF)の取扱い本数は除外

1.2 日本株の手数料

前述の通り、主なネット証券ではどこでも、全ての日本株に投資をすることができます。そのため、日本株についてのチェックポイントは売買手数料となります。下表は投資信託の取扱い本数が一定数以上あるネット証券について、日本株売買手数料を比較したものです。投資信託の取扱本数で圧倒的優位にあった、SBI証券楽天証券はここでも競争力を発揮していることがわかります。

取引ごとの手数料(税抜)比較 - 売買の回数が少ない方向け

証券会社名 10万円 50万円 100万円 300万円
カブドットコム証券 90円 250円 990円 2,790円
SBI証券 139円 272円 487円 921円
楽天証券 139円 341円 609円 1,152円
岡三オンライン証券 99円 350円 600円 1,500円
SMBC日興証券 125円 400円 800円 2,000円
マネックス証券 100円 450円 1,000円 3,000円

注:SMBC日興証券の項目は、ダイレクトコースのオンライントレードを利用した場合の手数料を表示
注:マネックス証券は100万円以上の取引では成行と指値注文で手数料が異なるが、ここでは成行注文の手数料を表示
注:2016年10月3日現在

1つ注目したいのはフィデリティ証券です。同社は世界有数の資産運用グループであるフィデリティ・グループ系の証券会社なのですが、フィデリティ・グループのみならず、様々な資産運用会社の投資信託を販売しています。

なぜ日本株の手数料でフィデリティ証券の話をするかというと、同社の証券口座に1000万円以上の残高を保有している投資家には、株式売買手数料の優遇措置があり、これがかなりお得だからです。

下表を見てください。毎月20日(休日の場合は翌営業日)の残高判定日の預り資産の評価残高(預り金、他証券口座からフィデリティ証券に移管した投資信託、フィデリティ証券で購入した投資信託、MRF)が1000万円以上の場合は、株式売買手数料が金額に関わらず1約定当たり(=1回の注文成立当たり)463円(税抜)となるのです(ネット取引の場合、電話取引の場合は4,630円(税抜))。

先程の手数料比較表を再度ご覧いただければ分かるように、1回の株式売買注文が100万円を超える場合、投資信託も株も買えるネット証券の中で最安の手数料となるのです。運用残高が1000万円を超える方にとってはかなり使い勝手が良いと思います。

ちなみに、資産残高に応じて、投資信託購入手数料もディスカウントが適用されます。

フィデリティ証券の手数料優遇プログラム(金額はすべて税抜)

預り資産
評価残高
株式売買手数料
ネット
株式売買手数料
電話
投資信託
購入時手数料
1000万円未満 1389円 4630円 通常の50%
1000万円以上2000万円未満 463円 4630円 通常の50%
2000万円以上3000万円未満 463円 4630円 通常の25%
3000万円以上 463円 4630円 0%(無料)

注:2016年10月3日時点、株式売買手数料は1約定当たり一律

>>フィデリティ証券の公式サイトを見る

参考:頻繁に売買をするデイトレードのような取引手法を検討されている方は、売買手数料の低さや信用取引の充実度という観点から、GMOクリック証券、ライブスター証券、松井証券あたりが候補になるでしょう。これらのネット証券は、投資信託の取扱いが無い、あるいはほとんど無いため、上記の比較表には入れていません。

1.3 無料で使える投資情報の種類

ネット証券各社は投資家向けサービスの一環として、投資に役立つ情報の提供でも競い合っています。有料、それもかなり高額で販売されている情報や、個人では購入自体が難しい情報などをネット証券が一括で購入して、口座開設者に無料で提供しているのです。口座開設さえ完了していれば、大半の情報は全く取引をしていなくても無料で使えるので、うまく活用したいものです。

投資情報は2つに大別されます。1つ目は経済や企業に関するニュース。2つ目は分析レポートなど投資判断をサポートしてくれるものです。投資スタイルや好みによって意見が異なる面もありますが、投信1編集部が有用だと考える投資情報を「ニュース系」と「企業分析系」に分けてご紹介します。唯一、日経テレコン21が無料で使える楽天証券は、情報を大事だと考える方には欠かせない存在でしょう。

【ニュース系】

トムソン・ロイターのニュース

海外も含むマーケットニュース配信で世界的に高い評価を得ています。

日経Quickニュース

日経グループ。マーケットニュースの配信で高い評価を得ています。

日経テレコン21

日本経済新聞デジタルメディア社が提供する日本最大級のビジネスデータベースサービスです。ネット証券では唯一、楽天証券が無料提供(楽天証券版)しており、日本経済新聞、日経産業新聞などの記事の多くを閲覧することができます。

