バフェットがもし日本で就活をしたらどの企業を目指すのか

就活人気ランキング外の意外な会社に注目

就職活動が始まり、多くの学生がどの会社に就職したいかを真剣に考え、悩んでいる時期かと思います。就活人気ランキングでは、銀行や商社などは採用人数が多いこともあり、毎年上位に上がってきます。安定した人気です。

ただ、今回は少しアプローチを変えて、世界屈指の投資家であるウォーレン・バフェットが日本で就職活動をしたらどんな企業を希望をするか考えてみました。就職と投資はイコールではない!というご指摘もあると思いますが、就職すれば、長いと数十年も勤務することになるのです。長期投資家の目線で企業選びをするというのはいかがでしょうか。

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バフェットの投資基準とは

バフェットの投資基準は極めてシンプルです。バフェットが会社を買収する際の基準に関しては、自身が経営するバークシャー・ハザウェイの年次報告書(アニュアルレポート)に詳細な記載があります(注)。それらは非常にシンプルなものです。まだご存知のない方のために、簡単に見ていくことにしましょう。

バフェットが企業買収をする際に重要視している基準(バークシャー基準)は以下の通りです。

  • 利益規模が税引前利益で7,500万ドル以上であり、また、そうでないならばバークシャーの既存事業にうまく適合する企業を大部分買い付けることができる
  • 継続的に利益を計上してきた実績のある企業(実績を伴わない将来の事業計画には興味がないし、事業再生途上の会社にも興味がない)
  • 従業員が少ないか借入がゼロで、ROEが高い企業
  • 有能な経営者が既にいる企業(バークシャーは経営者まではあてがえない)
  • シンプルな事業(あれこれテクノロジーの話をされてもバークシャーは理解できない)
  • 適切なお値段(バークシャーは、値段についてごちゃごちゃ交渉して自分たちや売り手の時間を無駄にしたくない。まだディールの序盤で値付けが行われていない案件についても同様)

注:バークシャー・ハサウェイのアニュアルレポート

バフェット基準を日本の上場企業に当てはめてみる

では、日本の時価総額トップ100銘柄の中から(2016年11月2日時点)、上記のバークシャー基準に合う銘柄を抽出してみましょう。

そのスクリーニング条件は以下の通りです。

  • 過去10年の当期純利益の年平均成長率(CAGR)で順位付け(2006年度から2015年度)
  • 10年間一度でも当期損失となった銘柄は除外
  • 同一企業で10年間の決算実績がない銘柄は除外
  • 決算期を変更し継続的なデータが取れない銘柄も除外

上場企業で時価総額の大きな銘柄から、バフェット基準をもとに設定した前提に合わない企業をふるい落としていくアプローチです。

バフェットが好む日本企業とは

スクリーニングの結果、当期純利益の成長率やROEも高く、株主資本比率が高い企業として以下のような企業が浮上してきます。

  • シマノ(7309):自動車部品業界の「インテル」とも言われ市場シェアが高い
  • オリエンタルランド(4661):ご存知、東京ディズニーランドの運営者
  • ニトリホールディングス(9843):家具小売り大手
  • ブリヂストン(5108):タイヤのグローバルプレーヤー
  • ユニ・チャーム(8113):おむつやペット用品大手
  • 村田製作所(6981):セラミックコンデンサの雄
  • 日本電産(6594):ハードディスク向け小型モータでNo.1

誰もが知っている企業もありますが、名前は聞いたことがあるがなじみがないという企業もあるかもしれません。

ただ、バフェット基準で浮かび上がってきた企業は一様に優良企業が多く、優れたビジネスモデルや技術を持つ企業が多いのが特徴です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回スクリーニングで浮上した企業は、決して就職人気ンランキングで上位の常連ではありません。しかし、業績やビジネスモデル、技術は非常に魅力的な企業ばかりです。ランキングは一つの情報として理解して、長期で成長が見込まれる、かつ自分に合った企業を探すというスタンスも面白いのではないでしょうか。

最後に、バフェットはそもそも就職活動をしたのかという質問もあるでしょう。バフェットの伝記には、自分の希望する会社に就職できずに実家の家業を手伝う話が出てきます。あのバフェットでも、思うような就職活動にはならなかったというのは印象深いエピソードです。

就職活動は企業についてゼロから知る絶好の機会とも言えます。少しでも興味があれば、企業の話に耳を傾けてみてはいかがでしょうか。

参考:「バフェット目線で探す! 株式市場が次に大暴落したら買い検討したい銘柄(2016年度版)」-Longine

投信1編集部

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投信1編集部

投信1編集部は、証券アナリストやファンドマネージャーとして長年の調査経験を持つメンバーで構成されており、金融・経済ニュースや投資に関する知識・アイデアをわかりやすくお届けします。