ファミリーマートやアマゾンを摘発。公取委って何をするところ?

意外と知らない公正取引委員会の活動や組織まとめ

公正取引委員会の摘発が相次ぐ

公正取引委員会(公取委)は2016年8月25日、コンビニエンスストア大手のファミリーマートが、下請け業者に支払うべき代金から計6億5000万円を不当に減額していたとして、下請代金支払遅延等防止法(下請法)違反で、減額分の返還や再発防止を勧告しました。

公取委によると、ファミリーマートは、プライベートブランド(PB=自主企画)の食品の製造を委託していた業者に対し、開店セールでの売れ残り商品や商品を値引きして販売した際の代金の一部のほか、各店舗に配信する電子カタログの制作費の一部などを負担させており、その額は今年6月までの2年間で約6億5000万円に上るとして、これが下請法違反にあたるとしました。

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また、公取委は8月8日、ネット通販大手の米アマゾンの日本法人であるアマゾンジャパンに、独占禁止法違反(不公正な取引方法)容疑で立ち入り検査に入っています。アマゾンが自社の通販サイトに出品する業者に対し、商品の価格を他社の通販サイトよりも安くすることなどを求めていた疑いがあるとのことでした。

公取委はこのほか7月には、ハードディスクドライブの部品をめぐって価格カルテルを結んでいた疑いがあるとして、独占禁止法違反(不当な取引制限)の疑いで、TDK、ニッパツの2社を立ち入り検査しています。

独占禁止法の運用を行うために1947年に設立される

このように、報道などで「公正取引委員会(公取委)」の名前を目にする機会が増えています。前述したように、さまざまな活動を行っていますが、その目的や組織の内容などはあまり知られていません。

まず沿革ですが、公取委は1947(昭和22)年、「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」いわゆる独占禁止法が公布されたのにともない、同法を運用するために設置されました。国の行政組織上は内閣府の外局として位置づけられていますが、他から指揮監督を受けることなく独立して職務を行うことに特色があります。

公取委は委員長と4人の委員で構成されています。といっても、毎日のように報道される数多くの違反行為への対処をこの5人で行っているわけではありません。公取委内には事務総局と呼ばれる職員が約840人います。

事務総局は、官房、経済取引局、審査局、地方事務所などに分かれています。840人というと多いように感じるかもしれませんが、米国の司法省(DOJ)および連邦取引委員会(FTC)の職員数の合計は、日本の倍以上です。

公正で自由な競争環境を整備。国際協力も進める

独占禁止法は、公正かつ自由な競争を促進するために、自由な競争を妨げたり、不公正な競争手段を用いて競争したりすることを禁止していいます。主な禁止行為としては「私的独占」、「不当な取引制限」、「競争を実質的に制限することとなる企業結合」などがあります。

「私的独占」とは、企業が競争相手を市場から締め出したり、新規参入者を妨害して市場を独占したりする行為です。「不当な取引制限」とは、 同業者や業界団体で、価格や生産数量などを取り決め、お互いに市場で競争を行わないようにすることです。価格カルテルや入札談合などがこれに該当します。

このほか、独占禁止法の補完法として、下請事業者に対する親事業者の不当な取扱いを規制する「下請法」があります。 たとえば、下請事業者に責任がないのに、親事業者が発注後に下請代金の額を減じることは禁じられています。たとえ下請事業者の了解を得ていても、また、親事業者に違法性の意識がなくても、これらの規定に触れるときには、下請法に違反することになります。

公取委は、これらの法に基づき、厳正・的確な執行を行います。違反に対する措置としては、排除措置命令及び課徴金納付命令、課徴金、刑事罰、差止請求、無過失損害賠償責任などがあります。

ちなみに、価格カルテル、入札談合等の違反事業者に課せられる課徴金だけでも、2015年度は延べ31名の事業者に対し、総額85億1076万円の納付命令を行っています。

公正で自由な競争環境の整備は、国内だけでなく世界的な潮流です。公取委では、国際カルテルなど違反行為の未然防止につながる啓蒙活動や、当局間の国際協力にも積極的に取り組んでいます。

 

下原 一晃

マーケティング会社、リクルートなどを経て、PRプランナー・ライターとして独立。
株式投資、投資信託をはじめとする資産形成や、年金、相続などに関する情報提供を行っている。あわせて、個人投資家がテクニカル理論を身に付けるためのヒントや知識の紹介にも取り組んでいる。
日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト(CMTA)。