大丈夫かJR北海道、北海道新幹線開業でも赤字拡大

2018年3月期も赤字が続く

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JR北海道が2017年3月期の決算を発表しました。2016年3月の北海道新幹線開業から約1年での結果は、JR北海道単体では過去最大の赤字、また連結では決算公表以来初となる経常赤字に陥っています。2018年3月期も単体・連結ともに営業赤字の計画となっている同社の今後の展開を考えます。

連結で初の経常赤字となったJR北海道

2017年5月9日にJR北海道が2017年3月期の決算を発表しました。同社は未上場企業ですが、損益計算書および貸借対照表を見ることで、企業の状態を把握することができます。

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2017年3月期のJR北海道の単体および連結の業績は下記の通りです。

単体:営業収益(※)894億円、営業利益▲498億円、経常利益▲188億円、当期純利益▲126億円
連結:営業収益(※)1,725億円、営業利益▲398億円、経常利益▲103億円、当期純利益▲148億円
※売上高に相当(以下同様)

このように、JR北海道は単体・連結ともに2017年3月期は営業利益、経常利益、当期純利益がいずれも赤字となっています。単体の当期純利益▲126億円は同社にとって実質過去最大の赤字であり、連結での経常赤字は連結決算公表来初の赤字となっています。

北海道新幹線投資関連の負担が重くのしかかる

鉄道事故や不祥事による経営再建の中、なんとか黒字を維持していたJR北海道ですが、2017年3月期は遂に赤字に転落してしまいました。その要因の1つは2016年3月に開業した北海道新幹線です。

JR北海道の公表資料によると、北海道新幹線の2017年3月期の増収効果は49億円とされています。一方で、費用面では修繕費が北海道新幹線設備の修繕等で前年比+22億円、減価償却費も北海道新幹線車両や安全対策により増加して同+63億円となるなど、前期比で大幅に増加しています。

北海道新幹線が2016年3月に開業していることから、全額ではありませんが大半の費用が北海道新幹線関連費用と考えられます。約49億円の増収効果と比べると、現時点では費用負担の方が重くなっていることが伺えます。

今期も期初から赤字の計画

昨年8月、北海道は 1週間で3つの台風に襲われ、JR北海道も大きな被害を受けました。台風被害関連の復旧費も2017年3月期に計上されており、赤字幅が大きくなっている面もありますが、注目すべきは以下のように2018年3月期も期初より赤字の計画となっている点です。

単体:営業収益909億円、営業利益▲505億円、経常利益▲189億円、当期純利益▲122億円
連結:営業収益1,725億円、営業利益▲415億円、経常利益▲130億円、当期純利益▲110億円

2018年3月期の事業計画に関しても期初の時点で単体・連結ともに2017年3月期と同等の赤字計上予想となっており、2017年3月期の赤字は一時的なものではないということが分かります。

まとめ

北海道新幹線は、当初不安視されていた乗車率は予想を上回る数字で推移していますが、当面赤字が見込まれます。北海道新幹線開業前から企業再建が喫緊の課題となっているJR北海道は、引き続き厳しい状況に直面していると言えるでしょう。

投信1編集部

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