3. 60歳代の年金受給額はいくら?【国民年金と厚生年金】

ここまで60歳代の就労状況についてみてきましたが、次は年金受給額に注目してみましょう。

今現在60歳代の方は年金をどのくらい受給しているのでしょうか。

厚生労働省が2021年12月に公表した「令和2年度厚生年金・国民年金事業の概況(2020年度)」を参考に、年齢別の年金受給額をみていきましょう。

3.1 国民年金の平均年金月額

  • 60~64歳:4万2306円(男性:6万2200円/女性:4万9400円)
  • 65~69歳:5万7502円(男性:6万4400円/5万9500円)

3.2 厚生年金(第1号)の平均年金月額

  • 60~64歳:7万5922円(男性:7万4100円/女性:3万7200円)
  • 65~69歳:14万3069円(男性:12万8200円/女性:7万5300円)

※国民年金(基礎年金)の月額を含む

国民年金は、日本に住む20代以上60歳未満のすべての人が加入するもので、年金受給の基礎となる部分です。

ちなみに、国民年金を40年間納めた方の場合、2022年の受給額は満額で6万4816円となります。特に、フリーランスの方は国民年金のみの受給となるため、年金だけで老後生活を送ることは極めて難しいと言わざるを得ません。

会社員や公務員であれば、さらに上乗せして厚生年金にも加入しており、平均受給額は国民年金だけの場合と比べても大きくなります。

ただし、厚生年金は収入に応じて保険料を払うため、個人差が大きいもの。年金のみでは生活が苦しい方も少なくないでしょう。

参考までに、以下は男女に分けた厚生年金の月1万円未満~30万円以上の受給権者数です。

出所: 厚生労働省年金局「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

男性のボリュームゾーンは15~20万円、女性は7~12万円と差があり、また個人でも差が大きいことがわかりますね。このような違いが見られるため、まずはねんきん定期便などのご確認をおすすめします。

また、年金受給額が60代前半と後半で大きな差となっている理由は、「受給開始のタイミング」が理由として挙げられます。

現在の年金制度では、65歳よりも前に年金を受給する場合、1カ月前倒しにするごとに原則0.4%ずつもらえる額が減ります。

逆に65歳よりも1カ月先延ばしにする毎に0.7%ずつ受給できる額が増えます。このあたりの制度も上手に活用するといいでしょう。

ただし一度決めると変更はできないので、慎重に検討してください。