60歳代以降に必要なお金は生活費だけじゃない

人生100年時代の老後資金を考える上で、避けては通れないのが「介護費用」です。

毎月の生活赤字には意識がいっても、介護となると「いつかなるかもしれないけど、まだイメージができない」と横においてしまう人も多いのではないでしょうか。

しかし、年金だけで生活できるようカツカツの生活をしていたり、年金だけでは足りず貯蓄に手をつけている状態で介護が始まったら。

おそらく、資金のバランスを一気に崩すご家庭がほとんどかと思います。

というのも、生命保険文化センターが過去3年以内に介護経験がある人におこなった2021年度の調査では、介護にかかるお金の平均は「月8万3000円」、割合がもっとも多かった月平均の介護費用は「15万円以上(16.3%)」です。

介護が始まったら誰に面倒をみてもらうかという問題がありますが、上記の金銭的な負担を誰が負うのかという事も考えておかなくてはいけません。

介護期間は平均で5年1ヵ月ですが、10年以上介護を受けている人が17.6%と2割にせまる勢いです。

医療の進歩による介護の長期化で、家族や子どもに負担がいかないよう「介護にかかる費用は、介護を受ける本人が準備しておくこと」が求められるでしょう。

まとめにかえて

「老後に最低2000万円の資産を目指す」「介護費用を自分で準備する」という事を目標とした場合、預貯金ですべてを準備するのは気が遠くなるという方もいるかもしれません。

そんなときには、金融商品を活用することも検討してみると良いでしょう。

リスクを分散しながらつみたて投資ができる投資信託や、介護保険金として受け取れば原則非課税となる介護保険などを組み合わせた備えがおすすめです。

理想の老後と、最低限確保したい老後の生活について、一度じっくり考えてみてはいかがでしょうか。

参考資料

尾崎 絵実