CYBERDYNE(サイバーダイン)はサイボーグ型ロボットを開発する新興企業

CYBERDYNE(7779)は筑波大学発のロボット開発企業です。同大学大学院システム情報工学研究科・サイバニクス研究センターのセンター長である山海嘉之教授の研究成果をベースに、医療・福祉・介護分野向けロボットスーツの開発を進めてきました。

東証マザーズ上場は2014年3月26日。財務面での規模はまだまだですが、時価総額は3,000億円を超え、同市場の主力銘柄になっています。

同社の主要製品はHALと呼ばれます。これはHybrid Assistive Limbの略称です。HALは動作を促す脳から筋肉へ送られる微弱な信号を読み取り、その動作をアシストするという原理です。

現在、下肢をサポートする福祉用、下肢に障害のある方や脚力が弱った方に対する医療用(治療用)、あるいはさまざまな作業支援用へと用途展開しています。

業績は立ち上がり期に入る

次に気になる業績を見ておきましょう。2016年5月13日に発表された決算短信を見ると、2016年3月期の売上高は前年度比倍増の12億円、経常利益は▲7億円の赤字ですが、前期の▲9億円から赤字幅は縮小しました。時価総額3,000億円超ですので、いかに市場が同社の成長性に期待しているのかがわかるでしょう。

では、2017年3月期の業績を会社はどう見ているのでしょうか。決算短信には数字が示されていませんが、決算説明資料にはヒントが示されています。

それによると、売上高は20~30億円と成長が加速し、経常利益は赤字縮小ないし利益ゼロまで改善すると予想されています。売上は国内だけでなく欧州、米国でも立ち上がるという想定になっています。もちろんまだまだ不確定要因があるため、正式な業績予想ではありませんが、大いに参考となります。

株価チャートを分析する

では株価の推移を見てみましょう。

CYBERDYNE株価推移

実に興味深い株価推移です。2014年3月に上場後、2か月後には500円割れをしました。しかし、ここから急騰し、2014年8月には2,000円を超えます。その後約1年をかけて株価はだらだらと下げていきますが、2015年11月に急騰を始め、一時的な下落があったものの基本的に上昇基調に入っています。

これはテクニカル的には約1年かけて形成した三角持合いが上放れた状況と言えます。上放れの起点である2015年10月の安値が1,300円程度であることと、三角持合いのエネルギーが約1,000円ほどと見られることから、上放れ後の株価のめどは2,300円と読めます。現在の株価はこれをやや上回る水準であることからおおむねチャート通りに動いたように見えます(後講釈ではあります)。

チャートから考える今後のシナリオ

では、今後はどうなるでしょうか。ビジネスはいま伸び盛りで、市場の期待はまだまだ高まると思われます。主要製品が販売のフェーズに入ったことも好材料です。したがって、株価はしばらく上昇トレンドに入ると言えそうです。

下値については、まだまだ買ってみたいという投資家が多そうですので、緑の26週移動平均である2,000円では買いを集めそうです。上値については詳しくは説明しきれませんが、2,800円から2,900円あたりが次のテクニカルの節目に思われます。

チャート分析はあまりはっきりした根拠があるわけではありませんのであくまで参考までですが、お役に立つようでしたら幸いです。

 

LIMO編集部