「見ておきたい投資情報」提供状況比較:ニュース系

  トムソン・ロイター 日経Quickニュース 日経テレコン21
楽天証券 無料 - 無料(ツール内配信)
マネックス証券 - 有料(ツール内配信) -
SBI証券 無料 - -
カブドットコム証券 無料 - -
SMBC日興証券 - 無料 -
岡三オンライン証券 無料 - -

注:2015/03/03時点

【企業分析系】

市場コンセンサス

市場コンセンサスというのは、証券会社のアナリスト(株の調査・分析の専門家)の予想の平均値のことをいいます。例えば、上場企業A社の営業利益を証券アナリストXが1,000億円、証券アナリストYが2,000億円、証券アナリストZが3,000億円と予想している場合、A社のコンセンサス営業利益は2,000億円といわれます(アナリスト3人の平均)。株価は市場コンセンサスにある程度連動するので、見ておきたいデータです。

会社四季報

書店でもおなじみの会社四季報です。多くのネット証券では、口座開設者に会社四季報のオンライン版を無料で提供しています。机の上で紙の分厚い四季報をぺらぺらとめくって銘柄探しをするのも楽しい作業ですが、外出先に持ち運ぶには少々かさばります。PCやスマホで四季報のデータを簡単に確認できるのは重宝します。

個別企業の評価(投資判断、目標株価が書かれたアナリストレポート)

個人投資家のみなさんが一番知りたいのは、「どの株を買えばいいの?」「株価はどこまで上がるの?」ということですよね。もちろん、100%の確率で株価を当てることは誰にもできません。しかし、ベテランの証券アナリストの見立てはあなたの勝率アップに貢献する可能性がありますので、要チェックです。

「見ておきたい投資情報」提供状況比較表:企業分析系

  市場コンセンサス 会社四季報 個別企業の評価
楽天証券 IFIS予想 無料 -
マネックス証券 IFIS予想 無料 J.P.モルガン、TIW、Longine(ロンジン
SBI証券 IFIS予想 無料 -
カブドットコム証券 - 無料 三菱UFJモルガンスタンレー証券
SMBC日興証券 - 無料 SMBC日興証券
岡三オンライン証券 ロイター予想 - 岡三証券

注:2015/03/03時点

2 日本株も投資信託も気になるあなたにとって便利なネット証券4選

2.1 総合力で選ぶなら楽天証券とSBI証券

楽天証券とSBI証券は投資信託の取扱本数、ノーロード投資信託の取扱本数で常に1、2を争う存在です。銀行、証券すべての金融機関の中で、これほどの選択肢を備えているところはありません。

口座数でもSBI証券がNo.1(2016年3月末時点で350万口座超)、楽天証券がNo.2(同200万口座超)と、個人投資家の人気を集めています。楽天証券とSBI証券の口座を開設しておけば、困ることはあまりないでしょう。あえてどちらかを選びたい場合は、以下を基準にすることも1つのアイデアです。

IPO(新規公開株)投資に取り組みたい方:IPO取扱件数がネット証券No.1のSBI証券

>>SBI証券の公式サイトを見る

投資情報重視の方:日本経済新聞や日経産業新聞などの記事を無料で読める楽天証券(全記事ではありません)

>>楽天証券の公式サイトを見る

2.2 1,000万円以上の残高があればかなりお得なフィデリティ証券

1.2 日本株の手数料」と重複になりますが、毎月20日(休日の場合は翌営業日)の残高判定日の預り資産の評価残高(預り金、他証券口座からフィデリティ証券に移管した投資信託、フィデリティ証券で購入した投資信託、MRF)が1,000万円以上の場合は、株式売買手数料が取引金額に関わらず1約定当たり(=1回の注文成立当たり)463円(税抜)となります(ネット取引の場合、電話取引の場合は4,630円(税抜))。

1回の株式売買注文が100万円を超える場合、投資信託も株も買えるネット証券の中で最安の手数料となるため、運用残高が1,000万円を超える方にとってはかなりお得だと思います。

なお、フィデリティ証券の投資信託取扱本数は2015年9月23日時点で400本を超えており、品揃えという観点でもネット証券の中で一定の存在感を有しています。

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2.3 少額の日本株売買手数料が安く、無料オンラインセミナー充実のマネックス証券

