株式市場は決算期であることに加え、米国新大統領に共和党のドナルド・トランプ氏が選出されたということもあり、大きく動き出しています。決算内容で株価が暴騰・暴落する銘柄も出てきていますが、長期投資家にとっては短期的な株式市場のパニックは安く株を購入する絶好のチャンスです。

今回は世界で最も有名な投資家ウォーレン・バフェットの投資術を参考として銘柄分析をした個人投資家向け金融経済メディアLongine(ロンジン)編集部にどのような日本株の銘柄が魅力的なのかを聞きました。

バフェットの投資術はアニュアルレポートにすべて書かれている

バフェットの投資術というと何か秘密のベールに包まれているような感じがしますが、実はそんなことはありません。投資手順は彼が経営をする保険会社バークシャー・ハサウェイの年次報告書(アニュアルレポート)に詳細に書かれています。

バフェットが好むのは、ROEが高いこと、借入金比率が低いこと、利益規模がある程度あること、従業員数が少ないことなど、またテクノロジーに関係していない企業などです。ただし、日本企業は米国企業などに比べてROEが低いこと等がよく知られており、一概にバフェットが日本株を嗜好するとは思いません。

バフェットの投資基準を参考にスクリーニング

しかし、今回はあえて「もしもバフェットが日本株を買うとしたらどの銘柄か」という視点で、日本株に調整した基準を決め、その基準に沿ったスクリーニングを実施した結果について個人投資家向け金融経済メディアLongine(ロンジン)編集部に教えてもらいました。そこで浮かび上がってきたのは、意外な銘柄と良好なパフォーマンスの銘柄です。

スクリーニング条件は以下の通りです。スクリーニングのポイントとなるのは、バフェットは利益の安定性や当期純利益の成長を重視していることです。その中で配当や自社株買いを評価しています。また、IPO銘柄のような過去の実績のない銘柄は好みません。

  • 時価総額で上位の銘柄をリスト
  • 過去10年間の当期純利益の年平均成長率で順位付け
  • バランスシートの健全性およびROEをチェック
  • 10年間で1回でも当期損失となった銘柄は除外
  • 10年間の実績がない銘柄は除外
  • 決算期を変更し、継続的なデータが取れない銘柄も除外

意外な銘柄が浮かび上がる

こうしたスクリーニングで浮かび上がってきたのは、実に意外な銘柄群です。海外でバリバリ成長している企業かと思えば、国内で内需をしっかり取り込んできた、かつ、多くの人がよく知る銘柄が多いという結果になりました。

たとえば、通信事業者であるKDDIや生活用品のユニ・チャーム、ヘルスケア関連を扱うシスメックスといった企業がランキングに入っているというのは、なかなか想像できないことではないでしょうか。

株式投資といえば、技術力を持った企業、成長率が高く勢いのあるベンチャー企業などに目が行きがちかもしれませんが、超過収益という投資の成果を純粋に追い求めるのであれば、必ずしもそうした目立ちやすい企業に投資しなくてもよいことが分かります。

つまり、意外に理解しやすい銘柄が驚くべきパフォーマンスをたたき出していたというわけです。さらに詳しく銘柄リストを見てみたいという方は以下のリンクをご参照ください。

>>【参考】バフェット目線で探す! 株式市場が次に大暴落したら買い検討したい銘柄(2016年度版)-Longine

まとめ

長期投資でゆっくり資産形成をしたい場合、バフェットの投資基準は参考になるかもしれません。先ほど紹介したスクリーニングの基準を参考にして、好みの企業に投資をしてみてはいかがでしょうか。

また、さらにバフェットの投資の詳細を知りたいという方は、バフェットが経営するバークシャー・ハサウェイのアニュアルレポートを分析した以下の記事も参考にしてみてください。

>>【参考】バフェットの経営する保険会社バークシャー・ハサウェイを徹底解説-Longine

バフェットは驚異的な成果を上げ続けた投資家ではありますが、必ずしも成功ばかりというわけではないというのが分かります。個人投資家はぜひ参考にしたいところです。

 

LIMO編集部