2021年5月17日、ダイヤモンドオンラインが「パナソニック『退職金4000万円上乗せ』で50歳標的の壮絶リストラ【スクープ】」と題した記事を報じました。また、住宅設備大手のLIXILや、カシオ計算機、オリンパスも早期退職者を募集しており、業界を問わず早期退職者を募っているような状況です。

いずれの企業も、通常の退職金とは別に「特別退職金」を出すとして早期退職者を募集しているため、窓際に追いやられているようなベテラン社員にとっては転職のチャンスになるかもしれません。

しかし、特別な手当がもらえるからといって、早期退職をすることが本当に賢い選択なのでしょうか? もしあなたが40代~50代のサラリーマンであれば、定年まで勤め上げるのが得なのか? それとも早期退職をして第二の人生を歩むのが得なのか? お悩みの方も多いと思います。

そこで今回は、早期退職のメリットとデメリットについて詳しく解説します。この記事をご覧いただければ、早期退職が本当にお得なのか、また、早期退職をすべきでない人の特徴も分かるようになります。ぜひ最後までご覧ください。

70歳までの定年延長が、働かないおじさん社員を殺す

まずは、早期退職者に対して4000万円の割増金を支払うと報じられたパナソニックの例を見ていきましょう。パナソニックの早期退職制度の中身は、社内的には「特別キャリアデザインプログラム」と言うようで、社員の転職をバックアップするという内容になっています。

このように言うと聞こえは良いですが、実際は人員削減の一貫であると私は考えています。たとえ4000万円の上積みという破格の大判振る舞いをしたとしても、定年まで社員が働いた場合のコストと比べれば遥かに安上がりだからです。

早期退職制度が広まっている背景としては、コロナ禍で企業業績が不振だという理由もありますが、企業の雇用(努力)義務が65歳から70歳に引き上げられたことへの影響が最も大きいと思います。2021年4月から「高年齢者雇用安定法」の改正法が施行されており、70歳までの就業機会を確保することが企業に求められているのです。

従来の日本型の雇用制度では、大抵の場合40歳前後で出世コースが決まりますので、出世コースから外れた過半数の社員は、定年までの時間を「消化試合」として勤めることが決定的になってしまいます。

そこへさらに定年が伸びるとなれば、いわゆる「窓際族」と呼ばれる働かないおじさん社員に、企業は1000万円を超える高い年収を払い続けなくてはなりません。そう考えると、企業側が「退職金の他に4000万円を支払ってでも、今すぐ辞めてもらいたい!」と思うのは当然と言えるかもしれません。

 割増退職金をもらって早期退職するのは本当におトク?

内閣府の調査によると、60歳になる前に会社を辞めたいと考えている人は約25.7%、すなわち4人に1人は60歳になる前に会社を辞めたいと考えているということになります。そんな時に会社側から「退職金の他に4000万円をあげるから、今すぐ会社を辞めない?」などという提案をされたら、誰もがグラつくのではないでしょうか?

ここで、50歳前後のサラリーマンが割増退職金をもらい、転職活動をして第二の人生を探すというのは本当に得なのか、試算してみましょう。