マネックス証券は比較的少額の日本株取引売買の手数料が低く抑えられており(例:10万円分の日本株を買う場合、手数料は100円(税抜))、無料オンラインセミナーが圧倒的に充実しているネット証券です。投資信託取扱本数の点ではSBI証券や楽天証券に及びませんが、これから投資をはじめる方に手数料、学習環境の両面から手厚いサービスを提供している点が評価できます。

少額からコツコツと、勉強しながら投資経験を積みたい方に取っては有力な選択肢となるでしょう。

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3 ネット証券の口座開設:申し込みは5~10分、口座開設完了まで3~7営業日程度

ネット証券で株や投資信託を買うには証券口座の開設が必要になります。証券口座は、投資のための資金の保管場所であり、購入した株などの有価証券の保管場所とお考え下さい。ネット証券の口座開設・維持管理ともに無料です。

ネット証券の場合、PCやスマートフォンで申し込みをするのですが、申し込み手続きの所要時間は510申し込みから口座開設完了まで37営業日程度で完了します。特別厳しい審査があるわけでもなく、多くの方が気軽に口座開設できます。具体的に申し込みの流れを見ていきましょう。

口座開設の流れ

まず、口座を開設したいネット証券の公式サイトで、「口座開設」をクリックします。ガイダンスに沿って、必要事項(主なものを下記に列挙しました)を入力して、画面に表示された各種規定を読み、本人確認書類(運転免許証、住民基本台帳カード、健康保険証、住民票の写し、在留カード・特別永住者証明書、印鑑登録証明書のいずれか)を提出したら基本的に手続きは完了です(ここまで510分程度)。

なお、本人確認書類の提出方法は、①PCやスマホでアップロードして提出する、②証券会社から送られてくる封筒に本人確認書類を同封して返送する、という2種類があり、①の方が郵送にかかる時間を短縮できる分、早く口座開設ができます(申し込みから口座開設完了まで37営業日程度)。

  • 氏名
  • 性別
  • 生年月日
  • 住所
  • 連絡先
  • 勤務先等
  • 入出金に使用する銀行口座
  • 資産や投資方針に関するアンケート
  • 特定口座

注:ネット証券によって口座開設申し込み、あるいは資料請求の段階で入力する事項は多少異なります。

口座開設申し込みの時に唯一迷いそうなポイント「特定口座」

証券口座の申込み手続きは簡単ですが、「特定口座」に関する部分は迷う可能性がありますので、解説します。証券口座を開設する際には以下の3つの選択肢が示されますが、なんだかよく分かりませんよね。

1 特定口座を開設する(源泉徴収あり)

2 特定口座を開設する(源泉徴収なし)

3 特定口座を開設しない

特定口座というのは、証券会社が顧客の上場株式などの1年間の取引の結果を「年間取引報告書」にまとめる損益計算サービスをしてくれる口座のことです。そのため、特定口座は「無料で便利なもの」だとご理解ください。

次に「源泉徴収のあり/なし」についてです。株や投資信託で利益が出たら税金(2015年9月現在では利益の20%)を支払いますが、確定申告をしたくない人は、利益が出る都度源泉徴収される「特定口座・源泉あり」を選ぶのがいいでしょう。確定申告をしてもいいなら、「特定口座・源泉なし」を選ぶと、証券会社は後でまとめて取引明細を送ってくれますので、それを使って確定申告しましょう。

ただし、会社員の方の場合は、少し面倒ですが「特定口座・源泉なし」が有利な場合もあります。会社員で給与所得以外の収入が20万円以内の場合、その分に関しては確定申告・納税が免除される特例があるのです。給与以外の所得がなければ、株での利益20万円までは実質無税になります。

ただ、この特例を利用するなら、「特定口座・源泉なし」を選ばなければなりません。「特定口座・源泉あり」を選択すると、株で得た利益に自動的に課税されてしまい、後から返してもらうことができないためです。

4 まとめ

あなたのニーズにあったネット証券は見つかりましたか?

3社程度の証券会社に口座開設をして、用途に応じて使い分ける個人投資家が多いのが実態です。ネット証券の口座開設は無料なので、迷っておられる方は、いくつか口座開設して実際に見比べてみるのも1つの方法です。

最初は少額からじっくり取り組みましょう。

投信1編集部

投信1編集部は、証券アナリストやファンドマネージャーとして長年の調査経験を持つメンバーで構成されており、金融・経済ニュースや投資に関する知識・アイデアをわかりやすくお届けします。