昨今、企業のESGに向けた姿勢への注目度が高まっています。ESGとはE(環境)、S(社会)、G(企業統治)の英語の頭文字をとったものです。今回は様々な上場企業がESG戦略を検討、実施する中で、大手電気機器メーカーのオムロンを取り上げ、同社のESGに対する取り組みをご紹介します。
E(環境):広範囲なテーマをバリューチェーン全体で取り組む
同社はSDGsが掲げるサステナビリティーの一環で、環境面では以下5つのテーマに分かれる取り組みを推進しています。
1.環境マネジメント
環境ビジョン「グリーンオムロン2020」を策定し、環境経営を推進しています。
2.気候変動への取り組み
温室効果ガス排出量ゼロを目指しています。
3.資源の有効活用
限りある資源を有効に活用するため、循環型経済への取り組みを進めています。
4.化学物質の管理・削減
化学物質の適正な管理と削減を行っています。
5.グリーン調達
仕入れ先と協働して持続可能な調達に取り組んでいます。
また、同社はグループの環境方針として、製品の企画・開発・設計から、調達、製造、流通、販売、顧客先でのメンテナンス・サービス、資源回収、再利用、廃棄に至るまでのバリューチェーン全体について、製品ライフサイクルの視点から環境負荷低減を進めています。当然、開発委託先や調達先、生産委託先、物流委託先、販売委託先と一丸となった大規模な取り組みとなり、社会的な影響も大きいと推察されます。
これらの環境に対する取り組みはSDGsの掲げる17つのゴールのうち、環境関連(ゴールナンバー:7、13、14、15)とも密接に関連しており、ESG、SDGsの両面で優れた取り組みを進めているといえるでしょう。
※SDGsのゴールについては末尾に参考情報として掲載していますので、ご参照ください。
執筆者
1991年生まれ。新潟県新潟市出身。2022年に株式会社モニクル傘下の株式会社ナビゲータープラットフォームに入社し、現在はメディア事業部・メディアグロース企画推進室マネージャー。くらしとお金の経済メディア「LIMO(リーモ)」を中心に、多くの読者の方に幅広いコンテンツを届けるための戦略立案に従事している。
それ以前は、LIMO編集部にてアシスタント・コンテンツマネージャー(ACM)として従事。第一報として報道されるニュースを深堀りし、読者の方が企業財務や金融に対する知的好奇心を満たしたり、客観的データや事実に基づく判断を身に付けられたりできる内容の記事を積極的に発信していた。
入社以前は、株式会社フィスコにて客員アナリストとして約20社を担当し、アナリストレポートを多数執筆。また、営業担当として、IRツール(アナリストレポート、統合報告書、ESGレポートなど)やバーチャル株主総会サービス、株主優待電子化サービスなどもセールス。加えて、財務アドバイザーとしてM&Aや資金調達を提案したほか、上場企業向けにIR全般にわたるコンサルティングも提供。財務アドバイザリーファームからの業務委託で、数千万~数十億円規模の資金調達支援も多数経験。
株式会社第四銀行(現:株式会社第四北越銀行)、オリックス株式会社でも勤務し、中小・中堅企業向け融資を中心に幅広い金融サービスを営業した。株式会社DZHフィナンシャルリサーチでは、日本株アナリストとして上場企業の決算やM&A、資金調達などのニュースと、それを受けた株価の値動きに関する情報・分析を配信。IPOする企業の事業・財務を分析し、初値の予想などに関するレポートを執筆。ロンドン証券取引所傘下のリフィニティブ向けに、週間・月間レポートで、日本株パートを執筆。経済情報番組「日経CNBC」にて毎月電話出演し、相場や株価の状況も解説していた。
新潟県立新津高等学校を経て、2013年に慶応義塾大学商学部を卒業。学部では、岡本大輔研究会にて企業評価論、計量経営学を専攻していた。
最終更新日:2023/11/03